フジサンケイレディスクラシック　川奈ホテルゴルフコース 富士コース（静岡県）第2日

　これがツアー通算20勝のプライドなのか。この日6バーディー、ノーボギーの65で回り、通算5アンダーの2位タイまで順位を上げてきた鈴木愛が、竹田麗央の2週連続Vを阻止したいと宣言した。「同じ選手ばっかり勝つのは面白くないですから」と理由を語るが、若い選手にとって自分が大きな壁になりたい思いもある。実際、竹田とは今季2度ほど最終日最終組で戦ったが、どちらも鈴木が制している。ましてや、開催コースの川奈ホテルゴルフコース 富士コースのように、アップダウンがあり、風が強いコースは鈴木にとってご馳走だ。

　出身地である徳島県に限らず、四国にはアップダウンがあり、風が強いコースが比較的多い。そこでゴルフを覚えた鈴木にしてみれば、傾斜からのショットも、風に負けないショットを打つことも苦にはならないのだ。

　「弾道を低く抑えて打つのは得意です。いつもよりボール1、2個分右に置いて、ボールの上からクラブヘッドを下ろしてバチンと打つだけです。フォロースルーも大きくとりません」。この日はパーに終わったが、打ち上げになる17番・パー3でもローボールで攻めるという。グリーンに止まりにくくなるが、それも織り込み済みだ。グリーン奥には土手があり、オーバーしてもそこに当たって、戻ってくる確率が高いからだ。このホールはティーイングエリアとグリーン上での風向きが異なることが多く、手前のがけ下にボールを落とす選手も少なくない。そこからアプローチすることを考えれば、多少オーバーしてもいいという考えだ。

　他の17ホールにも対処法があると思われるだけに、鈴木にとってはむしろ風が強く吹いた方が有利になる。「できれば、明日は風がビュンビュンに吹いて欲しいですね」。鈴木vs竹田が優勝争いの定番にもなりそうな今年のJLPGAツアーだが、鈴木が逆転勝利を収めるには、強風が一つの条件になることは間違いない。
（山西 英希）