ジャパンパラで準優勝も、目指すのは金メダルだけ。ゴールボール女子日本代表の現在地
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ターゲットはパリの金メダル
金メダルへの強い思いを口にするエースの萩原 【photo by X-1】
パリの金メダルにつなげる大会にしたい、と話したジャパンパラで大きな収穫を手にした。
同じく報道陣の前で「金メダル」という言葉を口にしたキャプテンの高橋利恵子は、ディフェンスの要でもある。パリの出場権を決めたアジアパシフィック以降、ディフェンスを課題に挙げて強化したと話す。今大会では世界トップスピードを誇るリヒ・ビン・デビット(イスラエル)の球を受け、チームの弱点となっている場所やスピードボールを受ける態勢などを再確認し、本番まで残り5ヵ月でやるべきことを明確にした。
東京パラリンピックにも出場したキャプテンの高橋 【photo by X-1】
「ずっとライトプレーヤーだったが、レフトに行く可能性もあるんじゃないかというのを自分の中で考えて挑戦していて、今大会でも持てる力を発揮していた」(辻美穂子ヘッドコーチ)
日本代表のポイントゲッターでレフトの欠端瑛子が手首の故障で戦線を離れていることもあり、パリで天摩の活躍は欠かせない。
天摩は昨年、日本代表メンバーから外れることもあったが、復調を見せた 【photo by X-1】
代表の座をつかむのは誰だ?
世界で戦う若手の萩原(左)と新井 【photo by X-1】
新井は175㎝の高さを活かして日本代表のキープレーヤーに成長した 【photo by X-1】
2021年にゴールボールを始めた新星の新井もパリ代表有力選手だ 【photo by X-1】
日本ゴールボール協会は3月までをパリパラリンピック日本代表の選考期間としており、「この大会はパリの選考というところで、やっぱり自分たちのプレーをアピールしなきゃいけない場でもある」と話した安室は、ペナルティスローの場面で自ら志願し、その言葉通りに得点を決めて代表入りをアピールした。
複数ポジションをこなす安室は攻撃力がアップした 【photo by X-1】
コート外では若手の話を聞くなど精神的な支えでもある小宮 【photo by X-1】
小宮は今大会のメンバーにおいてロンドン大会で日本代表が手にした金メダルを唯一知る選手だが、現在のチームの金メダルへの思いも負けず劣らず強いと感じている、と証言する。
「私もやはりアテネで銅メダルを取ってその悔しさがあったからこそロンドンで金が獲れたと思っている。東京での悔しさがあり、『絶対に(金メダル)』というすごく強い気持ちがチーム全体にあると思います」
さらに、東京パラリンピックでローイング日本代表だった木村由、IBSAワールドゲームズ代表の神谷歩未もメンバー入りを目指している。
世界ランキング2位の女子日本代表だが、世界ランキング1位のトルコ、今回のジャパンパラ決勝で敗れたイスラエル、アジアの壁となっている中国、世界選手権で敗れた韓国など、金メダルへの道に立ちはだかるライバルは少なくない。激化する代表選考もまもなく選考期間を終え、パリへの準備が本格的に始まる。日本代表はパリで一番輝く色のメダルを獲得できるのか。史上最強のゴールボール女子日本代表から目が離せない。
会場は横浜国際プール。「練習では聞こえづらいと思ったけど試合では普段通りにプレーできた」とは安室 【photo by X-1】
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※本記事はパラサポWEBに2024年3月に掲載されたものです。
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