ダンス新時代 〜「プロダンサー」という職業で生きる〜 LIFULL ALT-RHYTHM「野口量」

D.LEAGUE
チーム・協会

【D.LEAGUE】

4年目を迎えた世界最高峰のプロダンスリーグ「第一生命 D.LEAGUE」。その中で活躍するDリーガー達の激闘の日々や苦悩、そして思考や価値観に迫る“ダンス新時代 〜「プロダンサー」という職業で生きる〜”をDewsが独占取材。D.LEAGUE 23-24シーズンを駆け抜ける全13チーム26名にフォーカスします。
今回は独特の世界観でD.LEAGUEに衝撃を与え続ける、LIFULL ALT-RHYTHMをディレクターとしてチームを率いる野口量氏に話を聞いてみた。

D.LEAGUEを経験して、気持ちの変化などはありましたか。

入った当初は怖いもの知らずで、D.LEAGUEにまだないチームを作ろうと思っていましたが、結果的に成績が振るわず、2、3年目ではどうしたら勝てるのか研究しました。元々、LIFULLという会社が社会課題解決を目標の一つに掲げているのでそれとシンクロしてテーマ性のある作品を作ることは、自分が今までやっていた作品の作り方に近かったので、D.LEAGUEに入ってスタイルなどが変化したことはないですね。スポンサーさんもついて、お金もあって、オリジナル楽曲も作って、衣装や照明などの環境も整っている中で、作品を作っていけるということが、ありがたいです。クラブのステージでは、自分達の一番やりたいことを、好きなようにやってバラツキがあってもそこまでが作品として見せることが多いのですが、D.LEAGUEでは、テーマをお客さんやジャッジに伝えなきゃいけないとか、動きを合わせなきゃいけないという部分はキチっと気持ちを切り替えますね。

【D.LEAGUE】

LIFULL ALT-RHYTHMはユニークなテーマが多いと思いますが、どうやって考えているのですか。

新しい情報やニュースを受け取るだけではなく、日常にある当たり前のことを捉え直すようにしています。日常の当たり前なことは、元々当たり前にあったものじゃないから、そういうことを、ふとした瞬間にちゃんと自分で考えないといけないかな。13年くらい前、広告の仕事をやり始めた時に、そこで働いている人たちが、事象を深掘りしていることに、きっかけをもらいました。今では日常の当たり前のことなど、小さいところから考えることが癖になってますね。例えば、今日はタコライスを食べてきたんですけど、タコライスっていろんな国の食べ物や文化が混ざってできている食べ物だなと感じて、それぞれどんな文化から来ているのかなどを調べてみたりしています。

ディレクションをする上で心がけていることなどはありますか。

D.LEAGUEで自分達のチームが取り組むべきことは、表現の幅を狭くしないことかなと思います。勝つことと、自分達の表現を貫くことのバランスを取らなければいけないですが、リズムダンスから離れた表現をする時は、スイープを自分達が取るか取られるか、という気持ちで、中途半端な作品にならないように心がけていますね。

メンバーとはちゃんとコミュニケーションを取れるようにしていて、試してみたいことを試せる関係でいられていることが、チームがずっと健全でいられる理由かなと思います。
ダンサーもディレクターも、楽曲制作などのクリエイティブチームにもだけど、敬重する姿勢を持つことと、発言しやすい環境をなるべく作ることを意識していますね。

実は、作品の作り方が毎回違うんですよ。音楽がないところから始まる時もあるし、動きを先に作る時もあるし、音楽からインスピレーションを受ける時もあるし、その段階全てから、思考が始まっています。うちのチームはディレクター2名を抜かすと10人のメンバーなので、制作している中でだんだんメンバーを決めていく感じですね。作品作りに関しては、メンバーは信頼してくれてるなと思います。みんなで意見をたくさん出しながら考えていきますが、最終決定に関しては、自分に委任してくれているので歪みがないですね。

【D.LEAGUE】

LIFULL ALT-RHYTHMはどんなチームですか。

マイペースなチームです。話を聞いてなかったり、みんな空気を読まずに発言してることとかがよくありますね..(笑)。僕は受け入れるのが基本スタンスなので、意見に対して否定をなるべくしないようにしています。特に作品の内容に関係しないところは、放任主義な感じです。

あとは、アルトリというチームはメンバーも同じ気持ちだと思いますが、自分の子供みたいなものなので、
このチームが長く続いてほしいなと思います。そのために必要なことを、今シーズンは時間がタイトな中で取り組んでいますね。

昨シーズンまでは、僕がテーマとか大まかな枠組みを決めてディレクションを決めて作っていたのですが、今シーズンは色々な人がディレクションにも入ってくれているので、より幅が広がって変化のあるチームになっていくかなと思います。
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著者プロフィール

D.LEAGUEとは、“世界中すべての人に「ダンスがある人生」をもたらす”をミッションに、活動を通じてダンスへの認知・理解・共感を実現し新しい文化と産業構造を創造する、2020年8月に発足した日本発のプロダンスリーグです。

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