ダンス新時代 〜「プロダンサー」として生きる〜 avex ROYALBRATS 「Yuta Nakamura」

D.LEAGUE
チーム・協会

【D.LEAGUE】

4年目を迎えた世界最高峰のプロダンスリーグ「第一生命 D.LEAGUE」。その中で活躍するDリーガー達の激闘の日々や苦悩、そして思考や価値観に迫る“ダンス新時代 〜「プロダンサー」として生きる〜”をDewsが独占取材。D.LEAGUE 23-24シーズンを駆け抜ける全13チーム26名にフォーカスします。
今回はキャッチーな振付と持ち前のコミュニケーション力でチームをひっぱり続ける、Yuta Nakamura氏にインタビューを行った。

■D.LEAGUEに参加して3年目ですが、心境の変化などありますか。

変わったことでいうと責任感が増えたことと、作品作りに対する思いが変わってきたかなと思います。総合して成長できてるんじゃないかなと思います。一番難しいのはモチベーションのキープだと思うんですけど、そういう面ではマンネリ化している部分があるので、変化を作らないといけないと思っています。枠が2分15秒という作品をずっと作っていかないといけないし、もう何十個も作品を作ってきている中で新しいもので、勝てる物を作っていかなきゃいけないというプレッシャーが常にある状態なので、今年は勝ちに行くのをメインにするのか、作品性の高い作品を作るのを優先にするのかを定めていかなきゃいけないなと思っています。初年度は自分達の好きな作品をガンガン出して、自分達のダンススタイルの自己紹介のような作品をやっていて、2年目の22-23シーズンは勝ちにこだわった作品が多めでした。3年目にして、良い作品を生み出したい気持ちがある反面、勝ちにも欲が出てきているので、そこを定めていきたいなと思っています。

【D.LEAGUE】

aRBはユニークなテーマや作品が多いと思いますが、大切にしていることなどはありますか。

自分がやりたい作品とかみんながやりたい作品を、みんなでアイデアを出し合ってテーマとジャンルの組み合わせをしていくことで、見たことがないものを作っていくということを、最近はコンセプトにしています。1年の頭にアイデアを書き出したり、あとは思いついたらメモをとっておく感じですね。自分から映画や舞台などの中からテーマを見つけにいくと、縛りを作ってしまっている感覚があるので、日常の生活やニュースなどからテーマを見つけ出すことが多いです。

うちのメンバーは探究心が強く、飽き性っていうのはあると思うので、見たことない作品を作りたいっていうのはあるし、コレオグラフって元々自由度が高いものなので、〇〇ダンスって作りやすいと思うんですよ。みんな柔軟に作品作りに取り組んでいるので、これは無理だよね、っていうのは少ないですね。

そもそもうちのチームはダンスがうまくて勝てるメンバーを選んだというよりは、このメンバーといたら楽しいな、面白い作品ができそうだという観点でメンバーを誘っていて、個人的には個性豊かなメンバーだと思っているので、メンバーも個性を伸ばして成長してくれたら良いなと思っています。正直、自分の持っているレシピを出し切ったみたいなところがあって、素材が同じなら、出るものも似通ってしまうところもあるので、新しい材料が欲しいなと思っています。D.LEAGUEでこういう作品にしたいと思ったときに、スキルがついてこないと、自分も飽きてしまうし、ワクワクしないし、ダンスがうまくなりたいならうまくなるべきだし、ダンス以外のことでもいいから向上心を持って取り組んで、それぞれ成長していくことが、チームを大きくするんじゃないかなと思っています。

チームディレクターとして意識していることはありますか。

チームが3年目を迎えて、D.LEAGUEも完成してきていて、ある程度勝ち方みたいなものが各チームにできてきていると思います。その論理に自分達を当てはめた時に、スキルが足りていないことなどが自分達のチームの課題なので、今まではメンバーと同じ目線でやってきたけれど、メンバーと距離をとってディレクターとしての立ち位置を意識するようになりました。動物園みたいなチームなので、一人一人が今後活躍していけるようにしたいと思っていて、なるべく個性を潰さないようにはしています。お互いがお互いをリスペクトしている部分は大切にしていて、それぞれが自分に足りない要素を取り入れて、個人で成長してきているし、今後も継続できると良いなと考えています。
メンバーとの距離感と、メンバーの現状把握ですね。あとは分析とミーティングを大切にしています。頭を使ってますね。

チームとして今後取り組んでいきたいことなどはありますか。

まずは課題に取り組んでいかなければいけないということを認めなきゃいけないと思っています。ある程度、去年も強いチームではあったと思うのですが、それに満足して調子に乗っている部分がチーム全体にあって、正直去年は成長してなかったなと思っていています。これからしっかり課題に取り組まないと今年は勝てないと思っているので、現状を認めて、自分達に向き合って頑張ろうと思っています。

具体的に作品を作る時には、対戦相手のすごいところをまず認めるところから始めるようにしています。何が凄くてどうなのか、じゃあ自分達はどうなのかを照らし合わせ、自分達が勝負できるところを探し、足りないものを埋めた上で、良い作品を作って、自分達ができる世界観で、ブレずにやっていく。あとはジャッジがどう受け止めてくれるかですね。

【D.LEAGUE】

aRBの強みや魅力はなんだと思いますか。

自分達の強みは、作品力とアホっぽさですかね。(笑)
アホっぽさってギャップにつながると思っていて、普段どんなにアホっぽくても、本番がすごかったら何も言えないと思うし、このギャップはやろうと思ってできることじゃないので、伸び伸びとD.LEAGUEに取り組んで、一番楽しそうなチームって思われるチームでいたいですね。

あとは客観視を大切にしていて、僕自身が普通の人間だと思っているので、その視点を大事にお客さんを楽しませることを意識しています。僕たちも自分達自身の作品に飽きはきていて、それは認めるべきだし、自分達は気付いているから、あとは登っていくだけでどう変えていくかを考えていくべきなので、もっと楽しませられるんじゃないかなと思っています。

お客さんに見て欲しいところはありますか。

ダンスの部分でいうと特にないですね。僕らは勝手に踊るので、好きに楽しんでもらえればいいなという考えなので。楽しんでね、とはあまり言いたくないですね。楽しんでもらえるかどうかは、こちらの実力次第だと思うので、良い作品だったら良いといってくれる人が増えるかもしれないし、自分達で納得がいっていなかったらそうはならないと思うので、自分達が自信のあるものを出して、それをお客さんがどう楽しむかだと思うので、お客さんに強制するものはないですね。今はバトル形式でやってますけど、その中でも僕たちはこういう作品が好きでこういうのやってます、というのを汲み取ってもらって、こういうダンスもあるんだって思ってもらえたり、ダンスの見方が変わってくれたら、嬉しいです。

ダンス以外の部分では、人間臭さを見て欲しいですね。勝っても負けても同じ対応ができるのがプロっていうのはあると思うのですが、うちのチームはそれができないし、勝ったら喜んで負けたら落ち込む、みたいな人間らしさがうちのチームの良さでもあるので、そこを見て欲しいですね。
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著者プロフィール

D.LEAGUEとは、“世界中すべての人に「ダンスがある人生」をもたらす”をミッションに、活動を通じてダンスへの認知・理解・共感を実現し新しい文化と産業構造を創造する、2020年8月に発足した日本発のプロダンスリーグです。

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