【ラグビー/NTTリーグワン】「すべて無駄ではなかった」。 幾度のポジション変更を経て広がった視野<レッドハリケーンズ大阪>

レッドハリケーンズ大阪 坂本洋道選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

3月10日(日)、ディビジョン2第8節のビジターゲームに臨むレッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)。現在3位につけるNECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)と対戦する。

GR東葛との前回対戦(第4節)で、加入後初めて先発出場を果たした坂本洋道。それ以降の3試合で先発しており、今節も先発入り。坂本は今季を迎える前、「スクラムを指導してくれている松川功コーチングコーディネーターから提案を受けて」フッカーからプロップにポジションを変更した。RH大阪に入ってからは初めてのことだったが、坂本自身にとってはこれが3度目のポジション変更だった。

國學院大學栃木高校へ入学した際は、センターとしてラグビー部に入部した。高校2年生のときにフランカーに転向。身長173cm の坂本は「体のサイズ的にフランカーとしてトップレベルのリーグで戦うのは難しいかもしれない」と思い、専修大学卒業を1年後に控えたころに受けたトライアウトでは、自ら「フッカーに挑戦する」とRH大阪に売り込んでいる。

自ら売り込んで加入したものの、フッカーの重要な役割であるスローインへの苦手意識は日に日に強くなってしまっていたという。「朝起きて、『今日も練習でミスしたらどうしよう』と思うようになっていた。その気持ちから、スロー以外のところでもパフォーマンスに影響が出ていた」と振り返る。ファーストキャップを獲得できたのは、昨年の3月12日に行われたD3第10節。2020年の加入からは、3年が経っていた。

「同じフロントローと呼ばれるポジションではあるけれど、いざやってみたらまったく違っていて。初めて1番に入ってスクラムを組んだとき、かかる負荷の違いを感じて、これは一筋縄ではいかないと思った」。その反面、これまでずっと積み上げてきた筋力トレーニングで培った力を発揮できるという手ごたえも感じ、「うれしかった」。少しネガティブに感じていた練習場へ向かうことも、「毎日、楽しみになった」。そして、ポジション変更が功を奏してすべての試合に出場している今季は、各ポジションでの経験から「いろいろな視点をもてているので、これまでやってきたことはすべて無駄ではなかった」と感じられるようにもなった。

RH大阪に加入する際にフッカーに転向したのは、どうしても“ラグビー選手”になりたいと思っていたからだった。苦労を承知の上でもなりたかった“ラグビー選手”として、試合でチームに貢献できる喜びを知った坂本。今節もセットピースをはじめ、随所で持ち前の力強さを発揮したい。

(前田カオリ)
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント