【どこよりも詳しい】スワローズ新外国人ホセ・エスパーダ投手徹底分析
昨年の12月に東京スワローズに新たに加わったホセ・エスパーダ投手獲得の報が入りました。
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23年にディロン・ピーターズ投手、キオーニ・ケラ投手、ライネル・エスピナル投手の3投手をリリースしており、5位に沈んだチームの浮上にはヤフーレ投手とエスパーダ投手の活躍も必要になっていきます。
本noteではホセ・エスパーダ投手がどんな投手か、そしてチームにどうフィットしていくかを考えていきましょう。
0.ホセ・エスパーダ投手のプロフィール
1997年2月22日生まれの26歳。スワローズの同学年は清水投手。昨年途中加入したエルビン・ロドリゲス投手が一つ下、ヤフーレ投手は二つ下で、スワローズの外国籍投手の中ではサイスニード投手に次ぐお兄ちゃん的な位置です(早生まれなのでE-ロッド投手とは同い年みたいなものですが笑)。
エスパーダ投手は2015年にドラフト5巡目でトロント・ブルージェイズから指名。ルーキーリーグからスタートし、当初は先発として起用されてきました。入団時より細身であったため耐久性に疑問符もスカウティングレポートでは付いていましたが、大きな故障で離脱することは無く、2019年にレッドソックス傘下へ移籍。このシーズンからリリーバーに本格転向します。
2020コロナによるマイナーリーグの中断により登板無く、2021年はA+リーグながら28試合に登板しイニング数を大きく上回る奪三振数を記録。22年シーズン途中にパドレス参加へ移籍。
2023年はエスパーダ投手にとって激動の年となりました。
シーズン前にWBCプエルトリコ代表の入替可能選手に選出。23年3月9日のブレーブスとの練習試合で初登板。イニング途中から入り、1.1イニングを1安打1奪三振1失点(自責0)。残念ながら予選~本戦での登板機会はありませんでしたが、ナショナルチームの一員としての経験を積んだことは大きなエピックだったでしょう。
チームに戻ってからは初めてのAA、AAAを経て、23年9月24日にMLB初登板。緊張の伝わるマウンドで、十分な制球が出来なかったものの、9回大量リード時ということもありパドレスファンからの声援もバックに1イニングを2奪三振2四球無失点でデビュー戦を飾りました。
そして同年オフに東京ヤクルトスワローズへの24年シーズン加入が決定。今年はさらに飛躍し、23年以上に忙しいシーズンにしなければなりません。
スワローズとは推定年俸70万ドル(約9800万円)プラス出来高払いとのこと。
奥村国際グループ担当部長はシーズン終了後のウィンターリーグでの登板を高く評価しており次のようにコメントをしています。
11月からのプエルトリコ・ウインターリーグでは8回を無安打無失点、9三振を奪う快投で「サインしますから、もう家に帰ってくださいというところで中断させた」と獲得の経緯を語った。
契約の形についても説明し「パドレスから買い取ってます。ですから移籍金を払って、パドレスから買ったという形です」とした。
(2023年12月18日付 日刊スポーツ)
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SNSはかなり積極的に使う選手で、X(旧Twitter)では自身のニックネームを募集し、“パダちゃん”に決定…📝
1.ホセ・エスパーダ投手の投球成績
直近、2023年のマイナーリーグAAAでのエスパーダ投手の登板成績は次の通りです。
【シュバルベ】
特に奪三振率28.7K%は顕著な数字で、三振を取れることでピンチの芽を摘んでいくというピッチングスタイルです。HR/9も1.00を切っており、イニング数が十分とは言えないもののPCLリーグではかなり良いスタッツとなっています。
過去3年間のMLB~マイナー含めた成績はこちらです。
【シュバルベ】
与四球率12BB%台も奪三振を多くとるタイプのリリーバーとしては平均的なもので、制球も破綻することは無いと考えて良いでしょう。
動画でフォームを見ている限り、ランナーがいるシチュエーションでも足上げの動作はやや大きいためクイックに難を抱えているように感じましたが、23年のマイナーでは7許盗塁に対して3盗塁刺で阻止率3割と悪くなく、また牽制で5度刺しているようです(動画等で確認できないのであくまで数字の話しかできませんが…)。
もし牽制の巧さゆえに盗塁企図自体が少ないのであればリリーバーとして言うことないですし、このあたりの細かい技術はキャンプで確認しておきたい点ですね。初日〜4日目まででフィールディングの動きは良さそうなのは確認しました👀
2.ホセ・エスパーダ投手の投球内容
サンプル数は1試合1イニングのわずか25球とほぼ意味をなさない少なさですが、2022年にMLBで投じたボールは次のようになります。
【シュバルベ】
AAAでの球種別投球割合・平均球速 【シュバルベ】
フォーシームの球質としてはシュート成分が少ないマッスラ系統。投げ方を見ても上体を一塁側に倒し、スペースを作ってアームアングル高めから投げるフォームで、そのフォームからもシュート成分が少なくなるのは納得です。
サンプル数が少ないためあくまで参考として見て頂きたいですが、他のNPBの選手と比べたフォーシームの変化量はこちら。
【シュバルベ】
エスパーダ投手に近しい球質の投手が同じスワローズのサイスニード投手と元オリックスのワゲスパック投手。ともに体格は大柄でメカニクスも異なるため簡単に比較は出来ないですが、サイスニード投手はチームメイトになるため指先の感覚や回転軸、配球のことなど話し合いを見られると良いかなと思います。
浦添キャンプ初日に中村捕手がボールを受けていましたが、その後のインタビューでエスパーダ投手の真っ直ぐについてマッスラしていると話していたので、サンプル数は少ないですがある程度上記のフォーシームのマッピングは確からしいと考えて良いでしょう。
次にスプリット。この球はMLBで投げている選手が少ない球種ですが、変化量としてはむしろチェンジアップでイメージする方が近いかもしれません。
【シュバルベ】
ただ、ウィンターリーグではこのボールがしっかり落ちるように操れるシーンが増えました。日本のボールでどう変化するかという点をキャンプ〜実戦で確認し、投げ方含め見極めていく形になるでしょう。
最後にスライダー。スプリット同様、このボールも該当試合では制御できておらず下のマッピングでも他の投手と比べてかなり特異な変化量となっています。
【シュバルベ】
繰り返しになりますが、上記のマッピングは1試合1イニングという極めて少ないサンプルを基にしているため、あくまで参考程度にしかなりません。
が、それでもこれら3球種の変化量はかなり特殊であり、現代の投手にとってほかの選手といかに異なる変化をするかが重視されています。エスパーダ投手がこれらのボールを自身の投げたいイメージにそって意図的に投げることができれば打者にとって非常に打ちにくいボールになるでしょう。
フォームも特殊で、軸脚がプレートから離れるのがリリースよりもかなり早く、上体の強さだけで投げているようにも見えるため一般的にはあまり推奨されていないように思います。しかし、元レッドソックスの岡島秀樹投手のようにフォームにリスクがあっても結果を残したものが勝ちという世界なので打者を抑えられるかどうかが最重要。実戦で早く登板を見たいですね。
特にウィンターリーグではスプリットを低めに投げて空振りを取れるシーンが見受けられ、それは日本の野球にも適していると考えられます。球種が少ない分、いずれのボールでも精度と再現性が求められるので、スワローズの投手育成能力が試される投手だと思います。
3.ホセ・エスパーダ投手に求められる役割
昨年はケラ投手が一軍登板なし、エスピナル投手も二軍がメインでその消化イニング数もあわせて50イニング程度でした。結果として投手陣にはとくに夏場にしわ寄せがいき、スワローズが優勝した22年のA.J.コール投手のような縁の下の力持ちタイプは待ち望まれます。
球質やフォームなどまだ素材寄りな部分も見えている一方、右のリリーフはNPBでも戦力外から獲得した選手が他球団で戦力化するケースも多く、代替性の高いポジション。来季も契約を掴むためには一定以上の一軍成績が求められます。
エスパーダ投手に求めたい数字としては、
▸ 一軍二軍あわせて40登板以上▸ 一軍での奪三振率25K%▸ 投手WAR0.5以上
の3つを挙げたいと思います。
昨年途中で来日した先発のエルビン・ロドリゲス投手の一軍投手WARは+0.6。星投手や大西投手で+0.6〜0.7で、中継ぎとしてこれくらいのWARを残せる内容と登板数を重ねればブルペンを支えた投手という評価になるはずです。
最後にエスパーダ投手の入団会見時のコメントで締めましょう。
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