波乱の期待?佐賀・飛燕賞は“内”が人気薄のカギ/データ分析

佐賀県競馬組合
チーム・協会

2023年優勝ディーディーデイ 【撮影:佐賀県競馬組合】

第20回 飛燕賞(3歳、ダート1400m)
2月4日佐賀9レース 18時15分発走予定


3歳馬の短距離重賞。今年からダート体系が整備され、佐賀所属馬は3月末のネクストスター西日本(園田ダート1400m)から兵庫チャンピオンシップJpnII(園田ダート1400m)を目指せるようになった。あるいは、従来通り春は佐賀皐月賞(佐賀ダート1800m)を目指すのもあり。ここの走り次第で未来が大きく開ける一戦だ。
ここでは過去10年の飛燕賞や、現行のダート1400mで行われるようになった2019年以降5回のデータを元に分析する。

万馬券の出やすい3歳戦

過去10回で3番人気以内が8勝を挙げる。その一方で、3連単の平均配当は3万9458円。10回中、過半数の6回で万馬券が出現した。堅い配当になりやすい佐賀競馬としては、万馬券になりやすいと言えるだろう。このうち4回は1番人気が3着以内に入りながらも3万円を超える配当で、いずれも5番人気以下の馬が上位入着したことで万馬券を呼んだ。

単勝人気別成績 【表1】

人気薄はインコースから浮上

では、3連単万馬券が出た時の傾向を探っていこう。過去10回で3連単が万馬券になったのは23年、21年、18年、17年、15年、14年。その年の3着以内に入った馬のうち人気薄の馬の道中の位置取りを見ると、「インコースを走った」という共通点があった。23年、21年、15年は逃げ粘り、18年と17年は中団より後ろから運んだが、道中は内をロスなく運んでおり、人気以上の好走に繋がった。
なお、14年は公式映像がHPに残っていないため、割愛した。

3連単万馬券時の人気薄の脚質等 【表2】

牡馬・牝馬の勝利数は互角

性別による成績では、牡馬と牝馬が5勝ずつで分け合った。ただし、勝率や連対率、3着内率で見ると、牡馬の方が高い結果となった。

性別成績 【表3】

逃げ馬有利な短距離戦

脚質別成績では現行のダート1400mで行われるようになった直近5回から分析する。逃げ馬が3勝を挙げ、勝率50%、3着内率も83.3%と非常に高い数字となている。小回りコースであることを加味しても、逃げ馬有利なレースと言えるだろう。実際、表2で示した通り、人気薄でも逃げると3着以内に粘れることもあった。

脚質別成績 【表4】

5~7枠が好成績

枠番別成績でも現行距離の直近5回のデータを見てみよう。4コーナーの引き込み線から1周、コーナー4回のコース。枠番別では6枠が2勝を挙げ、その前後の5枠が3着内率50.0%、4枠が40.0%、外の7枠も33.3%となっている。

枠番別成績 【表5】

人気の東調教師、真島調教師は狙い

調教師別成績では東眞一調教師、三小田幸人調教師、平山宏秀調教師、真島元徳調教師が複数勝利を挙げる。いずれも重賞レースで有力馬を多く送り出す厩舎で、その傾向は当レースにも継がれている。この中で東調教師と真島調教師は3番人気以内の人気馬で勝った一方、三小田調教師は23年7番人気ディーディーデイ、平山調教師は21年5番人気テイエムサツマオーで勝ったように、人気薄での勝利も見られる。
なお、下表は今年出走馬を送り出す調教師のみを抽出した。

調教師別成績 【表6】

データからの推奨馬は?

① 逃げ馬
② 東眞一厩舎、真島元徳厩舎の人気馬
③ 5~7枠だと良し
④ ただし、人気薄を狙うなら、内枠から

※人気は気にせず広く狙ってOK
※牡馬・牝馬は気にする必要なし

断然人気は唯一の重賞馬トゥールリーだろう。現在4連勝中で、前走の佐賀若駒賞のほか、九州ジュニアチャンピオンも勝ち、重賞2勝。近年の傾向を見ても、重賞勝ち馬や好走馬は期待通り上位に入着しており、ここも軸と見て良さそうだ。近5走で逃げており、①に当てはまる。
単勝オッズは離される可能性もあるが、上位人気の1頭に推されそうなのはトレベルオール。3走前にはトゥールリーに1秒2離されての2着だったが、連勝中のここ2戦のタイムは上々。6枠7番で③に該当。
なお、管理するのは真島正徳調教師で、真島元徳調教師の弟。②には該当しないので注意を。
トゥールリーと並び逃げ馬候補に上げられるのはギャルピース。1勝馬ではあるが、7枠10番に入り、①③に当てはまる。
⑤からは1枠1番ニシケンキング、内から逃げる可能性も秘めている3枠3番ビーアライブあたりか。
今年のメンバー構成からはヒモ荒れが十分に考えられ、手広く狙うのもいいだろう。

第20回飛燕賞 【出馬表】


文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日や週末は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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著者プロフィール

佐賀競馬は九州唯一の地方競馬場として主に土日に競馬を開催しています。注目の重賞情報やイベント情報など、佐賀競馬のニュースを日々お届けいたします。

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