早大競走部 主力を欠くも「チーム全員でまとまって戦えた結果」(菖蒲) 7位で箱根を終える/箱根駅伝復路

チーム・協会
第100回東京箱根間往復大学駅伝 1月2・3日 東京・大手町読売新聞東京本社前⇔神奈川・箱根町芦ノ湖駐車場入口
【早稲田スポーツ新聞会】記事 沼澤泰平、写真 星野有哉、加藤志保、三浦佑亮、川上璃々

 2日の往路を5位で終え、2年連続のシード権獲得にむけて好スタートを切った早大。花田勝彦駅伝監督(平6人卒=滋賀・彦根東)は「今回はシード権を目標にする」と、往路の結果を受けて目標を修正し、復路に臨んだ。6区で順位を落とし、7区終了時点で9位と、シード権争いに巻き込まれる可能性もあったが、8区の伊福陽太(政経3=京都・洛南)が悪い流れを断ち切るレースを展開。その後も順位を一つ上げ、7位で大手町のゴールテープを切った。

山を駆け下る栁本 【早稲田スポーツ新聞会】

 6区に当日変更で起用されたのは、2年ぶり2回目の出走となる栁本匡哉(スポ4=愛知・豊川)。前回出走時の経験から、「どこが重要なポイントかは把握していた」栁本だったが、「予想以上に体が冷えてしまい動かなかった」(栁本)。序盤に1分2秒差あった国学院大に捕らえられると、下りに入ってもペースを上げることができず、苦しい走りとなる。その後も復路一斉スタートとなった複数の大学に抜かされ、順位を3つ下げる8位で小田原中継所へと飛び込んだ。

7区・二宮を駆け抜ける諸冨 【早稲田スポーツ新聞会】

  悪い流れを止めたい7区は、こちらも当日変更の諸冨湧(文4=京都・洛南)が1年生以来の箱根出場となった。前日に出走が決まった中でも、「これが現役最後のレースだったので、ワクワクしていた」という。東海大のエース・石原翔太郎に12秒差を追い付かれるも、並走し共に前を追う。その後、11位の帝京大に見た目の順位で抜かされ、シード圏外との差が2分2秒差に縮まるも、脚が残っていたという終盤に「もうこれほどきついことは一生ないと思って、振り絞りました」。前を行く神奈川大、明大を追い抜かす粘りの走りを見せ、9位で8区へタスキをつないだ。

集団の中で力走する伊福 【早稲田スポーツ新聞会】

 2年連続の8区を任された伊福は、明大、帝京大と集団を形成し、区間上位のペースで集団を引っ張り続ける。15.6キロ地点の遊行寺坂の手前では大東文化大と中大を抜かし、8位に順位を1つあげる。最終盤のスパートで明大に離されたものの、7位の創価大に12秒まで迫り、戸塚中継所に飛び込んだ。伊福は昨年の自己記録を上回る区間5位の好走で、早大の悪い流れを断ち切った。

9区ラスト5キロ付近を走る菖蒲駅伝主将 【早稲田スポーツ新聞会】

 復路のエース区間とも形容される9区を任されたのは、駅伝主将の菖蒲敦司(スポ4=山口・西京)。レース前、花田駅伝監督からの「(駅伝)主将として頼むよ」という言葉を胸に最後の箱根路へと駆け出し、帝京大、東海大と3チームで8位集団を形成してレースを進める。集団の先頭に出て前を追う場面も見受けられた菖蒲だったが、15キロ手前、横浜駅前の給水を受けたところで集団から離れ、苦しい表情に変わる。しかし、20キロ付近で東海大を捕らえると、得意のスパートで前を行く創価大を逆転。「箱根に向けて後悔しないように生活してきた」という駅伝主将の意地を見せ、順位を一つあげる7位でアンカーへタスキをつないだ。

10区を駆け抜ける菅野 【早稲田スポーツ新聞会】

 最終10区を託された菅野雄太(教3=埼玉・西武学園文理)は昨年に続いて2度目の同区間出走となった。「経験のある区間だったので、昨年よりもさらに成長した姿を見せたいと感じていた」と、序盤から積極的なレースを進める。5キロ付近で、法大をとらえるためになるべく早く追いつこうと考えていたという明大に追いつくと、12キロ付近では帝京大をもとらえる。帝京大を突き放し、単独走となったあとは6位の法大との見えない差を意識しながら走るかたちに。ラスト3キロの地点で6秒差まで縮めるも、そこから法大との差はなかなか埋まらず、惜しくもあと4秒届かなかった。「目標物が無い中で絞り出すのは難しく、結局詰められずに終わってしまったのは悔しかった」(菅野)としながらも、自身の成長を実感できたという区間5位の走りで、総合7位のフィニッシュテープを切った。

 花田監督体制となって2回目の箱根で2年連続のシード権を獲得した早大。4年生で箱根経験者である主力の北村光(スポ4=群馬・樹徳)、佐藤航希(スポ4=宮崎日大)が当日変更でメンバーから外れ、3本柱の一人である伊藤大志(スポ3=長野・佐久長聖)が補欠に回るなど、万全の状態ではなかったものの、エンジの地力は十分に見せつけた。2区では山口智規(スポ2=福島・学法石川)が、5区では工藤慎作(スポ1=千葉・八千代松陰)と、箱根初出走の2人が重要区間で結果を残し、復路では伊福、菅野の一般組が共に区間5位で走破し主力への成長の証となる走りをするなど、明るい材料は多い。さらなる高みを目指して。早大はまたここから歩みを進める。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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