距離延長組が狙い目!?南関東・高知などから遠征馬を迎える佐賀・ゴールドスプリント/データ分析

佐賀県競馬組合
チーム・協会

2023年ゴールドスプリント優勝ダノングッド 【撮影:佐賀県競馬組合】

第3回ゴールドスプリント(4歳以上、ダート1300m、地方全国交流)
1月8日佐賀7レース 18時05分発走予定


1月6日の佐賀若駒賞で今年の重賞戦線の幕が開いた佐賀競馬。早速2日後にはゴールドスプリントが行われる。今年で3回目を迎え、過去2回はダノングッド(高知)が連覇したが、同馬は昨年をもって現役を引退し、九州で種牡馬入りした。
空いた王者の座を目指し、全国の地方競馬から12頭が参戦する。ここでは当レースの過去2回に加え、同舞台の佐賀ダート1300mの2023年の傾向も踏まえ、データ分析を行う。

地元、南関東やや優勢か

全国の地方競馬から遠征馬を迎える一戦。まずは過去2回での所属別の成績を見てみる。高知の2勝はダノングッドで、4着以下2回はともにダノンジャスティス。2頭は同馬主・同厩舎で佐賀や園田など一緒に遠征することが多かったが、先述の通りダノングッドが引退し、今年はダノンジャスティスが1頭で参戦する。
2着、3着では、地元・佐賀と南関東(大井、川崎)が各1回。強力な遠征馬を迎えることになる地元馬だが、上位入着を果たしている。また、南関東からの遠征馬は2頭のみながら3着内率100%をマークしている。

所属別成績 【表1】

4番人気以内が基本路線

データは過去2回と少ないが、単勝人気では3着以内は基本的に4番人気以内の馬。最も人気薄だったのは22年2着ロトヴィグラスの7番人気で、3連単は1番人気→7番人気→2番人気の順で2万9080円だった。この年、4番人気と5番人気は7着以下に敗れたのだが、ある共通項があり、次項で述べる。

単勝人気別成績 【表2】

距離短縮組を狙え

1300mというJRAファンにとっては馴染みの薄い距離で行われる当レース。地方競馬の中でも小回りな競馬場が多い西日本ではしばしば見られる距離設定で、主流の1400mが4コーナーの引き込み線からスタートするのに対し、1300mは直線に入ってスグの地点からスタートする。
ここでは「前走が1300m未満(距離延長組)」、「地方主流の1400m組」、「前走が1500m以上(距離短縮組)」の3パターンに分けて成績を見てみる。
すると、距離延長組は3頭が出走し、3着内率0%。先の項で触れた「22年の4番人気と5番人気で7着以下」だった馬はともに距離延長組だった。
対して、過去2回の3着以内馬はみな前走が1400m以上という結果。距離短縮組の方がデータからは有利だ。

前走距離別成績 【表3】

やはり基本は逃げ・先行

ここからは当レースと同舞台の佐賀ダート1300mで2023年一年間を通したデータから分析する。まずは脚質別成績。小回りコースとあって、基本は逃げ・先行有利となっている。後方から届くケースもあるが、確率で見ると差し馬は2着、3着までとなるレースが多い。

脚質別成績 【表4】

この舞台に強い種牡馬は?

種牡馬ではどの馬の成績がいいのだろうか。同じく2023年佐賀ダート1300mで見てみると、1位はルーラーシップで9勝。勝率や連対率、3着内率で見るとクロフネ、エスポワールシチー、サウスヴィグラスが高い値をマークしている。
なお、下表は当レースに出走予定馬の種牡馬のみを抽出した。

種牡馬別成績 【表5】

リーディング順位通りではない?この舞台の騎手成績

同様にこの舞台での騎手の成績を見てみる。2023年の佐賀リーディングには初めて飛田愛斗騎手が輝いたが、この距離では山口勲騎手が最も勝利を挙げる。また、石川倭騎手は門別所属ながら、昨年に続き佐賀で期間限定騎乗中で、このコースの特徴をよく把握している。
和田譲治騎手(大井)の1勝は12月に重賞・フォーマルハウト賞をファーマティアーズで勝ってのもの。昨年はテクノゴールドで九州ダービー栄城賞(ダート2000m)も勝っている。
なお、下表は当レースに騎乗予定の騎手のみ抽出した。藤原幹生騎手(笠松)、魚住謙心騎手(金沢)は昨年この距離での騎乗はなかったが、前者は鳥栖大賞(ダート2000m)に騎乗し10着。後者は22年に続き今年も1月1日から佐賀で期間限定騎乗中。22年の期間限定騎乗ではこの距離で33戦2勝、2着5回、3着1回だった。

騎手別成績 【表6】

データからの推奨馬は?

① 佐賀、南関東所属
② 前走から距離短縮組
③ ルーラーシップ、クロフネ、エスポワールシチー、サウスヴィグラスの産駒なら心強い
④ 山口勲騎手、飛田愛斗騎手、石川慎将騎手、石川倭騎手、和田譲治騎手ならさらに心強い

ロンドンテソーロ(佐賀)は11月にウインターチャンピオンで重賞初制覇。JRA時代はオープン特別の名鉄杯(中京ダート140m)で3着の実績があり、佐賀移籍後は3回目の重賞挑戦でのタイトルとなった。そのレース内容は、向正面で早々に先頭に立ち、直線は後続を突き放す強いもの。前走の中島記念(10着)は1800mで長かったため、度外視していいだろう。①②に当てはまる。

インペリシャブル(川崎)は重賞4勝馬。特に古馬になってからは西日本の小回り・コーナー4回のコースで重賞2勝を挙げている。8カ月ぶりだった前走はJRA馬もいたことで11着と着順は振るわなかったが、叩き2走目で上積みも見込めるだろう。父エスポワールシチーはJBCスプリント制覇のイグナイター(兵庫)など産駒が活躍し、昨年の種牡馬リーディング(地方)2位。地元の名手・山口勲騎手を配した点も心強く、①②③④のすべてに該当する。

リーチ(佐賀)は佐賀移籍初戦を勝ち、鞍上・石川倭騎手にとっては地方通算1000勝達成ともなった。11月までは門別競馬場で走っており、当時の主戦も石川倭騎手。継続騎乗という点は魅力だ。①②④に当てはまる。

ティアラフォーカス(大井)は前走が浦和1400mで一見距離短縮組に見えるが、2走前・船橋記念(船橋1000m)3着など、900m~1200mが主戦場の馬で、取捨が難しい。④に該当する和田譲治騎手とのコンビで、①にも該当する。
同じくスタードラマー(大井)も重賞馬で実績上位だが、1200mが主戦場の距離延長組。飛田愛斗騎手を早々に確保し、①④に当てはまる。
また、遠征した方が3コーナーでの走りが良くなるダノンジャスティス(高知)も注意。②に当てはまる。

第3回ゴールドスプリント 【出馬表】


文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日や週末は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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著者プロフィール

佐賀競馬は九州唯一の地方競馬場として主に土日に競馬を開催しています。注目の重賞情報やイベント情報など、佐賀競馬のニュースを日々お届けいたします。

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