【ラグビー/NTTリーグワン】前節の敗戦を無駄にするつもりはない。 そう誓う藤原が自らに課す「ゲームコントロール」<クボタスピアーズ船橋・東京ベイ>
藤原忍選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】
「あの場面では『(相手のトライを)防げたのでは』という後悔はあります。早めにカバーに行ったのですが、もう少し落ち着いて、いつもどおりボールを追っていれば、しっかりと相手の動きに反応できて(トライを)止めることができたのではないかと思います」
12月24日の前節・静岡ブルーレヴズ戦。守り切れば勝利、トライを許せば逆転負け。80分過ぎのゴールライン際の緊迫した攻防の中、藤原忍は相手の動きを予測して左に動いた。ボールを手にした家村健太が、反対方向に一気に舵を切ったのはその直後。勝敗の分かれ目となった決定的な瞬間を、藤原は至近距離で目の当たりにした。
「その日は悔しかったです。でも、また次の試合がやってきます。もう同じミスをしないよう、次に向けて気持ちをリセットしました」
身長171㎝、体重は76㎏。藤原はラグビー選手としては小柄な部類に入る。しかしながら、チャンスと見るや相手チームの屈強で巨大な筋肉の壁にアタックする様が、観る者の心を惹き付ける。いかなる選手と対峙しても戦う姿勢を崩さないそのファイトスタイルには、持って生まれた鼻っ柱の強さが感じられる。
「『体が小さくてもできるんやぞ』と、そういう気持ちは持っています。逆に言えば、(相手を)抜けるなど、小さいからこそできることもあると思います」
自身のポジション、スクラムハーフにとって重要なのは「ゲームコントロール」だという。フォワードが力強い下半身の筋肉、バックスが器用に動く上半身の筋肉だとすれば、スクラムハーフは下半身と上半身をつなぐ股関節のインナーマッスル。それは体の表面からは見えない筋肉であるが、まっすぐ立ったり、素早く走ったり、人が人らしく動くための要となっている筋肉である。
「(前の試合からの気づきは)いま、チームがどういう状況にあるのか。いま、この試合中にどんなことが起きているのか。そういったことを考えながら、もっとしっかりとコントロールしなければいけないと思いました。次の試合はハルさん(立川理道)がスタンドオフです。しっかりとハルさんとコミュニケーションを取り、またフォワードともコネクトを取って、スムーズに(ゲームコントロールを)していきたいと思います」
今節、1月7日の相手は今季負けなしの東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)。一方、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)は1勝2敗。苦戦を強いられているディフェンディング王者にとっては、ここが正念場となる。
「勝たなければいけない試合だと思います。昨季はS東京ベイが(プレシーズンマッチを含めて2戦して)2回勝っているので、(BL東京も)気合いを入れて臨んでくると思います。僕らもしっかりと勝ちにいきます」
一戦一戦の勝利の先に、連覇がある。道はさらに続く。藤原は、その先に存在する目標を見据えている。
「いまの自分が置かれている状況をしっかりと理解して、焦らずに、日本代表という目標に向かってやるべきことを着実にやっていきます」
その「やるべきこと」とは、チームを連覇に導くためのゲームコントロール。桜のジャージーに向かって歩を進めるためにも、同じ轍はもう踏まない。
「連覇が達成できるよう、前節の負けを学びにします。あの経験を、無駄にするつもりはありません」
(藤本かずまさ)
12月24日の前節・静岡ブルーレヴズ戦。守り切れば勝利、トライを許せば逆転負け。80分過ぎのゴールライン際の緊迫した攻防の中、藤原忍は相手の動きを予測して左に動いた。ボールを手にした家村健太が、反対方向に一気に舵を切ったのはその直後。勝敗の分かれ目となった決定的な瞬間を、藤原は至近距離で目の当たりにした。
「その日は悔しかったです。でも、また次の試合がやってきます。もう同じミスをしないよう、次に向けて気持ちをリセットしました」
身長171㎝、体重は76㎏。藤原はラグビー選手としては小柄な部類に入る。しかしながら、チャンスと見るや相手チームの屈強で巨大な筋肉の壁にアタックする様が、観る者の心を惹き付ける。いかなる選手と対峙しても戦う姿勢を崩さないそのファイトスタイルには、持って生まれた鼻っ柱の強さが感じられる。
「『体が小さくてもできるんやぞ』と、そういう気持ちは持っています。逆に言えば、(相手を)抜けるなど、小さいからこそできることもあると思います」
自身のポジション、スクラムハーフにとって重要なのは「ゲームコントロール」だという。フォワードが力強い下半身の筋肉、バックスが器用に動く上半身の筋肉だとすれば、スクラムハーフは下半身と上半身をつなぐ股関節のインナーマッスル。それは体の表面からは見えない筋肉であるが、まっすぐ立ったり、素早く走ったり、人が人らしく動くための要となっている筋肉である。
「(前の試合からの気づきは)いま、チームがどういう状況にあるのか。いま、この試合中にどんなことが起きているのか。そういったことを考えながら、もっとしっかりとコントロールしなければいけないと思いました。次の試合はハルさん(立川理道)がスタンドオフです。しっかりとハルさんとコミュニケーションを取り、またフォワードともコネクトを取って、スムーズに(ゲームコントロールを)していきたいと思います」
今節、1月7日の相手は今季負けなしの東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)。一方、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)は1勝2敗。苦戦を強いられているディフェンディング王者にとっては、ここが正念場となる。
「勝たなければいけない試合だと思います。昨季はS東京ベイが(プレシーズンマッチを含めて2戦して)2回勝っているので、(BL東京も)気合いを入れて臨んでくると思います。僕らもしっかりと勝ちにいきます」
一戦一戦の勝利の先に、連覇がある。道はさらに続く。藤原は、その先に存在する目標を見据えている。
「いまの自分が置かれている状況をしっかりと理解して、焦らずに、日本代表という目標に向かってやるべきことを着実にやっていきます」
その「やるべきこと」とは、チームを連覇に導くためのゲームコントロール。桜のジャージーに向かって歩を進めるためにも、同じ轍はもう踏まない。
「連覇が達成できるよう、前節の負けを学びにします。あの経験を、無駄にするつもりはありません」
(藤本かずまさ)
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ