ロッテ 吉井監督 「チームワーク。協調性をベースに主体性を保つ!!」。絶妙なバランスを意識しながら指揮を執る

千葉ロッテマリーンズ
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千葉ロッテマリーンズ吉井理人監督 【千葉ロッテマリーンズ提供】

 主体性を尊重する姿勢をつねに大事にしてきた吉井理人監督だが、チームを指揮する過程で、その方針の中にアクセントを加えた。シーズン途中、ZOZOマリンスタジアム監督室のホワイトボードに新たに「チームワーク。協調性をベースに主体性を保つ!!」と書き加えられた。

 「自分で考えて、自分の責任の下、行動をする主体性。でもチームというものには、やっぱり協調性も必要。チームという大きな枠の中で主体性を出してもらうことが大事だとシーズンを過ごす中で改めて考えさせられた」と吉井理人監督は話す。

 初めての監督業。発見の連続だった。もちろん、失敗することもあった。ゲームの中で感情を表に出さないようにしようとシーズン前に決めていた。しかし、やはりシーズン中盤に入るとその自らの約束事を破ってしまったこともあった。気が抜けているように見えたプレーを目にして試合中、ベンチ裏の食堂で思わず感情を露わにしてしまった日があった。普段は温厚な指揮官の表情に、その場は凍りついた。吉井監督自身も空気が変わったことを察した。そして自分の約束事を破ったことを、すぐに理解した。だから、試合後、全員を集めると頭を下げて謝った。采配ミスも素直に認めてきた。試合後のメディア対応で「あれはこちらのミス」と口にしたことは何度もあった。

 「監督って難しい。これまで一緒に戦った歴代の監督の皆様に謝らないといけない。これまでワガママ言ってしまってすいませんって」と笑う。

 移動中や監督室では色々な書物に目を通して学びを得ようとした。今では便利な電子書籍も積極的に利用している。ある時、書籍を読んでいて目に入った言葉があった。それが「協調性をベースに主体性を保つ」。すぐに共感した。まだ監督になりたての頃だと、そこまで心に引っかからなかったかもしれない。主体性を重んじていた。しかし、チームを率いて半ばを過ぎると、この言葉の前でピタリと目が止まった。

 「奥の深い言葉。主体性を重んじることはもちろん大事。そこは一貫して今でも変わらない。でも優勝という大きな目標のためにはみんながそれぞれ勝手にやっていてはダメ。チームワーク、協調性なくしてチーム力は上がらない」(吉井監督)。

 監督就任後、ホワイトボードに一番最初に書いたのは「Players win Games  Teams win Championships」という言葉。大きな意味では同じ事を察していると言ってもいい。ただ、シーズン中盤に書いた言葉の中には実戦で掴んだ実感がこもっていた。

 監督1年目が終わった。70勝68敗5分けでリーグ2位。しかし、首位バファローズとは15・5ゲーム差をつけられた。収穫もあったが、反省と課題多き一年でもあった。年は暮れた。そして、まもなく新たな一年が始まる。リーグ優勝という大目標に向けて着々と新たなチームの姿が見えてきている。協調性をベースに主体性を保つためには指揮官のマネジメント力が必要不可欠だろう。この絶妙なバランスを意識し吉井監督が2年目のタクトを振るう。

千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原 紀章
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