大阪エヴェッサ飯尾とパナソニック パンサーズ大塚の高校同級生が共催に向けエール

大阪エヴェッサ
チーム・協会

12/23・24 大阪エヴェッサ、パナソニック パンサーズ共同開催 【©OSAKA EVESSA】

12月23日、24日と大阪・おおきにアリーナ舞洲で、バスケBリーグ・大阪エヴェッサとバレーVリーグ・パナソニック パンサーズが公式戦を共催する。両日とも、まずパンサーズが13時からヴォレアス北海道との試合、18時5分からエヴェッサが長崎ヴェルカと試合する。
2試合とも観戦できるチケットや、一方の試合チケットを購入すればもう一方の試合も2階自由席で観戦も可能となるチケットもある(※既にチケットの種類によって完売、残りわずかとなっているので要確認)。さらに、共催試合を記念して、エヴェッサはパンサーズのブルーをモチーフにした特別ユニフォームを、パンサーズはエヴェッサのブラック・レッド・ゴールドをモチーフにした特別ユニホームを着て、試合にのぞんで盛り上げる。

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また、エヴェッサは過去に同じVリーグのサントリーサンバーズと共催しているが、パンサーズとの共催は今回初めて。共催に向け、両チームの中心選手であり高校の同級生でもある、エヴェッサの飯尾文哉選手とパンサーズの大塚達宣選手に対談してもらい、共催に向けた意気込みや思い出話等を語ってもらった。

出場時間を増やす期待の若手・飯尾、代表でも活躍するパンサーズの大塚

シュートを打つ大阪エヴェッサの飯尾文哉選手 【©OSAKA EVESSA】

スパイクを打つパナソニックパンサーズの大塚達宣選手 【©パナソニックパンサーズ】

今シーズンの大阪エヴェッサはアップダウンの激しいシーズンを送っている。開幕から7連勝したかと思えば、11月5日の琉球ゴールデンキングス戦で負けてからまさかの10連敗。12月17日の秋田ノーザンハピネッツ戦でようやく勝利して長いトンネルを脱出した。共催試合での相手・長崎ヴェルカは同じ西地区のライバルであり、チャンピオンシップに進むためにも勝利を手にしたいところ。

飯尾選手は今シーズンに日本大学からエヴェッサに加入した期待のシューティングガードで、過去にはU18代表も経験している。前2シーズンもエヴェッサに特別指定選手として数カ月間チームでプレーしているが、フルシーズンで臨むのは今シーズンが初めて。シーズン序盤の出場平均時間は10分前後だったが、マティアス・フィッシャーHCに認められ、11月以降は20分前後まで伸ばしている。出場時間の増加とともに、得点やアシストも増やしている。

一方、大塚選手のパナソニック パンサーズは、今シーズン開幕から絶好調。エバダデン・ラリー選手、さらに今季加入した西田有志選手や山本智大選手と日本代表を多くそろえる。さらには、フランス男子代表監督として東京オリンピック金メダルに導いたロラン・ティリ監督が指揮する。リーグ開幕直前まで代表活動があり、チーム揃っての練習がほとんどできないままリーグ戦に突入したが、お構いなしの強さで9勝1敗の2位につける。さらに12月17日にあった天皇杯の決勝ではウルフドッグス名古屋を破って5大会ぶりの優勝を決めて勢いに乗った状態で共催試合に挑む。

大塚選手は今シーズン早稲田大学からパンサーズに正式加入しているが、飯尾選手と同様、過去2シーズンは期間限定でシーズン後半にパンサーズでプレー。主力のアウトサイドヒッターとして攻守で活躍する。大学2年だった2020年から代表に選ばれており東京オリンピックにも出場した。そして、今秋のパリオリンピック予選のメンバーにも選ばれ、16年ぶりの自力での出場権獲得に貢献。また、パンサーズでは天皇杯で主力の一人として、優勝に貢献している。また、大塚選手はパンサーズジュニアチームの出身でもあり、生粋のパンサーズの選手でもある。

12月17日、バレー天皇杯で優勝を決めて喜ぶ大塚達宣選手 【撮影:大塚淳史】

洛南高時代は同じ体育館で共に汗を流した仲間

2人の洛南高校時代、バスケ部とバレー部の同級生メンバーが一緒に撮った1枚。飯尾選手と大塚選手が並んで写る 【飯尾文哉選手が提供】

その二人はともに大阪出身(飯尾選手は高槻市出身、大塚選手は枚方市出身)であり、京都の洛南高校の同級生でもある。同じ体育館で練習してきた。

「飯尾選手とはクラスは別だったんですが体育館が同じですし、バレー部はバスケ部と特に仲が良いんで交流はありましたね。普段からバスケ部のメンバーとはよく話してました」(大塚選手)

飯尾選手も大塚選手の印象が強かったという。

「大塚選手は当時からすごい上手だったので印象に残っている。よく体育館で遊んでしていたのを覚えています。大塚選手ってジャンプ力がすごいのでダンクとかできちゃう。僕がパス出して、たつのり(大塚選手)が跳んで決めていました。(バスケ部にスカウトしたかった?)したかったですね〜」

そう答える飯尾選手に、すかさず「センターで」と大塚選手に返していた。

洛南高校はバスケ部もバレー部も全国優勝を何度もしている強豪。バレー部は大塚選手の代に「第71回全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高バレー)」で優勝を果たしている。バスケ部は飯尾選手が高3の時、府予選で東山高校に敗れて、インターハイとウインターカップに出られない悔しい思いをした。「バレー部は優勝して全国的に有名だったし誇らしかったですし、すごい羨ましかったです」と振り返った。

ところで、エヴェッサ、パンサーズの両チームには洛南高校出身の選手が他にもいる。エヴェッサは元日本代表の竹内譲次選手は高校の大先輩、パンサーズの垂水優芽選手は大塚選手の同級生だ。

実はバスケ興味あり大塚選手
そんな二人が再び地元大阪のチームに入って、プレーするのは嬉しいという。ただ、大阪に戻ってからまだプライベートで会ったり、互いの試合を見に行ったりはできてなかったという。だからこそ今回の共催を楽しみにしている。

大塚選手は元々バスケに興味があって、今夏のバスケ日本代表の試合も見ていたが、エヴェッサの試合はまだじっくり見たことない。「バスケの代表の試合は心を動かされて、刺激になりました。エヴェッサは時間が合わなくてなかなか見られてないんですが、飯尾選手のSNSで見られる飯尾選手のプレー動画だけは見ていました(笑)」

飯尾選手もバレーの代表戦は見てきたという。「バレーは子供の頃からずっとテレビでやっていましたし、タツノリや山本(龍)が代表で頑張っている姿を見て、自分も頑張ろうと思って見ていました」

BリーグとVリーグ、同じアリーナスポーツでありながら、試合開催時期がかぶることがあって、両方見る機会はそうそうない。だからこそ大切にしていきたい思いがある。

「やっぱりこういう機会は本当に少ないので、大切にしていきたい。バスケしか見てこなかったお客様もバレーを見て、今後応援するってなればいいかなとは思います」(飯尾選手)

「ほんまに一緒ですね。なかなかない機会なんで、見てくれている人もちょっとしたきっかけで増える。例えば、もうこの記事とかきっかけで『飯尾選手と同級生の子おるんや』ってぐらいでもいいから、何かのきっかけになればいいかな。そういう意味でも一緒にこうやれるのは大事。選手同士でもこうやって同級生いたりすると話しやすいし、一緒にイベントとか交流できることが少しでも増えていけばいいのかな」(大塚選手)

共催での楽しみポイントは?

パンサーズは近年、会場での盛り上げに力を入れ始めているが、今回もしエヴェッサの試合を見ると、会場の雰囲気の違いが新鮮に映るかもしれない。「特に演出は見てほしいですね」と飯尾選手が薦めるように、試合前の演出、タイムアウトやハーフタイムでの公式チアによるダンス、場内に流れるいかにも大阪っぽい頭に残る応援コールなどは、たとえバスケの試合がわからなくてもなんとなく楽しい気分にさせてもらえる。

エヴェッサのブースターもパンサーズの試合を見ると、まずは世界レベルの選手たちのプレーの迫力に魅了されるだろう。西田選手の強烈のジャンプサーブ、山本選手の何でも拾ってしまうレシーブ、大塚選手であれば、スパイクもサーブもレシーブも何でもこなすオールマイティーぶりなど、見どころのあるプレーが多い。やはり一番わかりやすいのは、強烈なジャンプサーブを打った時や、パワー溢れるスパイクがコートに叩きつけられた時の音や迫力だろう。バスケのダンクした時の空気感と近いかもしれない。

いよいよ共催本番が近づいているが、お互いにプレーしているところを見る予定だ。

大塚選手が「土曜は翌日に試合があるので難しいですが、日曜日は(自分たちの試合後に)せっかくなんで観させてもらいたい。なるべく飯尾選手に出てもらえれば」とエールを送れば、飯尾選手も「早めに試合会場に着いて、タツノリの活躍をしている姿を見たい。しっかりアタックとか決めてや。期待してるで」と返していた。

高校の同級生の対談とあって、終始和やかなくだけた雰囲気だった。二人にとって、同じ会場でトップチームの選手として再会は嬉しくもあり誇らしいことだろう。

そして、エヴェッサとパンサーズの共催は、一つの会場でバレーとバスケのトップレベルの試合を味わえる貴重な機会。丸一日、おおきにアリーナ舞洲で満喫してもらいたい。

ライター:大塚淳史

今年8月26日に行われた大阪エヴェッサの新体制発表会に、パナソニックパンサーズの選手も登場した 【撮影:大塚淳史】

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著者プロフィール

2005年にクラブ創立。七福神のお一人で商売繁盛の神様である「戎様」を大阪では親しみを込めて「えべっさん」とお呼びするところから、 人情・笑い・商売の街大阪を活気づける存在であることを願い「大阪エヴェッサ」と命名。 同年にスタートしたbjリーグで開幕から3連覇を成し遂げる。 2016年9月に開幕した男子バスケットボールの最高峰・Bリーグでは、ホームタウンを大阪市とする大阪唯一のクラブとしてB1に参戦。

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