グランプリ開幕へ 自分の仕事は「賞金稼ぎ」と語る磯部誠がいつもどおり勝負する
一流の証しは「勝率」「1着回数」「優勝回数」「人気」などいろいろあるが、やはり「賞金」は後回しにはできない。グランプリが、一年の総決算といわれるゆえんだ。
「自分の仕事は賞金稼ぎですから…」。
そう言い切るのはランキング5位で、21日(木)のトライアルセカンドから参戦する磯部誠(愛知支部33歳)【写真2枚】。ボートレーサーとして、賞金を獲得することに存在意義を見出しているのだが、それは贅沢(ぜいたく)をするためではない。プロとしての存在証明そのものである。
だからだろう。「通算1000勝とか優勝何回目というようなメモリアル的なものに関心がない…」という発言や「目の前の一戦一戦しかみていない」というコメントにつながるのだ。記念の優勝戦と一般戦の1個のレースは同じ価値だというのである。
ただ、これは「賞金稼ぎ発言」と矛盾するかにみえるが、実は違う。
与えられた状況のなかで最善を尽くし、与えられた賞金の多くをしっかり獲得するのがプロフェッショナルだというのである。
「1周1マークを回って優勝できると思った瞬間、身体が動かなくなった」というのだ。初めて味わう極度の緊張感だった。貴重で意味のある経験である。
昨年に引き続き2回目のグランプリ出場を果たした磯部誠は今回、トライアルセカンドから。「やってみないと分かりませんが、ファーストから戦うのと比べ、セカンドからの参戦組は間違いなくアドバンテージがあると思います」と大会前に語っており、楽しみだ。
与えられた優勝賞金1億1千万円を、いつもの普通な気持ちで取りにいくのが磯部誠。その動向に注目したい。
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