早大ラグビー蹴球部 紫紺の猛攻を止めきれず 対抗戦最終節を黒星で終える

チーム・協会
関東大学対抗戦 12月3日 対明大 東京・国立競技場
【早稲田スポーツ新聞会】記事 原旺太、写真 高田凛太郎、大幡拓登

 多くのラグビーファンが集まった東京・国立競技場。雲一つない青空の中、100周年を迎えた伝統の早明戦が行われた。チャレンジャーであることを意識して臨んだ本試合。しかし、前半は明大ペースで試合が進む。セットプレーや規律の乱れから自陣でのディフェンスの時間が長くなると、強力な縦の突破を止めきることができず計4トライを献上。3ー27で試合を折り返す。後半は横幅を大きく使った展開を見せた早大。自陣から果敢に攻めビッグゲインを量産し、5トライを返す。一時8点差まで迫るものの、終盤に2トライを返され試合終了。38ー58で悔しい敗戦となった。

 前半はコリジョンで後手に回った早大。4分、中盤でボールロストすると明大の勢いのある攻撃に押されペナルティーを奪われる。ゴール前でのラインアウトで押し込まれ、先制トライを許した。その後もディフェンスで規律が乱れ、自陣でのプレーが続くと22分に再びモールトライを献上。26分にペナルティーキックで3点を返すが、明大の縦の攻撃を防ぎ切れず失点が重なる。加えて攻撃ではオプションの迷いからフォローが遅れ、テンポが出せず守備網を破ることができない。38分には中盤でのスクラムから一発で大きくゲインされ、最後はショートサイドを大型FWに割られる。終盤に敵陣で攻撃を仕掛けるものの、ハンドリングミスにより得点できず前半終了。3ー27で試合を折り返した。

相手ディフェンスを引きずりながら前進するWTB矢崎 【早稲田スポーツ新聞会】

 巻き返しを狙う後半。接点の攻防を修正すると明大の縦の突破を許さず、攻撃の時間が増えるが、トライを取りきることができないまま時間が過ぎる。ディフェンスでは5分、19分と自身のミスからトライに繋げられ、38点差まで離された。早大が息を吹き返したのは21分。ラインアウトから素早いテンポの攻撃で守備を振り切り大外で大きくゲインすると、横幅を大きく使った展開でペナルティーを誘う。モールを起点に軽快なパス回しで数的有利を作り、最後はWTB矢崎由高(スポ1=神奈川・桐蔭学園)が仕留めた。33分にはターンオーバーから細かく縦に当てゲインを切り、大外で余ったLO池本大喜(文構4=東京・早実)がトライ。終盤になるにつれて明大の足が止まり始める中、早大は自陣からパスを回し攻撃を継続し、その後も立て続けにノーホイッスルトライを挙げ、8点差まで迫った。ロスタイムが7分と場内アナウンスで告げられ歓声が上がったが、終了間際に2トライを返され試合終了。後半は得点数で上回るも前半の失点が響き、対抗戦最終節を黒星で終えた。

気迫ある走りを見せるHO佐藤 【早稲田スポーツ新聞会】

 後半に走り勝ち、大きく巻き返した早大。FB伊藤大祐主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)やHO佐藤健次(スポ3=神奈川・桐蔭学園)、WTB矢崎由高(スポ1=神奈川・桐蔭学園)らが個人技でも見せ、逆転手前まで迫った。それだけに前半に接点バトルで押され、点差を付けられたことが悔やまれる。「このままじゃ終われない」と伊藤主将が語るように、全国大学選手権(大学選手権)でのリベンジに期待がかかる。ここからは一戦一戦が引退をかけた試合だ。本試合の課題を修正して、一戦必勝で『荒ぶる』を狙う。

コメント

大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)

――試合を振り返っていかがですか

 今日の試合は、1番やってはいけないというか、恐れていたシナリオになってしまったと思います。この試合を得て、自分たちの強みと弱みがはっきりしたと思うので、しっかり反省して次の選手権に臨めるという意味では、非常に我々にとっていい試練、経験になったと思います。

――一対一のタックルやブレイクダウンについてどう振り返りますか

 接点が起こるエリアのスペースの取り合いのところで後手を踏んでいる印象でした。そこのスペースの取り合いで今日は完敗だったかなと思います。コリジョンする前の部分で、自分たちから当てにいけてなかったシーンが多かったのではないかと思っています。

――前半のスクラムを振り返ってかがでしたか

 スクラムについては、非常に良く組めていたかなと思います。ペナルティーを後半一回しましたが、もう少しスクラムに拘って良かったかなとも思いますし、選手たちもその手応えがあったのではないかと思います。

FB伊藤大祐主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)

――今日の試合についてコメントをお願いします

 本当に勝ちたかった試合でしたが、特に前半に行かれた部分が全てだと思うので、大学選手権までまだ時間があると思うので、もう一回自分たちで取られたミスとそうじゃないミスを振り返って、もう一回上手くどっちも勝ちあがったら同じ舞台で戦えるので、その日まで一戦一戦準備して勝って行きたいと思います。

――前半は反則からの失点が多かったと思いますが、反則が多かったという点についてどのように考えていますか

 最初のファーストプレーでジャッカルを取られて、レフリーの速さに少し対応できないところがありました。これが良くてこれがダメというところが最初不明確で、そういうところを合わせる能力も必要だと思いました。先ほど話も上がりましたが、ブレイクダウンのところが、ちょっとゲインラインにのられた所でペナルティーになることが多かったかなと思います。

――大学選手権まであと2週間でどう準備していきたいですか

 本当にここからノックアウトで一戦一戦チームとして1年間やってきたことをブラさずに信じてやらないといけないといけないと思うので、そこをやり抜くのと、あとは僕自身の良し悪しでチームの結果が変わると思うので、今日も良いところと悪いところがはっきりでた試合だったので、自分自身もう一回ギアを上げて選手権に臨みたいと思います。

――前半のご自身のプレーを振り返って

 前半に関してはチームとしてチャレンジャーでやろうという中で、判断が保守的になってしまったところ、マインドメンタルのところでチャレンジャーとしての姿勢じゃなかったなというところがありました。ここから自分たちがもっと上がって行かなきゃいけないので、もう一度マインドを作り直して大学選手権に挑みたいと思います。

――後半の反撃について今後につなげられられる部分はありましたか

 早稲田の外側のスペースの攻略は自信を持っているので、もう少し上げられるようにしたいのと、前半からできたら良かったというところもありますが、明治さんが後半足がだいぶ止まっていたので、こっちの方がきついことやっているぞという自信はかなり持ちました。

――節目の試合でプレーできたことの感想をお願いします

 早稲田が勝ちたかったところが大きいです。前半終わって少し、苦しい展開でしたが、早明戦と言われるビックイベントで、早明戦に憧れを持ってラグビーをする子供たちや、部員も見ている中で、このままじゃ終われないという思いでした。

HO佐藤健次(スポ3=神奈川・桐蔭学園)

――ハーフタイムで何か話されたことはありましたか

 前半はサインプレーであったり相手の圧力に対して、自分たちの圧力はかけられないままただ返しただけという形になってしまったので、自分たちのアタックの圧力を出そうともう一回だそうと意識して、自分たちの原点に戻ってやりました。自分たちの形をすれば後半のようになるとは分かっていたのですが、それを前半から出来なかったし、チームを引っ張っていかないといけない身としても、不甲斐無かったなと思います。

――前半は修正しても上手くいかなかったのでしょうか

 前半はずっと相手のペースで、自分たちに良いチャンスがあっても相手のジャッカルでやられてしまって、明大がジャッカルを狙ってくるという想定はしていたのですが、それが甘くて、自分たちがやろうとしていたことが出し切れませんでした。そこはもちろんこれから修正していくべきことですが、個人としても、チームがしんどいときにチームを前進させるプレーをしていかないといけないと実感しました。

――2週間後に大学選手権が控えていますが心境としてはいかがですか

 この状況でできる自分たちのベストを尽くしますし、プラスに考えて、試合数が増えたことで自分たちの成熟度も増すと捉えてやっていきたいと思います。これからはチームがどこまでまとまれるのかがカギになってくると思うので、そこにフォーカスしてやっていきたいと思います。

――今日の良かったところ、継続したいところはありますか

 今日の最後の方は、一人一人の選手が目の前の選手と勝負して、2人目ともファイトして、キャリーが出来ていたので、そこは継続したいです。また、それを追い込まれてからではなくて、試合の入りから大事に、最初から実行していきたいと思います。

――今日のFWのテーマはありますか

 ブレイクダウンとか色々あるのですが、スクラムに関しては早くセットをして、相手より良いスクラムを組むというテーマがあって、実際、帝京大さんの時ほど押された感覚はなかったのですが、メンバーが変わって押されてしまった部分もあったので、もう一度今まで自分たちがやってきたことにフォーカスできれば良いなと思います。

――後半のご自身のランとトライを振り返っていかがですか

 もっと早い内に安恒(直人、スポ4=福岡)とコミュニケーションを取ったり、やれたことがあったと思うので、4年生もいるのですが、安恒と僕と松沼(寛治、スポ1=東海大大阪仰星)の3人でもFWを引っ張ってチームを勝たせられるような選手になりたいと思います。

――大学選手権への意気込みをお願いします

 1試合増えたことをプラスに捉えて、これから本当にチームがまとまって頑張っていきたいと思います。

NO・8松沼寛治(スポ1=東海大大阪仰星)

――今日の個人のプレーを振り返っていかがですか

 強い明治に対して、ゲインラインバトルを制して常に前に出続けるということをテーマにしていたのですが、圧力に負けてしまい、キャリーの部分でチームを前に進めることができませんでした。

――特に前半、明大に接点でやられてしまう場面が多かったと思いますが、その点を振り返っていかがですか

 前半の入りの部分で明治が圧力をかけてくるということは予測できていたことなんですが、思った以上に自分たちが引いてしまい、前半を通して得点を取られすぎたと率直に思います

――前半を踏まえて、ハーフタイムでどのような話をしましたか

 監督からもシンプルにフィジカルのところで引くなと言われ、自分たちの形でアタックできれば後半のようにしっかりと得点に結びつけられるという自信はあったので、ブレイクダウンのファイトの部分を全員で見直そうという話をしました。

――話し合った修正点の遂行度はどうですか

 80点ぐらいはできた印象です。ここぞというところで明治にトライを取られ、最後まで追いつけなかったかなと思います。

――対抗戦全試合に出場し、自身の成長した点を教えてください

 大学のレベルで80分間戦いきる、特に運動量やフィジカルという面は少し足りてないと感じました。試合を経験していくうちに自分の持ち味を出せる場面も増えてきたかなとは思いますが、まだまだ満足はしてません。大学選手権の4試合で戦いきれるようにしっかり準備したいです。

――大学選手権に向けた意気込みをお願いします

 今日も負けてしまったので、その悔しさを胸に準決勝でもう一度当たる可能性の高い、明治にリベンジを果たしたいと思いますが、まずは初戦の法政大学さんとの試合をはじめとして、一戦一戦しっかりと勝ち抜いて全員で戦っていきたいです。

SO久富連太郎(政経4=島根・石見智翠館)

――今日の試合について個人の振り返りをお願いします

 試合の前半、序盤でゲームを作れなかったのが一番悔しい部分です。後半は切り替えて、アタックをつなげられたのが良かったかなと思います。

――前半を受けて、ハーフタイムでどのような声掛けがありましたか

 中盤のアタックやキックで上手くいかなかったので、ボールを上手くつなごう、受けるのではなくつないでアタックしていこうという話はありました。

――後半の5連続トライにもつながりましたか

 そうですね、それを実行してつなげられました。

――今日のBKのアタックを振り返っていかがですか

 前半は僕のキックの精度があまり良くなくて、ハイパントのボールが深くなってしまったり、また相手に深く蹴り返されてしまったりして、エリアを上手くマネジメントできなかったです。後半は外側にボールを集めてゲイン出来たかなと思います。BKラインを詰めてくるディフェンスに対して、上手く近くで通して外側のスペースを攻略できたのは良かったです。

――どのようなことを修正して選手権に臨みますか

 チームとしてはコンタクトの部分で前に出られてしまった部分があったので、そこをカバーしてやっていければと思います。個人としては、ゲームをしっかりデザインしていきたいと思います。今日の前半みたいなミスは無いようにして、早稲田のアタックを継続したいと思います。

――選手権に向けての意気込み

 負けたら終わりなので、最後4年生として後悔しないように、チームとしても個人としても早稲田のために戦っていきたいと思います。

CTB野中健吾(スポ2=東海大大阪仰星)

――今日のゲームテーマを教えてください

 チームとして『一人一殺』というところで、一人ずつ一人をころすということです。前半の入りから、やはり明大のプレッシャーのところが大きくて、そこを体現することはできなかったかなと思います。

――今日の個人のプレーを振り返っていかがでしたか

 いいところもありましたが課題の方が多いかなと感じています。アタック面でもディフェンス面でももう少し相手の状況を見ていい判断ができるようにこれから頑張らなければいけないなと思います。

――良かった点を具体的に教えてください

 波なくプレーを続けられた点とスペースを見るという点は良かったと思います。ですが、最後の詰めの部分で、パスひとつだったりディフェンスひとつだったり細かいところがまだまだ課題かなと思います。

――明大のアタックはどのように感じましたか

 フィジカル面で前に前に来るので、それが一番の印象です。

――追い上げの部分で横へこ展開が目立っていましたが、どういったプランでしたか

 横に行く前にまず、一人一人が強くアタックすることが大事かなと思っていたので、それを実行した結果、大きくスペースが横に出たかなと思います。

――後半途中まで早大のトライが無かったですが、チームはどのような様子でしたか

 まだ自分たちが全然アタックしてなかったので、アタックしたらいけるというところはありました。そこはチームとして強い気持ちはありました。

――大学選手権への意気込みをお願いします

 これから負けられない試合になってくると思うので、(これまでとは)違ったプレッシャーがあると思いますが、これからチームとして、より良い方向に向けるように一日一日大切にしてがんばっていきたいと思います。

WTB矢崎由高(スポ1=神奈川・桐蔭学園)

――100回目の早明戦を振り返っていかがでしたか

 明大さんの大きいFWと速いBKに翻弄(ほんろう)されて、早稲田がやりたかったことが全然できなかった試合でした。

――矢崎選手のトライを皮切りに猛反撃となりましたが、あの良いリズムを作れた要因をどう考えていますか

 ハーフタイムに攻める共通認識を持つという話をして、チーム全員がその意識になれた結果があの追い上げの要因の一つだと思います。

――今後チームとして修正するべき部分はありますか

 今日はコリジョンの部分、セットの部分で圧倒されてしまったと思います。大田尾監督からも話されましたが、現時点でコリジョンが課題であると分かったのは良い収穫なので、今後チーム全体で底上げしていきたいです。

――大学選手権への意気込みをお願いします

 一度でも負けたらチームが終わってしまう大会であり、素晴らしい先輩方、同期、コーチ陣、伊藤大祐キャプテンともっと練習がしたいので、これからより一層気を引き締めて一日一日を心に刻みながら頑張りたいです。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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