マイナビ仙台レディース 2023-24シーズンインタビューvol.7

マイナビ仙台レディース
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「どん欲にゴールを狙う。自分がチームを引っ張り、盛り上げるシーズンに」 DF 佐々木里緒選手

 もうルーキーではない。自身2シーズン目のWEリーグを戦う佐々木里緒選手は、開幕戦で得た“新たな役割”に強い責任感を持って臨みます。この秋は、サッカー女子日本代表としてアジア大会優勝に貢献。チームでは、より結果を追い求める新シーズンを過ごしています。

【©mynavisendai】

――時間は経ってしまいましたが、10月のアジア大会では優勝おめでとうございます。佐々木選手にとって、代表でのプレーはどのような経験になりましたか?

佐々木「これまで国際大会の舞台を経験することがあまりなかったので、そういう経験ができたことが大きいです。その上で、試合に出た時にもっと自分のプレーを出せるようにしていきたいと思いました。」

――海外ならではの経験、国際大会だからこそ味わえたものはどういうところですか?

佐々木「対戦相手も海外の選手で、日本人と比べてフィジカル面も強かったり、足が速かったりしました。また試合を行うスタジアムも、3~4万人くらいお客さんが入る試合もあって、そういう経験はなかなかできないなと思いました。」

――準決勝では開催国の中国との対戦でした。この試合、佐々木選手は出場していませんが、スタジアムはどんな雰囲気だったのでしょう?

佐々木「完全アウェーでした。日本の選手がボールを持つとブーイングが起こりました。逆に中国にチャンスが来ると、ものすごい歓声と拍手、盛り上がりが違いました。」

――決勝は北朝鮮との試合。この一戦で佐々木選手は64分からピッチに入りました。

佐々木「途中交代でした。監督からの指示もあって、相手DFの裏へのボールを意識していました。それは私の特長でもあります。そこでチャンスメークして欲しいということだったので、それを意識しながらプレーできました。それが得点にもつながったので、決勝が一番良いプレーができたと思っています。」

――グループステージから出番もありましたが、大会を通じて慣れたり、コンディションを上げて行けたようですね。

佐々木「そうですね。」

――優勝が決まった瞬間はいかがでしたか?

佐々木「嬉しかったですね。JFAアカデミー時代の中学・高校は優勝を経験していますが、日本を代表してプレーし、優勝できるということは誇りに思いますし、なかなか経験できないことなので、貴重な体験でした。」

――メダルの重さはどう感じましたか?

佐々木「すごく重かったです。実際に重くて、長い時間かけていると、ずしっとした重量感がありました。」

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――チームの活動では、シーズンスタートのWEリーグカップは2試合に出場しました。改めてカップ戦の期間を振り返ってみるといかがでしょう?

佐々木「他のクラブに比べて、攻撃も守備も良いところを見せられなかった。何も積み上げられなかったと思います。」

――結果を出せず苦しかったWEリーグカップを踏まえて、リーグ戦はどのように戦っていきたいですか?

佐々木「まず失点が多かったし、得点が少なかった。チームとして、失点しないことを大事にしながら、チームとしても前に進めるようにシュートを増やしたい。できることからどんどんチャレンジして、勝ちを積み上げていきたいです。」

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――2023-24WEリーグの開幕戦、ちふれASエルフェン埼玉戦は3-1の勝利でした。

佐々木「自分自身のプレーには満足はしていないです。しかし、とにかくチームが勝てたことは嬉しかったです。」

――昨季は左サイドバックやサイドハーフが主戦場でした。今シーズンのボランチでのぷーも多くなりそうですね。

佐々木「そうですね。WEリーグカップではサイドハーフでプレーしました。今は、まずボランチで、交代選手が入ってきたらサイドへということもあります。」

――ボランチでのプレーの手応えはいかがでしたか?

佐々木「ラストパスでミスが多く、しっかりパスがつながらないシーンもありました。球際も、一度は強く行けても、その後のセカンドボールを相手に奪われてしまいました。後手に回ることが多かったので、そこは反省です。」

――見える景色が大きく変わりますね。サイドバックと比較すると、より得点に関わる機会も増えそうですね。

佐々木「もっと貪欲にゴールを狙ってもいいのかなと思います。まだWEリーグで点を取れていないので、今年は取りたいですね。」

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――ボランチでコンビを組む太田萌咲選手とのコンビで意識していることはどのようなことですか?

佐々木「萌咲さんとプレーする時は二人の距離感を大事にしようと話しています。上手くいかない時は遠くなってしまう。刻一刻と変わる試合という状況の中で、コンビネーションやパス交換して相手を崩すという回数がまだまだ少ない。そういうところは課題ですね。」

――個人として感じている課題は?

「バイタルエリアでの守備の意識がまだまだ足りない。I神戸戦もそういったところから失点を招いてしまいました。攻守に渡ってより多くボールに関わっていきたいですが、自分自身も余裕が足りないと感じています。」

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――今年のチームでは外国籍選手も多いですが、佐々木選手ならではのコミュニケーション術は?

佐々木「みんなに比べたら、私はまだ頻繁に話しかけられないですが、英語で聞き取ったり伝えたりということはしています。自然と日本語が出ちゃうんですよね(笑)逆に日本語を理解してもらうことですかね。頑張っていきます」

――日本語だとしても、伝えたいという気迫やジェスチャーで伝えられることはありますよね。

佐々木「日本語でも上手く伝えられない時があります(笑)そういう時はジェスチャーや、テレパシー的な感じで、強引に伝えています。わかってもらう感じです。」

――佐々木選手にとっては2シーズン目のWEリーグが始まっています。どのようなシーズンにしたいですか?

佐々木「昨季は試合中も、年上の選手たちに引っ張ってもらうことが多く助けてもらうことばかりだったので、今季は自分が引っ張っていくという気持ちでチームを盛り上げたいと思います。」

 代表活動を経て、頼もしさを増した佐々木選手。新たなポジションで自分の武器に磨きをかけていきます。まだまだ成長過程の彼女が、2季目のWEリーグで新たな魅力をどう開花させていくのか、見守っていきたいですね。 
(マイナビ仙台レディース・オフィシャルライター 村林いづみ)
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著者プロフィール

東日本大震災により休部した東京電力女子サッカー部マリーゼが移管し、2012年ベガルタ仙台レディースが発足。2017年に株式会社マイナビとタイトルパートナー契約を締結しマイナビベガルタ仙台レディースとなりました。 2020年10月にWEリーグへの参入が正式決定。2021年2月より「マイナビ仙台レディース」とクラブ名を改め、活動をスタート。選手達の熱いプレーが多くの方に届くような盛り上がりをともに作っていきます。仙台、東北から日本全国、全世界に向けて、感動や勇気を与え、WEリーグ優勝を目指し活動しています。

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