朗報は、18日に飛び込んできた。
以前のインタビューで「兄の夢を叶えたい」と話していた「ナキ」こと、サウマキ アマナキのW杯メンバー追加選出が発表された。
兄とは、大東文化大学、キヤノンイーグルス（現・横浜キヤノンイーグルス）、サンウルブズで活躍したWTBホセア・サウマキだ。
日本代表での活躍を夢見ていたが、７人制でのトンガ代表経験があることから、資格を得ることができず、2021年トンガ代表に。現在は、イギリスでプレーする。
「兄の夢を叶えるためにも、ワールドカップに出たい。
桜のジャージを着てテストマッチに出ることが夢なので、ファーストキャップの時は泣いてしまうかも」
そう語っていたナキだが、7月からスタートした国内5連戦では、出場機会がなく、
8月15日の発表を迎えた。
李は、代表合宿でのナキの様子をこう話していた。
「練習でもいつも100パーセントを出し切って、良いパフォーマンスを発揮していて。試合メンバーに入ることはなかったですが、諦めることなくハードワークしていました」
東大阪市花園ラグビー場で行われた「リポビタンDチャレンジカップ2023パシフィックネーションズシリーズ」トンガ代表戦の時のこと。
メンバー外となったナキは、試合前日、同じくトンガ出身のPRシオネ・ハラシリと共に灘浜グラウンドに足を運び、休むことなくトレーニングを行っていた。
なかなか出番に恵まれない中で下を向くことなく練習に取り組んできたナキ。
もちろん、厳しい現実に落胆し、悔しい思いをしたことは想像に難くない。
一度は落選となったが、気持ちを切り替えて、8月16日から東京・府中市で行われた代表合宿に参加した。
そうして、W杯日本代表メンバー残り3枠に滑り込んだ。
ナキは
「このチームに選ばれたことをとても嬉しく思いますし、幸運に感じています。チームのため、日本のためにベストを尽くします。ファンの皆さん、皆さんの応援が必要です。一緒に頑張りましょう。ありがとうございます」とコメント。
兄の夢、自身の夢を叶えたナキ、本当におめでとう！
5月末に話を聞いた時、日本代表で活躍することが、日本でプレーするチャンスを与えてくれた古巣・横浜キヤノンイーグルスをはじめ、神戸スティーラーズや家族など、これまで自身を支えてくれたすべての人へ恩返しになると語っていた。
国内では出番がなかったけれど、ワールドカップではチャンスがきっと巡ってくるはずだ。
神戸スティーラーズのチームメイト、Steel Mates、さらには横浜Eの仲間やファンも、みんなが大舞台でナキのプレーを見られることを心待ちにしている。

取材・文／山本　暁子（チームライター）

今後の日本代表スケジュール
●8月26日vsイタリア代表戦（イタリア・トレヴィーゾ）
ラグビーワールドカップ2023フランス大会　
●9月8日vsチリ代表（フランス・トゥールーズ）
●9月17日vsイングランド代表（フランス・ニース）
●9月28日vsサモア代表（フランス・トゥールーズ）
●10月8日vsアルゼンチン代表（フランス・ナント）

サウマキ アマナキ 連載バックナンバー

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