パリ2024パラリンピックのマスコット「フリージュ」って?
【key visual by AP/AFLO】
フランスを象徴するフリジア帽がモチーフ
パリパラリンピックのマスコット「Phryge(フリージュ)」 【photo by X-1】
フランスでは、フリジア帽はいろいろなところに用いられており、ドラクロアの有名な絵画『民衆を導く自由の女神』に描かれている女性マリアンヌ(フランスを表したシンボル)も、よく見るとフリジア帽をかぶっている。学校でもフリジア帽について学ぶそうで、フランス国民にとっては馴染み深いアイテムなのだ。
フリジア帽が革命を意味することから、フリージュには「スポーツで革命を起こす」という使命が与えられている。そして「スポーツにはすべてを変える力があること、スポーツが社会の中で大きな役割を果たすこと」を世界に示す役割を担っているという。
横から見たフリージュもかわいい 【 photo by X-1】
パラリンピック・フリージュは、右足が義足で、競技用のブレードを着用。左目はリボンのついた花形帽章になっている(オリンピック・フリージュは右目が花形帽章)。性格はパーティ好きの、いわゆる“パリピ”で、自分で行動を起こすけど、少々せっかち。何事にも恐れず、いつでも新しい経験をしたいようだ。ちなみにオリンピック・フリージュは対照的で、何かをする前には必ず考えてから行動する戦略家なんだとか。
フリージュたちは大家族で、2体はフリージュ家の一員という設定。2体のモットーは、「ひとりだとしても速く行ける。一緒ならもっと遠くへ行ける」こと。互いに助け合い、高め合う存在というわけだ。
7月のパリ2023世界パラ陸上競技選手権大会に登場したフリージュ 【photo by X-1】
パラリンピックとオリンピックで同じモチーフは初
オリンピック・パラリンピックを通じて、史上初めてマスコットが登場したのは、1968年にフランス・グルノーブルで開催された冬季オリンピックのこと。「Schuss(スシュ)」と呼ばれたこのマスコットは、スキーをしている紅白の丸い頭を持った3頭身のキャラクターで、配色はフランス国旗と同じ青、赤、白。同じフランス生まれとうことで、フリージュとどことなく似ている感じもする。
マスコットが公式に採用されるようになったのは、その4年後にミュンヘンで行われた夏季オリンピックである。以来、マスコットは当たり前のように存在するようになった。ちなみに、パラリンピックで初めて1980年アーネム大会(オランダ)の2匹のリス「Noggi and Joggi(ノギー&ジョギー)」だ。
マスコットの転換期は2012年のロンドン大会頃。それまでオリンピックとパラリンピックそれぞれのマスコットが交流したり、一緒に活動したりすることはほとんどなかった。しかし、ロンドン大会では、双方のマスコットがチームとして活躍。2体1組となってプロモーションを行った。
二体そろって活動するフリージュ。右が「パラリンピック・フリージュ」 【photo by X-1】
パリ大会のパラリンピックとオリンピックでは、同じフリージュがマスコットになっている。これは両大会の歴史の中で初めてのこと。パリ大会は、両大会がより近い関係性になること、両大会がより協力し合うことを印象づけているようだ。
大会を身近に感じさせてくれるグッズも
ぬいぐるみはサイズ違いやキーホルダータイプなどいろいろな種類が販売されている 【photo by X-1】
text by TEAM A
key visual by AP/AFLO
※本記事はパラサポWEBに2023年8月に掲載されたものです。
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