【KMSKデインズ】ベルギー2部リーグ 2023-24シーズン開幕特別企画 〜ベルギー2部チーム紹介 Vol1〜

KMSKデインズ
チーム・協会

【(C) KMSK Deinze】

ー ベルギー2部リーグの新シーズン開幕に際して、KMSKデインズやベルギーリーグについて紹介する特別記事を連載形式でお届けします ー

近年多くの日本人選手が所属し注目のベルギーリーグ。今までに合計50選手近くがベルギーリーグでプレーしており、2023-24シーズンは欧州最多となる9クラブ合計16選手がベルギー1部リーグでプレーすることになっています。(2023年8月10日現在)

今季のベルギー1部は7月29日に5大リーグより一足先に開幕。2022年2月よりACA Football Partnersがオーナーを務めるKMSKデインズが所属するベルギー2部リーグ(チャレンジャープロリーグ)は8月12日に開幕予定となります。

前回は特別企画第1弾としてベルギーリーグの特徴などについてご紹介をしましたが、今回からはACA Football Partnersがオーナーを務めるKMSKデインズの対戦相手となるベルギー2部所属の各チームについて、3回に分けてお届けします。

サッカー強豪国ベルギーの国内リーグということで、ここで活躍をした選手がベルギー1部や他のリーグへステップアップしていく可能性があります。過去に日本人選手が所属したチームや、デインズ現所属選手の古巣チームもあり、見どころ満載です!
KVオーステンデ
・2022-23シーズン成績:1部16位(降格)
・2022-23シーズンデインズとの戦績:デインズ1敗(フレンドリーマッチ)
・ホームスタジアム収容人数:8,432名
・チーム平均年齢:23.7歳
・外国籍選手:14名

ベルギー西北部の湾岸地域オーステンデを本拠地とするクラブは1981年に前身となる2つのチームの合併により誕生した。しばらくは2部や3部を主戦場とし、1993年に初の一部昇格。その後は1部と2部を行ったり来たりしていたが、2013-14シーズンに4度目の昇格を果たすと、その後は1部に定着。2015-16シーズンから2シーズンはレギュラーシーズンでそれぞれ4位、5位と好成績を残し、ヨーロッパリーグ予選にも出場した。

また、2022年1月にはJリーグで活躍していた坂元達裕選手がセレッソ大阪から初の海外挑戦で加入。2022-23シーズンは30試合に出場し6アシストを記録、チームのシーズンMVPに選ばれるなど大活躍を見せ、イングランド2部コベントリーへの移籍となった。

そんなオーステンデは2020-21シーズンよりアメリカの投資グループPacific Media Groupをオーナーに迎えた。Pacific Media GroupはFCトゥーン(スイス1部)、バーンズリーFC(イングランド2部)、ASナンシー(フランス2部)、FCデン・ボス(オランダ2部)、エスビャウ(デンマーク3部)、カイザースラウテルン(ドイツ2部)などの経営権を持ち、マルチクラブオーナーシップ戦略を推進。Pacific Media Groupの株主の1人は映画「マネーボール」でも有名な、元MLBオークランド・アスレチックスGMビリー・ビーン。得意のデータ分析のアプローチをサッカー界にも持ち込み、Pacific Media Groupのマルチクラブオーナーシップ戦略においてもデータ分析による選手発掘、人工知能を利用した選手の思考プロセスの分析などを行い、テクノロジーを駆使したチーム作りを推進している。

一方のチームは2022-23シーズン中盤に降格圏に入るとなかなか浮上のきっかけを掴めず、約10年ぶりに2部の舞台で戦うこととなった。オフシーズンには坂元を含む複数のレギュラー選手が退団となったが、依然として戦力は2部リーグ屈指。注目選手はマンチェスターシティのアカデミー出身でフランス1部やイングランド2部でのプレー経験もあるFWアンブローズ選手とU-20フランス代表経験を持つMFドゥ・アルピノ選手。

KMSKデインズ所属選手の中では、GKウィリアム・デュトワが過去に所属した。デインズは8/19(日)日本時間午前3時、ホーム開幕戦にオーステンデを迎える。
RCFセラン
・2022-23シーズン成績:1部18位(降格)
・2022-23シーズンデインズとの戦績:なし
・ホームスタジアム収容人数:8,207名
・チーム平均年齢:22.6歳
・外国籍選手:14名

ワッフルが有名で、工業都市でもあるベルギー第五の都市リエージュ近郊にホームタウンを構えるセラン。クラブの歴史の中で幾度となく合併や改名、昇降格を繰り返してきたこのクラブは、2014年時点で5部リーグにまで低迷していた。その後クラブは川島永嗣選手も過去に所属したフランスのFCメスのオーナーに買収されてから昇格を繰り返すと、2021-22シーズンからは1部で戦うまでになった。2022-23シーズンにはFCメスからの加入も数名加えて1部で戦ったが、シーズンを通して下位に低迷し、最下位での2部降格となってしまった。

現在チームにはギニア・コンゴの代表選手が所属。オフシーズンにはグループクラブのフランスFCメスからも若手選手を3選手レンタルで獲得する一方、昨年活躍した選手が逆にFCメスへステップアップするなど、マルチクラブオーナーシップ戦略も活用している。マルチクラブオーナーシップの恩恵は監督にも及び、メスのBチームなどで監督経験を積んだフランス人監督を今季から新監督に迎えてシーズンに臨む。

昨季ポルトガルの名門ポルトのセカンドチームから加入しシーズン11ゴールを記録したベルギー人FWマリウス選手と、国内の名門アントワープのアカデミーで育ったFWベルニアー選手という二人の看板FWが抜けた穴を埋められるかが鍵となる。
ヨング・ヘンク (KRCヘンク セカンドチーム)

【(c) IMAGO / Belga】

・2022-23シーズン成績:2部11位
・2022-23シーズンデインズとの戦績:デインズ2勝1分1敗
・ホームスタジアム収容人数:24,956名
・チーム平均年齢:19.1歳
・外国籍選手:7名

トップチームのKRCヘンクはベルギー1部の強豪チームの一つで、4度の国内リーグ優勝経験がある。現在ベルギー代表で主力を務め、世界でも屈指の選手であるMFケビン・デブライネ選手やGKティボー・クルトワ選手もヘンク出身の選手だ。また、2022カタールW杯でも日本代表の主力として活躍した伊東純也選手が2021-22シーズンまで約3年間主力として活躍していたクラブとして日本でも有名である。過去には日韓W杯のメンバーであるFW鈴木隆行氏も所属したことがある。

そんなヘンクのセカンドチームであるヨング・ヘンクは若いメンバーで構成されており、タンザニア代表選手が所属するほか、主にベルギーの世代別代表選手が名を連ねる。2022-23シーズンはシーズンを通して11位であわや3部降格の危機に陥ったが、今シーズンの巻き返しを狙う。昨シーズン所属選手から二名がトップ昇格したことは、セカンドチームとして若手に成長の機会を与えられているということの証だ。注目選手はスイスU-21代表経験もあるMFバスティアン・トマ選手。スタジアムはトップチームと同じ約25,000人収容のクリスタル・アレナを使用する。

今シーズンのKMSKデインズ所属選手の中では、DFヤンセンス、MFヘンドリックスがヘンクのユース出身。
SVズルテ・ワレヘム

・2022-23シーズン成績:1部17位(降格)
・2022-23シーズンデインズとの戦績:デインズ1敗(国内カップ戦ベスト16)
・ホームスタジアム収容人数:12,250名
・チーム平均年齢:24.8歳
・外国籍選手:15名

母体となるチームは1950年に創設され、その後複数回の統合・合併を経て今のチームになった。2005-06シーズンに初めて1部へ昇格すると、2006-07シーズンにはUEFAカップの決勝トーナメントまで進出したが、イングランドのニューカッスル・ユナイテッドに敗れた。2005年と2016年には国内カップ戦でも優勝している。2005年から2023年まで一貫してベルギー1部リーグに所属したが、直近2シーズンは成績が安定せず、2022-23シーズンはシーズンを通して下位に沈み、結果的に17位で18年ぶりの2部降格となってしまった。

2022-23シーズンはコンゴなどアフリカ4ヶ国の代表選手が所属した中でも、ベルギー1部のヘンクやオーステンデなどでキャリアを積んできたギニアビサウ代表の198cm長身FWガノ選手が下位に沈むチームの中で13ゴールと気を吐いた。他にも20歳のセネガル人DFタンベドウ選手、昨シーズン6得点を記録したセネガル人FWヌドー選手など、アフリカ系の選手を中心に今季のベルギー2部トップクラスの戦力を誇る注目チームだ。

2022-23シーズンには、2部から唯一ベスト16に進出したデインズと国内カップ戦で対戦し、デインズが1-2で敗退となってしまった因縁の相手でもある。
パトロ・アイスデン・マークメヘレン

・2022-23シーズン成績:3部優勝(昇格)
・2022-23シーズンデインズとの戦績:なし
・ホームスタジアム収容人数:5,500名
・チーム平均年齢:25.6歳
・外国籍選手:10名

2022-23シーズンの最終節で優勝を決め、今季から2部で戦うことになったパトロは直近の数年はほとんど3-4部に所属し、久しぶりの2部の舞台となる。前身となるクラブは1930年代に牧師により設立されたVVパトロ・アイスデン。2016年頃からクラブの財政問題をきっかけにオーナーが中国の投資グループ、イラン人実業家、イングランド人実業家に次々と代わり混乱を極めた後、最終的にはオランダのフィテッセなどのオーナーであるアメリカ企業コモン・グループが買収した。

Jリーグで約10年に渡って活躍し、J1・J2それぞれの得点王にも輝いた経験のある現ヴァンフォーレ甲府FWピーター・ウタカがプロデビューを果たしたクラブでもある。(当時はベルギー2部で得点王に輝き、1部ウェステローにステップアップした。)注目選手は昨シーズンまでデインズに所属し、契約満了によりパトロに加入したギニア代表FWパフォデ・ダンソコ選手。監督は2018-19シーズンより指揮を取る監督が今年も継続する。

デインズの2023-24シーズン開幕戦は8/13(日)日本時間午前3時、アウェイでパトロ戦となる。
日本ではまだまだ知名度が低いベルギー2部リーグですが、興味深い部分がたくさんあることを少し知っていただけたかと思います。次回も2部所属チームの紹介となります。日本人所属の注目チームもあるので、お楽しみに!
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著者プロフィール

1926年に設立されたベルギープロリーグ2部所属の歴史あるサッカークラブ。ホームタウンであるデインズ市は約4万5千人の人口を抱え、東フランダース地域にある富裕層が多く住む地域として知られています。2019-20シーズンにベルギープロリーグ2部への昇格を果たし、2021-22シーズンは4位(8クラブ中)でシーズン終了と健闘しました。新スタジアム建設計画を発表するなど、急成長を遂げているクラブです。2022年2月よりACA Football Partnersがオーナーとなり、グローバルレベルでの業務提携も積極的に進めながら、ビジネス及びスポーツ面でのさらなる発展を目指します。

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