WEリーグ2023-2024、マイナビ仙台レディースにとって3季目のトレーニングがスタートしました。新たな仲間を迎え、8月末の「WEリーグカップ」開幕を目指します。AC長野パルセイロ・レディースから完全移籍加入した太田萌咲選手へ、新シーズンにかける思いを伺いました。


――新しい環境に飛び込むのは大きな決断ですね。どのような思いで移籍を決断しましたか？

太田「環境を変えたいということが一つ。また自分が成長していく上で、新しい環境の中で、いろいろな人のプレーを見て吸収したいと思いました」

――前所属のＡＣ長野パルセイロ・レディースには、元マイナビ仙台の選手たちも多く所属していましたね。

太田「年が離れている選手も仲良く話をしてくれました。優しい方が多かったです」

――過去には対戦相手として、仙台を訪れました。マイナビ仙台レディースにはどんな印象を持っていましたか？

太田「皇后杯やリーグ戦でも対戦しました。石巻での試合もありましたね。チームの印象は、前にボールが入ったら怖かったです。自分たちの方がボールを持っている時間が多かったんですが、ボールを取られてカウンターを受けたので、リスクマネジメントを気にしながらプレーしていました」

――選手の顔ぶれなども変わってはいますが、その仙台に入ってどんな風にプレーしたいとイメージしていますか？

太田「足が速い訳ではないので、縦に速いだけではなく、ボールを持って前に運び、崩していきたいです。速さも必要ですが、パスがビシッと通るようなシーンを多く出せたらいいですね。ボールを持てるチームになって行ったらいいと思います」

――太田選手はＪＦＡアカデミー福島出身。高卒でＡＣ長野に入団しました。昨季はどんなシーズンでしたか？

太田「試合に出てはいましたが、結果につながるようなプレー、ゴールやアシストなどは出せませんでした。流れの中で攻守に関わることはできていましたが、記録に残るようなプレーはできなかった印象です」

――仙台ではより具体的に結果を出していきたいですか？

太田「そうですね。今年こそゴールを決めたい。もっと活躍したいと思っています」

――練習でも太田選手のところからスルーパスがどんどん出てきます。技術もあり、周りが良く見えていますね。持ち味はどんな風に表現していきますか？

太田「私はシューターではないので、スルーパスやゴールのひとつ手前の部分で力を発揮したいです。攻撃の作りは得意なので、そういうプレーを出していって、まずはアシストからですね。そしてゴールも狙っていけたらいいですね」

――ご自身の力を最も発揮できるポジションは？

太田「ボランチやトップ下です」

――ボランチと言えば、仙台では中島依美選手や隅田凜選手など、タイプの異なる経験豊かな先輩たちもいます。

太田「そうですね。一緒にトレーニングしながら思うのは、自分とは全く異なる感覚を持っているということです。話してみても『あぁ、そうやって考えているんだ』と新たな発見があります。今までにない、自分とは違う考え方をしているのかなって思います」

――仙台での目標を聞かせてください。

太田「まずは試合に出ること。スタメンに定着して、その中でできることを増やして、ゲームの中でたくさん目立てる選手になりたいです。試合で結果を残せる選手になりたいです」

――太田選手の素顔も知りたいです。オフの過ごし方や趣味を教えてください。

太田「映画を見たり、ドラマを見ています。いろんなジャンルのものを見ますが、韓ドラとか海外の作品も好きです。まだ仙台ではあまり出かけられていないですね。」

――同い年の選手はいますか？

太田「（猪瀨）結子です。いろいろ教えてもらっています」

――練習中、太田選手はいつも楽しそうですね。笑顔の写真が多い印象です。

太田「そうですね（笑）練習が好きなんですよ。楽しんでやっているので、時にふざけていると思われます（笑）難しい状況の時もありますが、どんな時も練習は楽しいので、自然と笑顔でやっています。」

――良い雰囲気でトレーニングできていますね。

太田「そうですね。もっともっとみんなと仲良くしていきたいです」


　取材中にも近くを通りかかる仲間たちが、太田選手に気さくに話しかけていました。成長過程の20歳は、積極的にピッチ内外で周りとコミュニケーションを取りながら、新しい環境になじんでいきます。個人の成長と確かな結果、両方を追い求める太田選手の新シーズンは始まっています。（マイナビ仙台レディース・オフィシャルライター村林いづみ）