早大フィギュア部門新体制特集 【第6回】西山真瑚

チーム・協会

穏やかな雰囲気でインタビューに応じる西山 【早稲田スポーツ新聞会】

新体制特集第6回には西山真瑚(人通4=東京・目黒日大)が登場。昨シーズン限りでシングルの競技生活に終止符を打ち、アイスダンスに専念すると表明していた西山。パートナー探しに苦戦していたものの、今年5月に田中梓沙(京都アクアリーナ)とアイスダンスチームを結成すること、カナダのモントリオールを拠点にすることを発表した。新たな環境でアイスダンスに挑戦する西山に、 シングルラストシーズンの振り返り、新しいチャレンジへの思いなどを語っていただいた。

シングルラストシーズンについて

――13年間続けたシングルの競技生活を終えていかがですか

 そうですね、今はアイスダンスに改めてチャレンジができるという嬉しさがあります。シングル最後の試合が終わったときには、ようやくという気持ちもあり、これでシングルが終わってしまうのかという寂しさもあり、という感じでした。

――昨シーズンは何度もシングルスケーターとしての西山選手を見せたいとおっしゃっていました。昨シーズンをどう振り返りますか

 昨シーズンは、もともとアイスダンスで試合に出る予定だったのが相手が見つからない関係でシングルにチャレンジするというイレギュラーなシーズンのスタートだったのですが、シングルをやる以上は全日本選手権に出場して、僕のシングルスケートをたくさんの方に見てもらうという目標を立てて取り組んでいました。最終的にその目標は達成できて、全日本選手権でも自分の納得できるような演技が披露できたので、最後は割と満足してシングルの競技生活を終われたかなと思います。

――シーズン後半には「シングルをやっていてよかったな」ともおっしゃっていましたが、そう思えた理由などは

 やっぱりシングルを久しぶりに選手として取り組んで、試合にも本格的に出場して競技をやっていく中で、改めて一人で演技をすることの楽しさを感じました。アイスダンスだとなかなか今は日本国内だと選手があまりいないのですが、男子シングルだと自分の同期も含めてたくさんの選手たちと練習をして、一緒に大会に出ることができたので、そこがすごく自分の中で楽しかったなと思いましたし、良い思い出になりました。

――昨シーズンの中で一番印象に残っている大会は何ですか

 やっぱり東京選手権が自分の中で一番記憶に残っています。というのも昨シーズン、自分の中で一番良い演技ができたのが東京選手権で、予想もしていなかった点数や結果がついてきたので、一番印象深いかなと思っています。

――シングルの競技生活の中で一番印象に残っている大会は何ですか

 どのシーズンにも色々な思い出があるのですが、すごく前になってしまいますけど全日本ノービスで優勝し、全国で一番になったというのは率直に結果として嬉しかったです。

――昨シーズン最後の公式戦の国体を終えたときの心情や、大会を振り返っていかがですか

 自分にとって実は国体に出るのが初めてでした。(国体は)普通の試合とは違っていて、東京都のチームとして出場し、個人戦でありながら団体戦でもあるような試合だったので、国体という大会自体も自分の中で全部が新しかったです。演技内容については、最終的に思っていたような演技はできませんでしたが、最後に東京都の代表として大きい大会に出ることができたのは誇らしいことだなと思い、演技を終えられました。

――長い間続けてきたシングル競技や、アイスダンスから得たものは

 今までシングル競技をやってきた中で、自分はジャンプに苦手意識を持っていて。苦手な部分にすごくフォーカスしてしまい、自分の良さ、得意な表現やスケーティングスキルを出せなかった時期がありました。それを克服できないまま一度アイスダンスにチャレンジして、でも昨年またシングル競技に戻ってきて。アイスダンスを経験したからこそ、自分に自信がつき、得意だったスケーティングなどにさらに磨きがかかって、それでアイスダンスでも良い評価をしていただけました。その自信を(昨シーズンの)シングルに持ってきたことで、苦手だったジャンプに対しても自信に繋がって。なんやかんや昨年はシングルをやったことで自分自身に自信がつきました。それはもちろん点数的にも、色々な方の評価もそうですけれども。今回またアイスダンスにチャレンジをしますが、シングルで培ったものが生かされたら良いなと思っています。

――昨年の試合が終わってからも4回転ジャンプなどの練習をされていたと思います。昨シーズンが終わってからカナダに渡るまではどのように過ごされていましたか

 全日本が終わってから本格的にアイスダンスのパートナーを探し始めたのですが、なかなか相手が見つからずに1月2月3月と過ぎていって。WASEDA ON ICEでは楽しく滑ることができたのですが、それが終わっても相手が見つからずにいたので、来シーズンもシングルをやらなきゃいけないのかなとちょっと頭の片隅に置きながら練習はしていました。なので、サボらずにジャンプの練習などもしてみようかなと。その中で新しいジャンプを習得してみたりしていたのですが、たまたま4月の頭に今の田中選手とアイスダンスを組むという話になって今に至るという感じです。

印象に残っていると話した昨年の東京選手権で演技をする西山 【早稲田スポーツ新聞会】

アイスダンスについて

――現在の練習環境について教えてください

 今はカナダのモントリオールにあるIce Academy of Montrealというアイスダンス専門のクラブに所属しています。月曜日から金曜日まで毎日3時間半練習をしているという感じです。

――久々に本格的に海外で練習されていますが、練習環境には慣れましたか

 (今の練習環境は)アイスダンス専用クラブみたいなスクールなので、もともとシングルをずっとやっていたからというのもあるのですが、周りにアイスダンスの選手しかいないのが自分にとってはすごく新鮮です。日本では絶対に見られない光景なので、すごく新鮮な気持ちで練習しているのですが、時差や練習時間、先生たちやチームメイトとも打ち解けてきて、だいぶ慣れてきました。

――日本の練習環境や、過去に所属していたクリケットクラブなどとどのようなところが違いますか

 クリケットクラブとは少し近いかなと思うのですが、(今は)ヘッドコーチが一人いて、チームとして一人の選手を教えてくれるという環境です。例えば日本だったら一人の選手が一人の先生についているので、一人の先生からしか指導を仰ぐことができないというのがよくある指導方法だと思うのですが、今いる環境やクリケットクラブでは色々な先生が複合的に一人の生徒にアプローチをしてくれます。今だったら、プログラムを見てくれる先生、リフトを見てくれる先生、バレエを見てくれる先生など、色々な方面の先生たちがアカデミーに所属をしています。そこが日本とは大きく違うところかなと思います。

――モントリオールの良いところは何ですか

 世界最高峰のコーチ陣が揃っているというのはもちろんですが、そこに在籍している他のアイスダンスチームも、世界選手権で活躍しているチームばかりなので、やっぱりそのような選手と練習することで肌から感じるものがあるということが今自分にとっては一番刺激になっていて、成長に繋がりそうだなと感じています。

――カップル結成の経緯についてお伺いします。差し支えない範囲で経緯をお聞かせください

 インターネット上でアイスダンスやペアの相手をサイトみたいなのがあって、アイスパートナーサーチというウェブサイトなのですが、4月の頭に田中選手が登録をしていたのを僕が発見し、すぐに連絡をして色々話を詰めていって、4月終わりには組もうかという話になり、5月の頭にはモントリオールに渡りました。

――田中選手とはシングル時代に交流はありましたか

 ジュニアの頃なのですが、僕が前のアイスダンスのパートナーと一緒にジュニアグランプリシリーズに出場したときに、たまたま田中選手もシングルで同じシリーズに参戦していて、一度だけ一緒になったことがあります。そのときはそこまで話したわけではないのですが、お互いのことは認識していたので、今回声をかけたときに(田中選手は)僕のことを認識していましたし、もちろん僕も田中選手のことは知っていたという感じです。

――結成の決め手となったのは

 田中選手はシングル時代から日本代表としてジュニアのグランプリシリーズに出場するくらい実力がある選手だというのはもともと知っていて。すごくスケーティングや表現力に定評があって、僕自身もジュニアグランプリで彼女のスケートを見たときからすごく上手な子だなと思っていました。なので、アイスダンスを始めるという意思を持ってくれて、アイスパートナーサーチに登録してくれた段階でぜひとも組みたいなと思っていました。

――海外拠点になることの難しさなどはありましたか

 そうですね、お互いにお互いの意見があったので。でもそれは4月に僕が声をかけて話していく中で、2人でカナダのモントリオールに行くのが一番ということになり、決めました。

――結成が決まったときはいかがでしたか

 もう率直にほっとしたというのが一番にありました。それと同時にようやくまたアイスダンスにチャレンジできるという嬉しさや高揚感も感じました。

今後の目標

――今シーズンの目標や大会出場予定について差し支えない範囲で教えてください

 一応今のところは夏にカナダの大会にいくつか出場して自分たちのアイスダンスの試合感を見つけた上で、10月終わりに日本である全日本選手権の予選会に出場する予定です。その後、12月の全日本選手権に出場するというのが今のプランです。今年の今の自分たちの目標としては、全日本選手権でできる限り高い順位にいくというのはもちろんなのですが、僕たちはまだまだ新しいカップルなので、田中・西山組というアイスダンスカップルがいるんだよということを日本のたくさんの方に知ってもらって、将来が楽しみなカップルだと思ってもらえたらいいなと思います。

――大会に向けて、今はどのような練習をされていますか

 今はリズムダンスとフリーダンスともにプログラムを作り終えて、これから夏の大会に向けて調整をしていくという感じです。調整といってもまずはプログラムに慣れて、よりエレメンツの完成度を高めていくという段階になっていくと思うのですが、まだ組んで1カ月しか経っていないので、お互いのこと、お互いのスケートをよく知って、合わせていけたらいいなと思います。

――今シーズンのリズムダンスの課題についてはいかがですか

 楽しいなという風には思っていて。課題が1980年代の曲を使わなければならないという要件なので、その1980年代に作られた曲を使いながらサンバをするのですが、僕たちが選んだ曲がすごく楽しい、みなさんも絶対に知っている曲です。実際に自分たちも滑っていてすごく楽しいです。なので、今年の課題曲のルールや、それに合わせたサンバのパターンダンスの課題は、自分にとってすごく楽しいものになったなと思っています。

――今後のビジョンを教えてください

 もちろんアイスダンスチームを組んで、このモントリオールという世界最高峰の環境に来ている以上は、オリンピック出場や世界選手権に出てそこで日本の歴代最高位を取りたいというのは大きい目標としてあります。それがいつ実現されるかというのは自分たちの中では未知数ではあるのですが、今自分たちはやらなければならない課題が目の前に山積みなので。1個1個クリアしていって、そうしたら必然的に自分たちが掲げている大きい目標が見えてくるのではないかなと思っています。

――部の最高学年としては、どのような1年にしたいですか

 せっかくの大学最後の年に日本にいられないので、部練などの部の活動にあまり協力できないのはすごく残念で悲しいのですが、できる限り部の活動には協力したいなとは思っていますし、大学選びで悩んでいる選手にも、(僕の)演技を見て早稲田大学に入りたいなと思ってもらえるようなスケーターになれたらいいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 吉本朱里)

◆西山真瑚(にしやま・しんご)

東京・目黒日大出身。人間科学部eスクール4年。所持級はアイスダンスプレゴールド、シングル7級。

第1回から第5回までは、下記リンク先「フィギュア部門新体制特集」をご覧ください。

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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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