【NJPW】序盤を無料公開!『G1』初出場の辻陽太選手に直撃!【G1】

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【新日本プロレスリング株式会社/中原義史】

『G1』初出場を決めた辻陽太選手に直撃インタビュー!Aブロックエントリーとなった公式戦の対戦相手について言及!

そして、衝撃の凱旋からロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン電撃加入など2023年の上半期を振り返るともに、『G1 CLIMAX 33』への熱い想いを激語り!

撮影/中原義史

「自分のやりたいプロレスをするべきだ」ってことを海外修行を経て感じた。それがL・I・Jに入った理由の一つでもあるんですけどね

【新日本プロレスリング株式会社/中原義史】

――さて、辻選手。まずは約1年9か月の海外武者修行について話を伺いたいのですが、どんな生活、どんなトレーニングを積まれたのでしょうか?

辻 まず最初はイギリスに行きまして、みんなイギリスっていうとロンドンを想像すると思うんですけど、ロンドンから2時間ぐらい離れたポーツマスっていうところに住んでました。

――ポーツマスというのはどんな場所なんですか?

辻 日本で言うと、三崎口みたいなイメージですね(笑)。首都から2時間ぐらいで港町みたいな感じの街で、朝起きてトレーニングして、ご飯食べて、Netflix観て、またトレーニングみたいな生活をしてましたね。

――イギリスのプロレスはどんな感じだったんでしょうか?

辻 イギリスのプロレスラーって自分らと違ってプロフェッショナルじゃないんですよ。ほんの一握りがプロでやっていて、それ以外の人は働きながら週末にプロレスをやってるんですよ。なので、プロレスの練習も基本水曜日の夜だけとかで、あとは自主練だけでしたね。

――イギリスというと、ザック・セイバーJr.選手を筆頭にランカシャーレスリングのイメージが強いですが、実際のところはいかがでしたか?

辻 全然ザックのイメージはなくて、各々がやりたいプロレスをやってる感じですね。最初、自分は「メチャメチャなことをやってやろう」と思ってイギリスへ行ったんですけど、実際その場に身を置いてみると、「ここでそんなことをやったら新日本としてのブランドが崩れる」と思って、逆にヤングライオン時代に学んだことを大切にしてプロレスをやるようになりましたね。

――イギリスではプロレスと向き合い、基礎である土壌をさらに固めたわけですね。

辻 そうですね。正直言うと、イギリスのお客さんってメチャメチャ頭から突き刺すプロレスとか、飛び回るプロレスが好きなので、ヤングライオンのスタイルをちょっと発展させたベーシックなプロレスだとあんまりウケないんですよね。

――なるほど。

辻 ただ、俺は海外遠征ではなく凱旋した時のことを考えていたので、そこは崩さずにあくまでも「自分のスタイルを確立する」っていうことを意識しながらプロレスをやってました。

――その後、リングネームを“Yota”に変えてメキシコに乗り込んでいきましたね。

辻 イギリスでは自分のベースとなるレスリングを確認しながら技術を高めていったので、メキシコでは「完全にルチャをやろう」と思ってたんですよ。

――と言いますと。

辻 ファンの人からしたらちょっとわかりにくいかもしれないですけど、プロレスとルチャって似たようで全然違うんですよ。

――その違いというのは?

辻 ルールもロープの高さもリングの硬さも違うし、例えて言うならアメフト選手がラグビーやってるような感じですね。なので、ルチャに関しては一旦プロレスを忘れて、「ルチャをやろう」って一から学ぶ気持ちでメキシコに渡りました。

――「ルチャをやろう」ということで、メキシコではどんな練習をされたのですか?

辻 俺はメキシコに2回行ってるんですけど、「どうせ学ぶんだったら一番強そうな人に学ぼう」と思って、最初の遠征ではウルティモ・ゲレーロの道場に行ったんですよ。

――おお、ゲレーロ選手の指導はいかがでしたか?

辻 ウルティモ・ゲレーロはとにかくスパルタなんですよ。体格とかキャリアとか性別とか関係なく「いまから飛べよ」みたいな感じで出来るまで終わらないんですよ。

――初回はウルティモ選手のもとでスパルタ指導を受け、2回目の遠征ではどんな修行を積まれたんですか?

辻 2回目に関しては、1回目に行った時よりもルチャの闘い方とか、試合の流れとか、そういうものに慣れていたので、以前よりも落ち着いてルチャに専念することができましたし、学んできたルチャを自分の中で消化して、しっかりとインプットすることができましたね。

――ご自身の中でプロレスとルチャをちゃんとミックスできた状態で凱旋できたと。

辻 そうですね。プロレスの良さをメインに自分の学んだルチャをスパイスとしてミックスすることができました。

――なるほど。では海外修行で得た一番大切なものとは?

辻 “自分のやりたいことをする”ってことですね。リングっていうのは自分を表現する場所であって、「自分のやりたいプロレスをするべきだ」ってことを海外修行を経て感じましたし、逆に言えば「自分を表現する場所なのになんで制限されなきゃいけないの?」と。それがL・I・Jに入った理由の一つでもあるんですけどね。

俺がL・I・Jの一員として思うことは、“同じラインに立っている選手”ってこと。もちろん内藤さんも鷹木さんも倒す気でいるので、そこは勘違いしないでほしい

【新日本プロレスリング株式会社】

――ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの話で言うと、辻選手の壮行試合(2021年8月1日後楽園大会)の相手を務めた内藤哲也選手とは切っても切れない縁だと思いますが、あらためて辻選手にとって内藤選手はどんな存在ですか?

辻 ヤングライオンの時は憧れであり、目指している先輩の一人だったことは間違いないですけど、いま俺がロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの一員として思うことは、“同じラインに立っている選手”ってことですね。

――あくまで横一列だと。

辻 憧れてるわけでもないし、もちろん内藤さんの子分でもないし、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの一員として同じ立場の人間だと思ってます。とはいえ、「L・I・Jに入るってことは内藤の子分になる」って考える人もいると思うんですけど、それは俺も十分わかってるんですよ。

――世間的な見方はありますけど、L・I・Jがご自身のスタイルに合っているわけですね。

辻 ええ。自分を一番表現できる、自由にプロレスをできるのはロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンだと思ってます。実際、内藤さんも「(L・I・Jは)個々の集まりであり、自分の自由にやっていい」と明言しているので、もちろん内藤さんを倒す気でいるし、鷹木(信悟)さんも倒す気でいるので、そこは勘違いしないでほしいですね。

――けして仲良しこよしではないと。

辻 だから、仮に(5.3)福岡で(高橋)ヒロムちゃんが(IWGP世界ヘビー級)ベルトを獲ったとしても、俺は福岡でアタックすると決めていたので、そこは相手が誰であろうと関係ないですね。

――続いて、6.4大阪城大会でおこなわれた凱旋試合となるIWGP世界ヘビー初挑戦を振り返っていかがですか?

辻 まず、自分が海外でやってきたプロレス、そしてヤングライオン時代に積み重ねてきた計5年がどれだけ通用するかって試しましたけど、「自分の歩んできた道は間違いじゃなかった」と確信できましたね。

――試合を振り返っても、序盤に出したフォスベリーフロップがファンの心を一気に掴んだ印象がありました。

辻 やっぱり凱旋に関しては、福岡の登場もそうですし、大阪の試合もそうなんですけど、“インパクト”を大事にしたいと思ってたのであのトペは狙ってましたし、結果的にいい効果になったと思います。

――そして負けてなお『週刊プロレス』の表紙というインパクトも残しました。あらためて周りからの反響はいかがでしたか?

辻 ハハハ。まあ、チャンピオンの防衛後にアタックして、いきなりIWGP挑戦っていうのは良くも悪くも反響はあるなと思ってましたね。もちろん「まだ早い」とか「顔じゃない」とか文句を言う人たちはいるわけであって、そこは覚悟のうえで行きましたし、結果として自分の出したものが思っていた以上に反響があったなと実感してます。

『G1』は新日本プロレス最大のリーグ戦なので、「誰でも出れるじゃん」っていう風にファンが思っちゃったら、それは価値のある大会でなくなると思うんですよ

【新日本プロレスリング株式会社/中原義史】

――インパクトを残したまま、勢いに乗っての『G1 CLIMAX 33』エントリーとなりましたが、辻選手にとって『G1』とは?
 
辻 やっぱり“選ばれた人間”しか出れない大会だと思ってたんですけど、今回のブロック編成とか見る限り、「『G1』の価値は下がってるんじゃないかな」と思いますね。
 
――価値が下がったと思う部分とは?
 
辻 何もしてない選手たちがエントリーしてるってことですね。まあ、何もしてないって言ったら、俺もIWGP世界ヘビーを逃してるんですけど、俺はいま新日本プロレスの中で一番注目の集まる男だと思っているので、俺の出場は当然でしょ。

――人選含め、史上最多32名エントリーという部分に思うものがあると。

辻 まず、「なんで32人にしなきゃいけないのかな?」っていうのはありますね。

――内藤選手も「(『G1』は)選ばれた選手のみが参加できる最強戦士決定戦」とおっしゃってます。

辻 そこは俺も内藤さんに賛同しますね。『G1』は新日本プロレス最大のリーグ戦なのに、「誰でも出れるじゃん」っていう風にファンが思っちゃったら、それは価値のある大会でなくなると思うんですよ。まあ、最近は『NEW JAPAN CUP』もそんな流れがありますけど。

――ちなみに今年も4ブロック制で、さらに2位以内通過となりました。この点に関してはいかがですか?

辻 やっぱりプロレスも日によって調子が良い悪いっていうのがありますし、対戦相手との相性もありますし、可能性を広げる意味でも(2位以内通過は)いいと思いますね。

――――そして、今回の『G1』公式戦は20分1本勝負となりました。この初めての試みに関してはいかがですか?

辻 正直言うと、初出場なので30分の『G1』を経験したことがないですし、そこに関しては20分だろうが30分だろうが、べつにどうでもいいです。

――なるほど。

辻 と、言いたいところなんですけど、「なぜ20分にするのか?」「どういう意図があって20分にするのか?」っていうのを、会社はちゃんと説明した方がいいですよね。

――とはいえ、試合時間が20分になることで闘い方も変わってくるのかなと思いますが、その点に関してはいかがですか?

辻 引き分けが増えることはあるんじゃないかなと思いますけど、20分なら20分で最初からペースを制限しないで、開始からギア全開で挑める試合が増えると思うので、スタミナに自信がない俺にとっては有利に働くのかなと思ってます。

――辻選手はAブロックエントリーとなりました。あらためてAブロックのメンバーを見ての印象は?

辻 福岡、大阪城であれだけのインパクトを残して、これだけ注目を浴びたにも関わらず、「おまえは海野、成田、清宮、その辺のレベルと同じなんだよ」っていう会社からの評価が気に食わないですね。

――ご自身の扱いに対して不満があると。

辻 ファンの皆さんはわかってると思うんですけど、どう見ても海野、成田と比べたら俺の方が上なのは明らかで、会社が「レスラーとしての技量をしっかり見てるのかな?」ってちょっと不安になりましたね。なんか日本特有の年功序列というか、いまだにそんなことをしてるのかなって。どうなんですか、大張(高己社長)さん? そして木谷(高明)オーナー?





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著者プロフィール

1972年3月6日に創業者のアントニオ猪木が旗揚げ。「キング・オブ・スポーツ」を旗頭にストロングスタイルを掲げ、1980年代-1990年代と一大ブームを巻き起こして、数多くの名選手を輩出した。2010年代以降は、棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカらの台頭で再び隆盛を迎えて、現在は日本だけでなく海外からも多くのファンの支持を集めている。

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