【NJPW】『G1』初出場の海野翔太選手に直撃インタビュー!【G1】

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【新日本プロレスリング株式会社】

『G1』初出場を決めた海野翔太選手に直撃インタビュー!Aブロックエントリーとなった公式戦の対戦相手について言及!

そして、怒涛の2023年の上半期を振り返るともに、『G1 CLIMAX 33』への熱い想いを激語り!

ジョン・モクスリー、クラウディオ・カスタニョーリっていう世界トップクラスの刺激を受けて、再スタートするキッカケになりました

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――さて、海野選手。まずは2023年上半期を振り返っていかがですか?

海野 1.4東京ドームから始まり、6.4大阪城もタイトルマッチに絡めたということで、結果は残せてないにせよ、長い目で見た時にはだいぶボクの中には凄い経験値を得たというか。とはいえ、内藤(哲也)さんとシングルをしたり、ザック(セイバーJr.)と闘ったり、『NEW JAPAN CUP』でデビッド(・フィンレー)に負けたり、大阪城ではオカダさん(・カズチカ)から取られたりとか、あと一歩届かず負けてるっていうのがあるので、実力的な部分で言ったらトップとの差は歴然ですし、海外遠征から帰って来て簡単にトップに立てるほど、「いまの新日本プロレスは甘くない」と痛感しました。

――なるほど。

海野 例えば、10年前とか20年前だったら、帰ってきてすぐトップに入り込めることがあったかもしれないですけど、いまの新日本プロレスっていうのは歴代の中でもかなり層が厚くて、各々の先輩が強いからこそ、数年、海外修行に行った程度じゃトップに上がれないっていう「ホントに厳しい状況を作られてるな」と。

――たしかに層がブ厚いですね。

海野 レインメーカーショックの時は、vsできる相手が棚橋(弘至)さんしかいなかったっていうのがありましたけど、いまは帰ってきても、オカダさんがいて、棚橋さんがいて、内藤さんがいて、SANADAさんがいて、その中でさらに石井(智宏)さん、鷹木(信悟)さん、(ウィル・)オスプレイ、デビッド、ザックって、もうどこに行っても壁にぶち当たるんですよ。

――たしかにそうですね。壁だらけというか。

海野 『NEW JAPAN CUP』でザックに勝っても、その次にはデビッドっていう壁があって、結局デビッドは決勝まで上がってますし、そのトップ戦線の壁を越えて、新日本プロレスを引っ張っていく存在になるっていうのは、個人的な感覚としてまだまだ時間がかかるのかなと。

――記録は残せなかった上半期ということですが、武藤敬司さんの新日本プロレス引退試合の相手を務めたり、6.4大阪城ホール大会でジョン・モクスリー選手&クラウディオ・カスタニョーリ選手とのタッグを組んだりと、記憶には残る経験値を積んだと思います。

海野 そうですね。武藤さんに限っては最初で最後の試合になりましたし、モクスリーとクラウディオ・カスタニョーリと組めるっていうは新日本の中でもボクしかいないと思いますし、その経験値のデカさっていうのはとてつもないものですし、これは絶対に今後活きてくると確信してます。

――久しぶりのモクスリー選手との再会についてはいかがですか?

海野 最近のAEWとかでも「破天荒にメチャクチャやってんな」って観てましたし、周りからは「“Blackpool Combat Club”に入るの?」とか聞かれたりしますけど、そういうのじゃないんですよ。ボクとモクスリーに限っては、ヒールとかベビーフェイスとか、そういう垣根を越えた絆っていうのができてるなっていうのを感じましたし、大阪城の試合後コメントがすべてなんじゃないかなと思いますね。

――モクスリー選手の「4年前、まさにこの会場でオレは決断したんだ。自分の忠誠心をこの男に賭けてみようと。そして彼に言った。どん底から這い上がってみろと。全てを賭けてよりよい自分になってみろと言った。その約束通り、4年かかって今彼のたゆまぬ努力と覚悟が結実し、そしてこれだけの男に成長した」というコメントですね。

海野 ボクは結果も残せてないし、悔しいのは悔しいですけど、一番身近なジョン・モクスリーがそういうコメントを残してくれてるっていう部分で、ボクの4年間は無駄じゃなかったのかなと。

――カスタニョーリ選手と初めてタッグを組んだ感想は?

海野 「ホントに初めてなのかな」っていうぐらいコミュニケーションを取らずとも、試合の中で意気投合できましたし、試合後も一緒に食事へ行かせてもらって、ホントに学ぶことは多かったですね。

――世界のトップを走り続けるスーパースターたちから受けた刺激というのは?

海野 メチャクチャ感じましたよ。会話をしてても「これは世界に通用するわ」っていう余裕というか、考え方っていうのは勉強になりました。

――『G1』前に組めたというのは大きいですか?

海野 メチャクチャ大きいですね。上半期のターニングポイントというか、さっきも話しましたけど、武藤さんから始まり、各々の先輩とシングルをやって、それをひっくるめてあの6人タッグをやったからこそ、あらためてオカダ・カズチカっていう新日本トップの壁の高さを感じましたし、ジョン・モクスリー、クラウディオ・カスタニョーリっていう世界トップクラスの刺激を受けて、再スタートするキッカケになりましたね。

優勝しないといけないので、“JUST DO IT”ですよ。若さを武器に元気にやるしかないです

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――あらためて『G1 CLIMAX』初エントリーをはたした現在の心境はいかがですか?

海野 もちろん嬉しさはありますけど、「何のために海外修行に行ってたの?」っていう部分ではで、凱旋して選ばれないようじゃダメですよね。

――海野選手にとって『G1 CLIMAX』とは?

海野 この1か月シリーズが続くという過酷さの中でシングルマッチをやって、そこで一番を決めるわけですから、どう考えても年間どのシリーズ、どの大会を見ても一番過酷でしんどいんだろうなと(苦笑)。

――たしかに過酷なシリーズではありますね。

海野 ただ、しんどいとはいえ、一番インパクト、結果を残して、ファンを魅了して認められてトップ戦線に絡めるとしたら、すごくキーポイントな大会ではあるなと。特にAブロックにはSANADA選手がいるので、ここで勝てば話は変わってきますし、ネガティブなことじゃなくて、『G1 CLIMAX』はポジティブに捉えてます。

――ヤングライオン杯を除けば、長期のシングルシリーズは初経験かと思いますが、このあたりについてはどのような心構えでいますか?

海野 コンディションの整え方、試合への臨み方とか、当たり前ですけどみんなボロボロの中で試合をしてるじゃないですか。ボクで言ったらオスプレイ、内藤さん、ザックさんとシングルをやったあと、翌日の身体のダメージ具合って半端なかったんですよ。

――『G1』はそのような試合が連日続くわけですからね。

海野 「それでも試合をしないといけない」って考えると、その時点でかなり過酷だなと思いますけど、やらなきゃいけないですし、勝ち上がらないといけないし、優勝しないといけないので、“JUST DO IT”ですよ。ここは考えてもしょうがないので、若さを武器に元気にやるしかないです。

――今年の『G1』は史上最多32名エントリーということで、この点に関してはいかがですか?

海野 ボクはファン時代、Aブロック、Bブロックがそれぞれ10人同士の20人エントリーっていうのを観てたので難しいですよね。ボクの考えはフィフティー・フィフティーですけど、内藤さんとかは否定的な意見を残されてるじゃないですか。

――東京スポーツのインタビューで「多すぎる」とおっしゃってますね。

海野 「優勝戦線に絡めない選手を選出されたり、選ばれた選手のみが参加できる最強戦士決定戦だ」とか、それは正直その通りだと思うんですよ。ファンからしたらA、B、C、Dって4ブロックもあったらゴチャゴチャしてて追いきれないだろうし、やってる方ですらわからないと思うんですよ。

――なるほど。

海野 なので、ボクもそこに関しては否定的な意見を残しますけど、「トップ選手だけが出てても未来はないな」と思いますね。例えば、内藤さんがボクと同じブロックになったとして、いまのボクは結果も残せてないですし、内藤さんからしたら「何で選ばれたの?」っていう枠にボクも該当すると思いますけど、「仮にボクが勝つようなことがあれば」っていうポイントが『G1 CLIMAX』の面白さだと思うんですよ。

――まさにパラダイムシフト的なことですよね。

海野 要はそういうことですよ。何かを掴むかもしれない。何かが起きるかもしれない。プロレスに絶対はないと思いますし、もちろん厳選されたトップ選手だけが出て「誰が優勝するんだ?」っていうのも面白いと思いますけど、ボク的には“面白いだけ”で終わっちゃうのかなと。そこに未来はないし、逆に「この先、歳をとって結果を残せなくて外されても文句は言えないですよね?」っていう話ですよ。

――また今回も4ブロック制となり、さらに2位以内でトーナメント進出という形式になりましたが、この点についてはいかがですか?

海野 チャンスは広がるのかなと。ただ、『G1』は強さを決める大会なので何とも言えないですけど、プロ野球ではクライマックスシリーズに1、2、3位チームが上がれるわけじゃないですか。

――そうですね。

海野 まず2位と3位のチームが闘って、勝ち上がったチームが1位とやって、勝った方が日本シリーズに上がれるっていう中で、3位のチームがクライマックスシリーズ制覇して、日本シリーズを優勝するっていうパターンもありますし、そういう下剋上もアリなのかなと。それこそ、今年の『SUPER Jr.』がまさにそれですよね。

――たしかにそうですね。そして、今回の『G1』公式戦は20分1本勝負となりました。この初めての試みに関してはいかがですか?

海野 ボクはあんまり分数にこだわりはないですけど、30分1本勝負っていうのは過酷さがより伝わりますよね。ただ、田口(隆祐)さんがTwitterでも言ってたんですけど、20分だったら30分の試合の組み立て方というか、攻め方をしないですよ。

――と言いますと。

海野 より早く決めにかかりますし、逆に30分だったら体力的にも精神的にも落ち着いて闘えるんですけど、20分ってなると引き分けが頭にチラついちゃって焦る部分も出てくるし、勝ち急いだ部分をひっくり返せるチャンスもあると思いますし、そこはボク的に試合のスタイルが変わるだけで時間っていうのは気にならないですね。

――スタイルが変わるっていう意味では新鮮かもしれないですね。

海野 そうですね。ある意味、内藤さんが言う「優勝できなさそうな選手」がトップ選手を相手に引き分けに持っていけるだけでも、大健闘って話にもなると思いますし。

――引き分けがチラつくっていう部分が勝負の分かれ目かもしれないですね。

海野 「決めに行こう」って焦る部分では、肉体的にも精神的にもキツいと思いますよ。ただ、若手的観点からしたらガツガツ行きたいですし、20分っていうのは有利ではないですけど、ゆっくり時間を使われて相手のペースに持っていかれるよりは自分のペースのまま闘えるのかなと。まあ、これは史上初なのでやってみないとわからないですけどね(苦笑)。

おたがい海外遠征の前から「コイツには負けたくない」というか。成田も口にはしてないですけど、絶対に思ってると思うし、そういう意地のぶつかり合いになりますね

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――では、ここからは公式戦の話を伺っていきたいのですが、開幕戦となる7月15日(土)札幌大会では成田蓮選手と対戦します。

海野 いや~、これが新日本プロレスの面白さですよね。例年で言うと、棚橋vsオカダをいきなり開幕戦に持ってくるというか、ボクはそういうのが好きなんですよ。

――凱旋後、初対決になりますよね。

海野 凱旋してから同じコーナーに立つことはあっても、向かい合うのは初めてですし、おたがい海外遠征の前から「コイツには負けたくない」というか。成田も口にはしてないですけど、絶対に思ってると思うし、そういう意地のぶつかり合いになりますね。

――凱旋以降、成田選手の活躍ぶりに関していかがですか?

海野 何より新日本プロレスのベルトを獲るっていうことは簡単なことじゃないですし、(NEVER無差別級6人タッグ)チャンピオンになってるので、「成田に先を越されたな」っていう悔しさはありますね。

――対戦するにあたって成田選手の脅威は?

海野 意地っ張りなところですね。負けず嫌いですし、ポーカーフェイスで口には出さないけど、内心フツフツ燃え上がるものはあるんですよ。それを一番近くで見て、一番理解してるのはボクだと思いますし、成田が誰よりも感情を一番持ってるかもしれないです。

――その感情の爆発が脅威なわけですね。

海野 成田って言葉じゃないんですよ。例えば技を食らって「コイツより先に立ち上がってやる」とか「コイツより先に倒れない」とか、行動であらわすんですよ。どちらかと言うと、ボクは感情を言葉や態度に出すタイプなんですけど、感情ってそれだけじゃないと思うんです。

――たしかに感情の表現は様々ですからね。

海野 そこがボクとは真逆に感情の見せ方なのかもしれないですね。ボクらってよく“赤い炎(海野)と青い炎(成田)”って言われるんですけど、その両極端な二人が交わるっていうのがボク的には面白いと思いますし、じつは青い炎が一番温度が高いじゃないですか。やっぱりそこの怖さというか、脅威はありますね。

――なるほど。

海野 ただ一個言わせてもらうと、4試合目っていう試合順は納得いってないですね。「新日本の未来を懸けるんだったら、メインイベントに持ってこい」と言いたいです。

――試合順に関しては苦言があると。

海野 未来に懸けたいのか? どうしたいのか? もし、メインがダメならオープニングマッチにしてほしかったです……。

――それぐらいこの試合に賭けるものがあるわけですね。

海野 「コイツらはこれぐらいだろ?」って思われてるのが悔しいですし、これから10年、20年、海野vs成田っていうカードがトップを張らないといけないカードだと思っているので、このカードをいずれ東京ドームのメインイベントに持っていけるように、いまはこの悔しさをバネに「このカードをメインにすれば良かった」って思わせる試合をしてやりますよ。

金魚のフンを引き連れて、俺の入場のマネごとをするのがSANADAさんのやりたいことなの?正直、ロス・インゴの時のSANADAさんの方が怖さはありました

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――続く第2戦では、7月18日(火)山形大会の公式戦で、IWGP世界ヘビー級王者のSANADA選手と対戦します。

海野 ボク、SANADAさんのことは良く思ってなくて、ユニット変えて、フィニッシュ変えて、髪色変えて、コスチューム変えて、ベルト巻けるんだったらみんなやってるんですよ。

――早々から手厳しい発言ですね。

海野 ただ、「何かを掴んで覚醒したんだな」っていうのがいまの強みなのかなと。やっぱり、オカダさんに勝つっていうのは簡単なことじゃないので、もともとそういう力はあったんだと思いますけど、SANADAっていう名前を安くしてほしくないですよね。

――SANADAという名前を安売りしてるように見えますか。

海野 上から目線でこんなこと言って申し訳ないですけど、SANADAっていう名前をもっと大事にしてほしいなと。ある意味、SANADAっていう名前は新日本の未来なのかなとも思いますし、若手の壁として立ってくれればと思ってます。

――海野選手は過去に6人タッグ戦ではありましたけど、SANADA選手からピンフォール勝ちをおさめてますよね。

海野 そうなんですよ。ボクは去年の後楽園でSANADAさんに直接勝っているので、後づけかもしれないですけど、IWGP世界ヘビー級チャンピオンになれる実力はあるわけなんですよ。

――当時と違うのは、ユニットが変わったというのが大きなポイントかと思います。

海野 ボクからしたら「ロス・インゴを抜けて、(Just)5 Guysに入って、仲良しこよしをしたいの?」と。「金魚のフンを引き連れて、俺の入場のマネごとをするのがSANADAさんのやりたいことなの?」って個人的には思いますね。

――Just 5 Guysへの加入にも疑問があると。

海野 逆に独り立ちして、0から1を立ち上げる方がもっと強くて怖いSANADAさんが見られるんじゃないかなと思いますし、正直、ロス・インゴの時のSANADAさんの方が怖さはありましたよ。

――ロス・インゴ時代の方が怖さを感じましたか。

海野 ある意味、これで終わりなのかなと。「次、若手から取られて潰されたら、這い上がれなくなっちゃうんじゃないかな」と思いますね。とはいえ、相手はIWGP世界ヘビー級チャンピオンですし、あのベルトを巻いてるっていうことは新日本の象徴なので、ここに勝てば新日本トップ戦線に入り込んでいける格好のチャンスだと思いますので、全力で勝ちに行きます。

(清宮は)“いい子ちゃん”で怖さは感じない。結果でわからせるためにとにかく叩き潰します

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――そして第3戦では、7月21日(金)長岡大会の公式戦で、清宮海斗選手と注目の一戦となります。

海野 正直、このブロックの中で一番興味がないですね(キッパリ)。

――えっ、興味がないというのは?

海野 オカダさんに負けて、『ALL TOGETHER』でも「オカダ!オカダ!」って言ってて、Twitterでも「AブロックにはIWGP世界ヘビー級チャンピオンがいる」ってそこにしか触れてないし、海野、成田、辻っていうのは彼の眼中に入ってないと思うんですよ。

――清宮選手の口からその3名の名前は出てないですね。

海野 まあ、内心はどう思ってるかわからないですけど、「ナメんなよ」って感じですね。「そんな感じだったら足元すくわれるよ」って。新日本の壁が高いから若手がもがいてるだけであって、海外修行から帰ってきた新日本の若手は決して弱いわけじゃない。

――おっしゃると通りだと思います。

海野 清宮さんはそれを理解できてないと思うんですよ。だからこそ、この闘いでは新日本の壁の高さっていうのをわからせてやりますよ(ニヤリ)。

――これは強い言葉ですね。

海野 だから、「SANADAだ」「オカダだ」って噛みついて、ほかを疎かにしてたら足元すくわれて「ノアの看板に泥を塗ることになるよ」って話になっちゃいますよ。完膚なきまでに海野、成田、辻から3カウント取って、そのうえでSANADAに勝つんだったら、「やっぱりノアの清宮はすごいな。ノアにも未来があるな」ってなりますけど、仮に海野、成田、辻に勝てず、SANADAにも勝てなかったら立場ないでしょ?

――たしかにそうですね。

海野 「もう二度と、オカダ、SANADAっていう言葉を口にするなよ」って言っておきたいですね。まあ、ボク自身はハッキリ言って清宮さんに興味がないですけど、団体の看板を背負った意地の張り合いにはなると思いますし、その先の未来を考えた時にまた絶対交わる闘いであるとは思ってます。

――興味がないということではありますが、レスラーとしてご覧になっていかがですか?

海野 “優等生”だなとしか思わないですね。なんか目を輝かせて「ハイ!お願いします!」っていう“いい子ちゃん”で怖さは感じないです。結局、オカダさんを怒らせたのも、「顔面を蹴ったからだけでしょ?」と。清宮さんは「もういいよ」って言われながらも、「ガンガン噛み付いて来い」とも言われて、そこは認められているかもしれないですけど。

――清宮選手はノアでGHCヘビー級王座も戴冠した実力者でもあります。

海野 まあ、ボクが清宮さんに勝てばGHCっていうのも見えてくるのかなとは思いますけど、一応ノアの『N-1 VICTORY』も昨年優勝してますし、GHCも巻いてますし、『ALL TOGETHER』のメインにも立ってますし、清宮さんに勝つようなことがあればそこに匹敵する部分も出てくると思いますし、結果でわからせるためにとにかく叩き潰します。

(ゲイブは)ヒールになったっていう部分で未知数なところもあるので、一番警戒しなきゃいけないですし、油断禁物だなと思います

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――続く第4戦では、7月25日(火)後楽園大会の公式戦で、ゲイブ・キッド選手と同級生対決となります。

海野 ゲイブは野毛道場にも1年ぐらい住んでましたし、イギリスでも一緒だったので、絡みは結構ありましたね。今回、BULLET CLUBに入って、『G1』決まって、こうやってアクションを起こすのは素直に良いことだと思いますよ。

――BULLET CLUBに加入したとしても?

海野 いままで何もしないで日本にも呼んでもらえず、『NJPW STRONG』でしか試合をしないで「いつ呼ばれるんだ?」って受け身になってて、「そりゃ呼ばれないでしょ」って。何かしらのインパクトを作って、「新日本側が『ゲイブ必要だ』っていう行動を自分からしないとダメでしょ」ってみんなが思ってる中で、今回BULLET CLUBに入ってアクションを起こしたっていうことに関しては、否定はしないですね。

――現状を打開するためにアクションを起こすことが大事ということですね。

海野 ただ、BULLET CLUBに入って『G1』エントリーしたからって簡単に勝てるほど新日本は甘くないよと。それはボクがこの上半期を経て、いかに厳しいものかは体感してますし。それと、じつはゲイブとシングル初対決なんですよね。

――その初対決へ向けて、海野選手から見たゲイブ選手の印象とは?

海野 ザックに負けないぐらいランカシャーレスリングの実力がありましたね。ただ、ヒールになったっていう部分で未知数なところもあるので、一番警戒しなきゃいけないですし、油断禁物だなと思います。

打撃もできるし、力もあるし、技術もあるし、ホントにクセ者ですよね。ただチェーズにも「おまえはBULLETでいいの?」と言いたいです

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――続く第5戦では、7月27日(木)大田区大会の公式戦で、チェーズ・オーエンズ選手と対戦します。

海野 年齢で言ったら若いですよね?

――33歳です。

海野 年齢だけ見たらこれからの選手ですけど、打撃もできるし、力もあるし、技術もあるし、ホントにクセ者ですよね。

――皆さんおっしゃいますよね。

海野 ただチェーズにも「おまえはBULLETでいいの?」と言いたいですね。本人自身もデビッドがBULLETのリーダーになって、そこからクラーク(・コナーズ)とか、ドリラ(・モロニー)とか、アレックス(・コグリン)とかゲイブが入ってきて、合流はしてないわけでいろいろ感じてる部分はあると思うんですよね。

――なるほど。また、この日のチェーズ戦はオープニングマッチということで、この点についてはいかがですか?

海野 オープニングマッチってメインイベントの次に大事な試合だと思うんですけど、『G1 CLIMAX』に限っては結果を求めたいので、「会場を盛り上げたい」っていう気持ちはありますけど、勝ちにこだわった闘いをしたいですね。

おまえ(辻)はただのビッグマウスだよ。グダグダ文句を言ってんだったら「俺を大の字にさせてみろ」と。ただ、俺も意地があるので絶対にそうはさせないですけどね

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――続く第6戦では、8月1日(火)高松大会の公式戦で、辻陽太選手と一騎打ちとなります。

海野 いや~、凱旋試合でインパクトは絶大に残してますし、お客さんも味方につけてるのかなと思いますね。

――レスラーとしてご覧になっていかがですか?

海野 イギリスで一緒だったので、組んだり闘ったりもしてきましたし、もちろんあの時とは違うってことはわかってるんですけど、一つ引っかかったのは「世代交代なんて興味ない」っていうコメントを残してたんですよ。

――6.10幕張大会のバックステージコメントでおっしゃってましたね。

海野 ただ、ボクは“世代交代”って言葉を出してなくて、それは成田が言ってたことであって、そこを一括りにされるのはどうなのかなと。ボクはあくまで「このリング上で“パラダイムシフト”を巻き起こす」っていうことと、「プロレスを盛り上げたい」っていう共通認識があるんだったら「年齢とかキャリアは関係なく、先輩たちも新日本プロレスも引っ張っていきたい」っていう風に言ってるんですよ。

――なるほど。

海野 それって世代交代っていうことではなくて、みんなでプロレスを盛り上げたい。その中で自分が先頭に立って盛り上げたいっていうのを、凱旋以降もずっと口にしてきてますし、そこはちょっと勘違いされているのかなと。

――先ほど、お二人はイギリスで一緒だったとのことでしたが、その後、辻選手はメキシコでルチャも身につけてきました。この点はどのようにご覧になってますか?

海野 ルチャもあって、パワーもあって、スピードもあって、運動神経もいいですし、万能ですよね。こういう若い世代で新日本プロレスを盛り上げるってことはすごく大事なことだと思いますので、“海野vs成田”と同じぐらい“海野vs辻”っていうカードも大切にしなきゃいけないなと思いますね。

――ちなみに、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンに加入したことに関してはいかがですか?

海野 ボクは「そっちを選んだんだ」って感じですね。

――そっちというのは?

海野 じつはボク、イギリスにいる時、辻とギデオン(・グレイ)に裏切られてるんですよ。

――そうだったんですか!?

海野  もともとはギデオンが自分のユニットに「海野と辻を欲しい」って言いだして、ボクは「イヤだ」って断ったんですけど、辻はとある試合に負けてギデオンのユニットに強制加入させられたんですよ。

――そんなことがあったんですね。

海野 それでも、辻は「あのユニットに入りたくない」ってずっと自分と組んでたんですけど、ある日、突然裏切られて、辻がそのユニットに正式加入したんですよ。

――そのユニットというのは?

海野 “THE LEGION”っていうオーカーンが入ってたユニットですね。だから、ボクからしたら、その流れで「UNITED EMPIREに行くのかな」って思ってたので、そういう意味では何を考えてるかわからないですし、“裏切られた”っていう部分でも仲良しこよしにはできないですね。

――この一戦も成田戦同様、新世代のプロレスを見られるという期待感が膨らんでます。

海野 この試合も意地のぶつかり合いですよ。ボクは陽太選手に“噛ませ犬”って呼んでいただいてますので(ニヤリ)。

――辻選手は各選手を独特の言い回しで呼んでますよね。

海野 成田は“柴田の真似事野郎”、清宮さんは“緑の小僧”、ゲイブは“調子に乗ったイギリス人”って呼んでますけど、ボクからすれば「おまえはただのビッグマウスだよ」っていう話ですよ。そんなグダグダ文句を言ってんだったら「俺を大の字にさせてみろ」と。ただ、俺も意地があるので絶対にそうはさせないですけどね。

あんなに身長とパワーがあっても動けるし、ホントに逸材ですよ。あのジェイに勝ってるヒクレオっていうのはそれだけで脅威です

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――そして最終戦では、8月5日(土)大阪大会・ヒクレオ選手と対戦が決まりました。

海野 道場時代からの付き合いなので、いわゆる同期みたいな感じですよね。あんなに身長とパワーがあっても動けるし、ホントに逸材ですよ。

――たしかにパワーがあってスピードもあるっていうのは脅威ですよね。

海野 ただ、ボクはイギリスで丸め込みと言えど、ヒクレオに2回勝ってるんですよ。とはいえ、さっきも言った通り過去の話っていうのはあてにしてないので、ここがボクの一番の山なのかなと。

――ヒクレオ選手のこれまでの活躍ぶりについてはいかがですか?

海野  4か月前ですか。同じ大阪府立で、シングル5冠のベルトコレクターであり元IWGP世界ヘビー級チャンピオン、そして自称“マディソン・スクエア・ガーデンを一人でソールドアウトさせた男”、“ザ・ラスト・ロックンローラ”のジェイ・ホワイトに勝ってますからね。

――そうなんですよ。

海野 ファンの方もヒクレオの脅威とか、ヒクレオの強さとかをまだインプットできてないのかもしれないですけど、実力で言ったらいますぐにでもIWGP世界ヘビー級を巻ける選手ですよ。ボクは海外修行中のシカゴ大会でジェイ・ホワイトにシングルマッチで負けているので、あのジェイに勝ってるヒクレオっていうのはそれだけで脅威です。

――そう聞くと、ヒクレオ選手が今大会の台風の目になりそうですね。

海野 間違いなく台風の目ですよ。なので、仮にヒクレオが1位通過するようなことがあってもボクは何も驚かないですし、それぐらいの実力はあります。

――この一戦はどう攻略しますか?

海野 いまってBULLET CLUBから本隊に来てカラーが変わったので、正直どんな闘いなるのか難しいですし、いまは対ヒクレオっていうのは考えられてないですね。とにかくいまは初戦のことしか頭にないです。

「若い選手でもあるぞ!」っていう基盤を作る意味でも、俺が絶対に優勝して“パラダイムシフト”を巻き起こします!

【新日本プロレスリング株式会社】

――Aブロックについて話を伺ってきましたが、その他ブロックで気になる選手はいらっしゃいますか?

海野 エディ(・キングストン)ですね。去年の『Forbidden Door』でタッグを組んでますし、すごく仲良くさせていただいているので気になる一人ではありますけど、やっぱりオカダさん、オスプレイ、ザックさん、内藤さんには直接負けているのでリベンジしたいですね。

――ではズバリ優勝決定戦で対戦したい相手は?

海野 オカダさんは絶対に勝ち上がると思うので、自分の実力で優勝決定戦まで進んでそこで決着をつけたいです。

――やはりオカダ選手と闘いたいと。今日は長時間インタビューありがとうございました。最後に改めて、初出場となる『G1』へ向けて意気込みをお願いします。

海野 Aブロックは若い世代が揃ってますし、Bブロックは猛者が集ってて、Cブロックはバチバチだし、Dブロックは名のある選手ばっかで、今回は各ブロックにカラーがあるなと。その中でAブロックはまさしく“未来の新日本プロレス”、“未来のプロレス界”だと思うんですよ。

――なるほど。

海野 そこで一個突き抜ける、突き抜けないっていうのは、その選手にとって大きなターニングポイントになると思うので、しっかり結果もインパクトも残したうえで勝ち上がりたいなと。ボクは無難に「オカダ、優勝でしょ」「内藤、優勝でしょ」とか、そういう見られ方がイヤなんですよ。だからこそ、「若い選手でもあるぞ!」っていう基盤を作る意味でも、俺が絶対に優勝して“パラダイムシフト”を巻き起こします!

『ヤマダインフラテクノス Presents G1 CLIMAX 33』

『ヤマダインフラテクノス Presents G1 CLIMAX 33』 
・7月15日(土) 開場15:30 試合開始17:00
北海道・北海道立総合体育センター 北海きたえーる
※「最前列VIPシート」は完売となりました。

・7月16日(日) 開場12:30 試合開始14:00
北海道・北海道立総合体育センター 北海きたえーる
※「最前列VIPシート」は完売となりました。

・7月18日(火)  開場17:00 試合開始18:30
山形・山形市総合スポーツセンター
※「ロイヤルシート(最前列)」は完売となりました。

・7月19日(水) 開場17:00 試合開始18:30
宮城・ゼビオアリーナ仙台
※「ロイヤルシート(最前列)」は完売となりました。

・7月21日(金) 開場17:00 試合開始18:30
新潟・アオーレ長岡
※「ロイヤルシート(最前列)」は完売となりました。

・7月23日(日)  開場16:30 試合開始18:00
長野・ビッグハット
※「ロイヤルシート(最前列)」は完売となりました。

・7月25日(火) 開場17:30 試合開始18:30
東京・後楽園ホール
※「ロイヤルシート(パイプ椅子席)」は完売となりました。

・7月26日(水) 開場17:30 試合開始18:30
東京・後楽園ホール
※「ロイヤルシート(パイプ椅子席)」は完売となりました。

・7月27日(木)  開場17:00 試合開始18:30
東京・大田区総合体育館

・7月30日(日) 開場15:00 試合開始16:00
愛知・愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)

・8月1日(火)  開場17:30 試合開始19:00
香川・高松市総合体育館 第1競技場

・8月2日(水)  開場17:00 試合開始18:30
広島・広島サンプラザホール
※「ロイヤルシート(最前列)」は完売、「ロイヤルシート」は残りわずかとなりました。

・8月5日(土) 開場15:30 試合開始17:00
大阪・大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)
※「ロイヤルシート(最前列)」「ロイヤルシート(2列目以降)」は完売となりました。

・8月6日(日) 開場12:30 試合開始14:00
大阪・大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)
※「ロイヤルシート(最前列)」「ロイヤルシート(2列目以降)」は完売となりました。

・8月8日(火)  開場17:30 試合開始18:30
神奈川・横浜武道館

・8月9日(水)  開場17:30 試合開始18:30
静岡・アクトシティ浜松

・8月10日(木) 開場17:00 試合開始18:30
千葉・船橋市総合体育館(船橋アリーナ)

・8月12日(土) 開場15:30 試合開始17:00
東京・両国国技館
※「砂かぶり席(最前列)」「砂かぶり席(2-4列)」「ボックス席4人用」「ボックス席5人用」は完売となりました。

・8月13日(日) 開場13:00 試合開始15:00
東京・両国国技館 
※「砂かぶり席(最前列)」「砂かぶり席(2-4列)」「2階指定席A」「ボックス席4人用」「ボックス席5人用」は完売となりました。

※発売日程や大会開催日時等は変更となる場合もございます。
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1972年3月6日に創業者のアントニオ猪木が旗揚げ。「キング・オブ・スポーツ」を旗頭にストロングスタイルを掲げ、1980年代-1990年代と一大ブームを巻き起こして、数多くの名選手を輩出した。2010年代以降は、棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカらの台頭で再び隆盛を迎えて、現在は日本だけでなく海外からも多くのファンの支持を集めている。

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