3年前の感動をもう一度! 迷いの消えた渡邉彩香が3位タイ発進!

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【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

アース・モンダミンカップ カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)第1日

 20年の今大会で5年ぶりのツアー優勝を飾った渡邉彩香。目を閉じれば、今でもあのときの光景が思い浮かぶと言う。「自分の中では大きな優勝でしたし、どんな調子で会場に来ても、テンションが上がります」。できれば本調子で臨みたいところだったが、今季は開幕戦こそ6位タイとまずまずのスタートを切ったものの、その後は10位タイが1度あるだけで、思うような結果を残せずにいた。その理由は自分のスイングに対する迷いだ。

 昨年から坂詰和久コーチに師事し、スイング改造に取り組んだ渡邉。以前は手首のコックを使ってクラブを上げていたが、それだと方向性に難があるため、体の回転でバックスイングを行うように変えた。「体の前に常に両手があるイメージです」と説明するが、方向性が良くなっただけでなく、思わぬ副産物もあった。体をしっかりと捻転できる分、パワーを貯めることができ、飛距離がアップしたのだ。

 持ち球も昨年までは軽く右に曲がるフェードボールだったが、スイング改造後はほぼストレートに近いフェードボールに変わったという。それが幸いしてか、シーズン序盤はドライビングディスタンス1位の座をキープしていた。ところが、1ヶ月ほど前から思うようなスイングができなくなった。

「スタンスをオープンからスクエアに変えたこともありますが、ホールによってはどうしても構えにくいロケーションがあって、アドレスにズレが生じてしまうんです」
 自分では目標に対して真っ直ぐ構えているつもりでも、知らず知らずのうちに目標の左を向いてしまう。当然、ボールを狙ったところへ打ち出すことができず、フェアウェイをとらえることができない回数も増えた。

「前のスイングの方が良かったのかも……」。「いや、新しいスイングをしっかり身につけるべき」という葛藤が心に生まれる。ツアープロである以上、結果が全てであり、結果が出なければ何らかの手段を打たなければならない。坂詰コーチ、川口淳キャディらと何度もミーティングを重ねたが、迷いは大きくなるばかり。しかし、今週になってようやく新スイングを選択することを決意。自分に合っていると信じた新スイングともう一度真剣に取り組むことにした。

 もちろん、決意したからといって、いきなり構えた時に違和感や迷いが消えるわけではない。それでも、この日はとにかくスタンスをスクエアに構えることを徹底し、新スイングに集中した。結果的にフェアウェイをキープしたのは14回中わずかに5回だったが、最後までやり切れたことに満足感があった。久々の5アンダーをマークしたことよりもそのことのほうが嬉しかったのだ。残り3日間もいい意味での緊張感をキープできれば、思い出のコースに新たなページを加えることができるかもしれない。(山西 英希)

【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

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