【柏レイソル】問われる選手の自主性と責任「2023Reysol Report Vol.10」
チャレンジに伴う責任
公式戦3試合を戦い、1分2敗と結果が出ていないことは真摯に受け止める必要はあるが、裏を返せば、限られた準備期間内で早くも変化の兆しは見え始めている。
井原新監督は選手たちにアグレッシブな姿勢を求める 【©️KASHIWA REYSOL】
この監督のアプローチによって、選手一人ひとりがボールを受けることを怖がらず、味方のボールホルダーに対して積極的に顔を出すようになった。パスコースを作る動きの少なかった以前と比べれば、これだけでも大きな変化である。
ルヴァンカップのアントラーズ戦にスタメン出場した中村慶太は「ボールを受けにいかない方がミス。もし受けてミスをしても、そこから切り替えればいいと、みんなが積極的にボールを引き出すようになった」と振り返った。
ボランチを務める中村、椎橋慧也、あるいは高嶺朋樹や戸嶋祥郎がポジションを取り、センターバックからパスを引き出すアクションを起こせば、当然相手はそこにプレッシャーに来る。その場合、相手の中盤の選手が食いついた背後にはスペースが生じやすい。今度はそのスペースにレイソルの二列目や前線の選手がスッと入って、最終ラインから直接彼らに付ける縦パスが増えた。
今季、札幌から加入した高嶺朋樹。左足のパスにビルドアップの成否が大きく関わる 【©️KASHIWA REYSOL】
「ボールを受けたときの選択肢が増えて、みんなが立ち位置を取ってくれることで、見えてくるパスラインが増えました。今まで以上に奥に飛ばすボール、クサビを入れるボールを増やしていける自覚はあります。もっともっとその本数を増やしていければいいと思います」
成長著しいプロ2年目の土屋巧もまた、「スイッチを入れる縦パスを増やしていこうと思います。高校のときは、相手のボランチが空ける背後のスペースを常に見ていたので、その部分をどんどん出していきたい」と今後に向けての意気込みを語った。
5/28川崎戦で途中起用された土屋巧。その正確なキックに井原監督も期待を寄せる 【©️KASHIWA REYSOL】
山形から加入の山田康太。ボールの扱いに長けたアタッカーだ 【©️KASHIWA REYSOL】
トライできる環境になったからこそ、今まで以上に責任が問われることを、選手は忘れないでほしい。
【文】柏レイソルオフィシャルライター:鈴木潤
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