川岸史果が調整力で5位浮上 復活へ「実は体重を戻しました」

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【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

RKB×三井松島レディス 福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県)第2日

 復活への足音が力強い。18位タイからスタートした川岸史果が5バーディー、1ボギーの68をマークし、5位タイに浮上した。

 「今日はウエッジの距離感がよくて、80-110ヤードの距離から普段より多くのチャンスをつくれました。そこがスコアを伸ばせたポイントかな」と満面に笑みが広がった。スタートの1番パー5で、109ヤードの第3打を48度で打ち、ピン横1.5メートルにピタリと付けてバーディー。14番パー4でも116ヤードの第2打を同じく48度で3.5メートルに寄せ、バーディーパットも決めた。

 昨季メルセデス・ランキング45位で4シーズンぶりにシード権を奪取し、さらに今季は前週終了時点で同15位と躍進している。「春先に比較的稼げているかな、と思いますね。今季はティーショットに不安がほとんどありません。フェアウェイにボールを置けることが多いので、そのお陰で第2打もピンにスジっている(真っ直ぐ向かっている)ショットが増えていると思います」とうなずく。確かに、フェアウェイキープ率は昨季の55.2737%(JLPGAツアー91位)から、前週終了時点で今季62.1429%(同64位)に大幅アップしている。

 ドライバー好調の要因については「長年ゴルフをやってきたので、自分のスイングの悪い癖はわかっていて、今季はコース内で修正できています。テンポが速くなったり、ずれたりしていることにも、早めに気付けるようになってきました」と説明してくれた。長いキャリアの中で培った「調整力」が、好調の秘訣というわけだ。

 2016年7月のプロテストに21歳で合格すると、翌17年のマンシングウェアレディース東海クラシックで優勝。同年の賞金ランキングで7位となり、一気にスターダムにのし上がるかと思われたが、その後不振にあえいだ。昨季は一念発起、5キロの減量を含む肉体改造を敢行して臨み、シード権奪回を果たした。

 「実は、減量して体が軽くなったのはいいのですが、昨年の夏場、私本来の球筋ではなくなってしまいました。風に弱くなってしまったりして、体のコンディションはいいのに成績が出ない大会が続きました」と振り返る。そこで「体重を2-3キロ戻しました。今季は落とさず増やさず、体重もゴルフ同様、75-6キロで安定しています」と明かした。これも「調整力」の内だろう。

 6年ぶりの優勝も近いのでは? そう聞くと「いやいやいやいや」と照れたが、「明日はパッティング勝負になると思います。第1日は16番と17番が連続スリーパットという情けない上がり方でしたが、今日のパッティングはよく入ってくれた。そのあたりがポイントになる気がします」と冷静に展開を読む。不振の時を乗り越え、ゴルフ人生の視界が開けてきた。(宮脇 廣久)
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