【物語りVol.28】1月度定例会見レポート「唯一無二」への飽くなきチャレンジ

東芝ブレイブルーパス東京
チーム・協会

【東芝ブレイブルーパス東京】

東芝ブレイブルーパス東京では、ファンの皆さまにクラブのことをより知っていただくために、今シーズンからライターの戸塚啓さんにご協力いただき、選手・スタッフ一人ひとりの「物語り」を発信しています。
※スポナビでは毎日朝7時と夕方17時に更新します
※本記事は、1月6日に実施された定例会見での内容を掲載しています。

■ホストゲーム開幕戦「5518人」の意味

 1月6日、東芝ブレイブルーパス東京は定例記者会見を開きました。
最初に荒岡義和代表取締役社長から、12月24日のホストゲーム開幕戦のレビューがありました。クラブはゲームを事業性のあるものとするために、「1万2千人」の動員を目ざすべき数字として掲げました。昨シーズンの平均来場者数はおよそ4300人でしたので、かなり野心的な目標設定と言っていいはずです。
結果はと言うと、リコーブラックラムズ東京を味の素スタジアムに迎えたNTTリーグワン2022-23第2節の試合は、5518人の観衆を集めました。目標のおよそ半分にとどまった数字について、荒岡社長が説明します。
「クリスマスイブ当日ということで、時期も関連していたかもしれませんが、もう少し検証が必要です。ただ、今回の数字は昨シーズン、同じ味の素スタジアムで中止になった同じ組み合わせのゲームの前売り券の売れ行き比で、1・8倍の数字です」
 昨シーズンのホストゲームでは、5月の東京サンゴリアス戦で1万人を超えました。それに続くものが、4月のNTTドコモレッドハリケーンズ大阪戦の5545人になります。
「ただ、昨シーズンは周知をしていただくために、かなりの方を招待していました。今年は無料招待を原則としてやらない方向でやっています。我々の活動の方向は間違っていないけれど、目標に大きく届かなかったのは反省です」
 NTTリーグワン2022-23 ディビジョン1の第2節6試合で、5518人の観衆は3番目に多い数字です。荒岡社長が話すように、クラブの取り組みは観客動員につながっていると言えるはずです。今後も「世界有数のユニークなラグビークラブを目ざす」との方針に沿いながら、集客に努めていくのでしょう。

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■「RGSシステム」の活用方法にも今後はさらなる工夫が

 12月の定例記者会見で発表された「リアル・グラウンド・サウンドシステム(以下、RGSシステム)についても、荒岡社長からレビューがありました。ラグビー本来の魅力を伝えたいという思いから取り入れられたRGSシステムは、両チームの選手たちがぶつかり合う激しい衝撃音はもちろん、選手同士の生々しいやり取りなどをスタンドへ届けました。
メインスタンドで体感したという荒岡社長も、「選手がぶつかる音だけでなく、声も聞こえました。スピーカーの音量や聞こえかたにバラつきがあるなどの課題はありますが、それは少しずつ解決していきます」と一定の評価を与えました。
 1月7日に等々力陸上競技場で行なわれるホストゲームでは、「最初はRGSシステムを使わず、ある時間から活用する、といった体験をしてもらいます」と荒岡社長は説明しました。それによって、RGSシステムの効果を、ブレイバーのみなさんに改めて実感してもらえることでしょう。
 等々力陸上競技場のある川崎市、川崎市ラグビーフットボール協会とは、昨年11月にフレンドリーエリア協定を締結しています。これにより、等々力陸上競技場が初めてリーグワンのゲームの舞台となりました。トップリーグ当時へさかのぼっても、国内最高峰のリーグ戦が開催されるのは初めてとのことです。
 SNSで話題の新商品も、荒岡社長から紹介されました。チームスピリット『猛勇狼士』を一文字ずつデザインしたTシャツが、1月7日のホストゲームよりスタジアム限定で販売されています。
 「猛」、「勇」、「狼」、「士」と一文字ずつ入ったデザインは、三上正貴選手によるものです。
 お好きな文字を選ぶか。
 4枚セットで揃えるか。
 ブレイバーのみなさんは、どちらがお好みでしょうか。

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■24年シーズンにふたりのビッグネームが加入!

 荒岡社長に続いて、薫田真広GMがリーグワン1、2節をレビューしました。
「開幕節と2節を終えて、やはりシーズン序盤はどのチームも調整が難しい印象です。ただ、各チームの精度が上がっていて、昨年以上にプレーオフ進出へ向けて終盤戦は混戦になるのでは。ボーナスポイントの取りかたが、非常に重要になるだろうなと感じています」
 2023年最初の試合となる1月7日の静岡ブルーレヴズ戦へ向けては、バーガー・オーデンダール選手の名前をあげました。11月の定例記者会見で加入が発表された選手で、「バーガー・オーデンダールとセタ・タマニンバルの両センターは非常にサイズがあり、どれだけチームに勢いを作れるか」を、薫田GMは試合の注目ポイントとしました。
また、リザーブのひとりに名を連ねたタウファ・ラトゥ選手は、初のメンバー入りとなります。18番を着けます。
「白鳳大学から加入した選手で、昨年3月はまだテスト生でポジションはセンターでしたが、この1年間でフロントローの経験を積んで、今回初めて東芝のジャージ、キャップを取ると。そこまで成長した選手です。静岡さんはスクラムにこだわりのあるチームですので、その相手に対して彼がどこまで成長できたのか、個人的にも楽しみにしています」と、薫田GMは話しました。
 昨年末に発表された23-24シーズンの新加入選手にも触れました。リッチー・モウンガ選手、シャノン・フリゼル選手で、どちらも現役のニュージーランド代表です。
 薫田GMはアンドリュー・マコーミック、スコット・マクラウド、デイビット・ヒル、スティーブン・ベイツ、リチャード・カフィら、かつて在籍したニュージーランド出身選手をあげ、モウンガ選手への期待を口にします。
「マコーミックらは6年以上東芝に在籍し、レガシーを残してくれました。プレーだけでなくリーダーシップとレガシーを残してもらいたい、そんな気持ちで今回の契約に至っています。(今秋の)W杯以降の合流となりますが、非常に楽しみにしている。最初の契約は複数年ですが、更新、更新と長くプレーしてくれたらと思います」

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■「自分ができるすべてのことを捧げる」とモウンガ選手

 ここで、モウンガ選手が記者会見場に登場しました。フリゼル選手はスケジュールの都合により、今回は来日しませんでした。
モウンガ選手には荒岡社長からジャージが手渡され、ツーショットでのフォトセッションが行なわれました。さらに実際にジャージに袖を通し、ワンショットでもファインダーの前に立ちました。
 マイクを握ったモウンガ選手は、熱い思いを明かしていきます。
「コンニチハ。まず初めにありがとうと伝えたい。2024年にこの府中を、我が家と呼びながらプレーできるチャンスをいただけたことに感謝したいです。今回は自分の未来の家、クラブハウスを見て、選手、スタッフに挨拶をするために来日しました」
 日本に来ることは「つねに夢でした」と話します。
「数年前から海外でプレーしたいと思っていました。そのなかで日本に決めたのは素晴らしい国であり、素晴らしい人々、素晴らしい景色、素晴らしい文化に惹かれたからです。ふたりの子どもと妻にとっても、いま一番いい判断だと思います。自分ができることのすべてを、東芝ブレイブルーパス東京に捧げます」
 複数の選択肢があったなかで、東芝ブレイブルーパス東京を選んだとのことです。その理由は何だったのでしょう。
「ブレイブルーパスはこれまでも成功を収め、誇れるべき歴史を持ったクラブだということを知っています。ここ数年、競争力が上がってきていることも把握しています。それから、私の出身地であるクライストチャーチから多くの選手が来ていることも、ここに決めた理由のひとつです」
 多くの期待を背負っての入団となることは、モウンガ選手も自覚しています。スタンドオフとしての役割を問われると、目元が自然と鋭くなりました。
「当然のことですが、フィールド上では成功をもたらしたい。試合に勝つだけでなく、ブレイブルーパスらしいスタイルで勝つ。ブレイブルーパスのアタックのスタイルを見ても、自分は重要な役割を担う、チームを動かしていくことになると感じています。ただ、自分がすべてを変えるのではなく、どういうプレーをしているのかを学んで、自分の知識をどこで有効に活用できるのかを考えていきます」
同時加入となるフリゼル選手は、「ピッチ外でも交流のある存在」と笑みを浮かべます。ともに1994年生まれの親友とは、東芝ブレイブルーパス東京についても話をするそうです。
「彼がこのクラブに来ることを、とてもうれしく思います。彼のプレースタイルはこのクラブにフィットするでしょうし、ともにプレーすることがとても楽しみです」
 真のプロフェッショナルであるモウンガ選手は、観衆の視線も意識しています。「どんなプレーを見せていきたいか」との質問には、迷いのない口調でこう答えました。
「観客のみなさんには、情熱の部分と自分たちが楽しんでプレーしているところを見てもらいたいですね。あとは知的なスマートなラグビーを見てもらいたい。ブレイブルーパスのプレーを見た時に、これからも勝てるんだという信念を感じてもらえるようにして、次の試合、その次の試合にも、足を運んでもらえるようにしたいですね」

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 定例記者会見が行なわれた翌7日、モウンガ選手は静岡戦が行なわれた等々力陸上競技場を訪れました。29対16で勝利をつかんだ試合後、ピッチ上で観衆にあいさつをしました。
「みなさんの前に立つことができて、非常に光栄です。この機会を与えてくれたことに感謝します。来シーズンに向けてしっかり準備をしながら、(合流するまでは)ブレイブルーパスを応援していきます。アリガトウ」
 あいさつを終えたモウンガ選手には、ブレイバーのみなさんから大きな拍手が送られました。
 チームは目前の勝利を全力で目ざし、フロントは魅力ある舞台を作り上げるために努力を重ねる。さらに、未来を見据えてビッグネームを獲得する。それらすべては、「世界有数のユニークなラグビークラブを目ざす」という方針に基づいたものでしょう。唯一無二の存在となるべく、東芝ブレイブルーパス東京の飽くなきチャレンジは続きます。

(文中敬称略)
(ライター:戸塚啓)

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著者プロフィール

東芝ブレイブルーパス東京はジャパンラグビーリーグワン(Division1)に所属するラグビークラブです。日本代表のリーチマイケル選手や德永祥尭選手が在籍し日本ラグビーの強化に直接つなげることと同時に、東京都、府中市、調布市、三鷹市をホストエリアとして活動し、地域と共に歩み社会へ貢献し、日本ラグビーの更なる発展、価値向上に寄与して参ります。

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