スプリングSの穴馬は芝2000m実績馬から探そう!
【2023/1/22 中山 9R 若竹賞 1着 2番 パクスオトマニカ (Photo by JRA)】
過去10年のスプリングS好走馬
■表1 【過去10年のスプリングS好走馬】
このように前評判を覆してスプリングSで好走した馬、具体的には【人気-着順=3以上】の好走馬を調べたところ、30頭中13頭が該当した。2014年以外は1頭以上が馬券に絡んでおり、22年はビーアストニッシドが5番人気で1着、サトノヘリオスが6番人気で3着と2頭が好走した。配当的なことを考えても、こうしたタイプを拾えるかどうかが馬券攻略の大きな鍵になりそうだ。
この13頭の実績を調べたところ、芝2000mの実績が重要であることに気づく。例えば、キタサンブラックは500万(現1勝)クラスの東京芝2000mを2着に0.5秒の差をつけて勝っていた。マイネルハニーはフリージア賞(東京芝2000m)を2着に0.7秒差をつけて勝ち、なおかつ上がり3ハロンがメンバー中1位という凄いパフォーマンスだった。マウントロブソンは未勝利(中山芝2000m)→あすなろ賞を連勝。その他、マイネルファンロン、ディキシーナイト、ガロアクリーク、アサマノイタズラが芝2000mのレースで、上がり3ハロン1位をマークするか、2着に大きな着差をつけるなど特徴的な勝ち方をしていた。そして、ビーアストニッシドはラジオNIKKEI杯京都2歳S(阪神芝2000m)で2着と好走した実績があった。
ただ、ビーアストニッシドのようなパターンはめずらしく、基本的に重賞で好走実績がある馬は有力視されて人気になりやすい。近年ではヴェルトライゼンデ(前走ホープフルS2着)、ヴィクティファルス(前走共同通信杯2着)、アライバル(2走前に新潟2歳S2着)が上位人気に支持されて好走している。配当的な妙味は薄いが、実績上位の人気馬を軽視するわけにはいかない。
今年のスプリングS出走予定馬
■表2 【今年のスプリングS出走予定馬】
芝2000mで勝ち星を挙げていたのは、アイスグリーン、シーウィザード、セブンマジシャン、ハウゼ、パクスオトマニカ、ホウオウビスケッツの6頭。この中でセブンマジシャンは京成杯3着の実績があるので、その分上位人気に支持される可能性が高そうだ。有力馬の1頭ではあるが、配当的な妙味は薄く、穴馬とは言えない。シーウィザードは芙蓉S1着の後、ホープフルS9着、京成杯7着と中山の重賞で続けて負けている点がどうか。過去のスプリングS好走馬のタイプにはあまり合致しない印象だ。
一方、新潟芝2000mの未勝利で2着に0.8秒差もの差をつけて勝っているパクスオトマニカは楽しみな存在。前走は若竹賞を逃げ切って2勝目をマーク。中山芝1800mのレースながら、17年ウインブライトが若竹賞→スプリングSと連勝を果たしているのも大きい。
ハウゼは中山芝2000mの未勝利を2着に0.5秒差をつけて勝利。前走の水仙賞(1着)はガロアクリークやアサマノイタズラも使っていたレースで、ステップとしても好感触だ。ホウオウビスケッツの前走フリージア賞や、アイスグリーンの前走あすなろ賞もそれぞれマイナルハニー、エポカドーロが勝っていたレースであり、スプリングSで実績があるローテーションだ。
レース当日のオッズ次第にはなるが、アイスグリーン、ハウゼ、パクスオトマニカ、ホウオウビスケッツの4頭からいい馬券になりそうな馬を選んでみたい。過去の例から3頭は厳しくても2頭が馬券に絡む可能性は十分あるだろう。
あとはデイリー杯2歳Sを勝っているオールパルフェが実績上位。人気が上位になるかはわからないが、軽視はできないだろう。
文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ