【湘南スペシャルプレビュー】好発進にも安堵なし。目標に向け、開幕連勝を期す
【(C)SHONAN BELLMARE】
アウェイに臨んだ今季開幕戦、湘南ベルマーレはサガン鳥栖と戦い、5対1の快勝を収めた。
早々にゲームは動いた。3分、杉岡大暉のインターセプトを契機に大橋祐紀が先制弾をねじ込むと、36分にはふたたび大橋が、前半アディショナルタイムには平岡大陽がそれぞれ続いた。
後半に入っても攻勢は止まらない。大橋がこの日3点目を沈め、さらにセットプレーから小野瀬康介が鮮やかに仕留めて勝負を決めた。
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「90分を通して自分たちがやらなければいけないこと、準備してきたこと、できることを徹底した結果。課題であった得点に対してもみんなの意識とそこにかけるパワーが感じられたし、フィニッシュの質に繋がった。自分たちができることをやって掴み取った勝利だと思います」
昨季終盤をあらためて思う。
コンパクトな距離感のもと、指揮官の言う「繋がり」は密度を増し、攻守に相手を凌駕して、あわせて結果も手繰り寄せた。
4勝4分9敗と大きく負け越した前半戦に対し、6勝7分4敗と勝ち越した後半戦の戦績が示す通り、彼らは着実に成長を遂げていた。12位に終わりこそすれ、もう1クールあったなら――そう思う向きも多かったのではないか。
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先月の鹿児島キャンプを含め、ディテールを追求し、選手同士コミュニケーションを深めて、練習試合でも順調に結果を残したと聞く。強度と質を掛け合わせた開幕戦の戦いには、彼らの日々がたしかに息づいていた。
もちろんすべてが手放しの勝利ではない。前半終了間際にはサイドを崩され失点し、またVARに救われたもののセットプレーから2度ゴールネットを揺らされもした。
副キャプテンの杉岡は言う。
「去年の良いときの堅さがまだない。勝って気付けたのはいいこと。もっともっと堅さをもってやっていきたい」
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1年でJ1復帰を果たした彼らは前節、名古屋グランパスと対戦し、0対1と惜敗した。ただ、ポゼッションを高めて相手を押し込み、相手の倍以上となる14本のシュートを記すなど、敗れこそすれポジティブな要素は少なくない。
立ち上がりまもない失点もゲームが難しくなった一因と言えるだろう。なにより結果が欲しい今節に違いない。
対して、初陣を飾ったベルマーレにも安堵はない。
「良い形で勝ちましたが、これを続けていかなければ意味がない。また練習からいい緊張感をもって、しっかりいい競争をして臨みたい」前節アンカーで先発した永木亮太が引き締めれば、古巣との対戦となる小野瀬も、「また1週間しっかりいい準備をするだけ。ホームで戦えるのでサポーターの力も借りつつ勝って波に乗りたい」と今節を見据えた。
昨季は届かなかった5位以上に向け、いかにスタートダッシュが大切か、彼らは皆わかっている。
TEXT 隈元大吾
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