<重賞レース分析>雲取賞は、負担重量や臨戦過程に注目!

東京シティ競馬
チーム・協会

【第4回優勝馬:シャルフジン号 】

2月23日(木祝)に東京シティ競馬(大井競馬場)で第5回雲取賞(SIII)が実施される。
2019年に準重賞から重賞に格上げされたことでTCKで行う年明け最初の3歳重賞となり、雲取賞→京浜盃→南関東3歳クラシック三冠レース(通称“トリプルクラウン”)と続く路線が確立された。
来年からは新たな「3歳ダート三冠競走」がスタートし、雲取賞もその前哨戦として実施されることが決定している。“最後のトリプルクラウン”に向けた南関東所属馬による熱き戦いに注目だ。
ここでは準重賞として施行された2013〜2018年を含む雲取賞10年の結果から、レースの傾向を分析する。


<レース情報>
第5回雲取賞(SIII)
日程:2023年2月23日(木祝) 16:35発走
距離:1,800m

第4回優勝馬:シャルフジン号 【東京シティ競馬】

■5番人気以下の馬も侮れない

【単勝人気順別成績】(過去10年) 【東京シティ競馬】

単勝人気順別成績を見ると、4番人気以内の馬は[8-8-6-18](3着内率55.0%)、5〜9番人気の馬は[2-2-2-44](3着内率12.0%)、10番人気以下の馬は[0-0-2-35](3着内率5.4%)となっている。基本的には上位人気馬が強く、単勝10番人気以下の馬は連対例がないものの、単勝5〜9番人気の馬が上位に食い込んだ例はそれほど珍しくない。

■「浦和」「船橋」所属馬の活躍が目立つ

【所属別成績】(過去10年) 【東京シティ競馬】

 所属別成績を見ると、「浦和」の馬は[2-3-0-11](3着内率31.3%)、「船橋」の馬は[5-3-5-29](3着内率31.0%)、「大井」の馬は[1-2-4-37](3着内率15.9%)、「川崎」の馬は[2-2-1-20](3着内率20.0%)となっている。3着内率が優秀な「浦和」所属馬や「船橋」所属馬を重視するべきだろう。

■負担重量の重い馬ほど堅実

【負担重量別成績】(過去10年) 【東京シティ競馬】

負担重量別成績を見ると、56.0kg未満の馬は[1-0-1-27](3着内率6.9%)、「56.0kg」の馬は[4-4-3-51](3着内率17.7%)、56.0kg超の馬は[5-6-6-19](3着内率47.2%)となっている。
なお、重賞として施行されるようになった平成31年以降の過去4年に限ると、56.0kg未満の馬は[0-0-1-21](3着内率4.5%)、「56.0kg」の馬は[2-1-0-16](3着内率15.8%)、56.0kg超の馬は[2-3-3-5](3着内率61.5%)である。番組賞金などに応じた負担重量を課される別定競走だが、重い負担重量を課された馬は高く評価した方が良さそうだ。

■前走の距離が明暗を分けそう

【前走の距離別成績】(過去10年) 【東京シティ競馬】

前走の距離別成績を見ると、1,400m以下の馬は[0-0-0-16](3着内率0.0%)、1,400m超の馬は[10-10-10-81](3着内率27.0%)となっている。
ちなみに、重賞として施行されるようになった平成31年以降の過去4年、かつ前走が「ニューイヤーカップ」「全日本2歳優駿」以外のレースだった馬に限ると、1,600m以下の馬は[1-0-1-23](3着内率8.0%)、1,600m超の馬は[1-0-2-7](3着内率30.0%)である。近年の傾向を重視するならば、前走が1,400m以下のレースだった馬だけでなく、「ニューイヤーカップ」と「全日本2歳優駿」を除く1,500〜1,600mのレースだった馬も評価を下げたい。

■前走の人気も重要なポイント

【前走の単勝人気順別成績】(過去10年) 【東京シティ競馬】

前走の単勝人気順別成績を見ると、6番人気以内の馬は[9-9-10-67](3着内率29.5%)、7番人気以下の馬は[1-1-0-30](3着内率6.3%)となっている。
なお、平成29年以降の過去6年に限ると、6番人気以内の馬は[6-6-6-40](3着内率31.0%)、7番人気以下の馬は[0-0-0-23](3着内率0.0%)である。前走で上位人気に推されていなかった馬は、過信禁物と見るべきだろう。

■近年は前走で先行していた馬が優勢

【前走の最終コーナー通過順別成績】(過去10年) 【東京シティ競馬】

前走の最終コーナー通過順別成績を見ると、5番手以内の馬は[8-5-8-58](3着内率26.6%)、6番手以下の馬は[2-5-2-39](3着内率18.8%)となっている。ただし、重賞として施行されるようになった平成31年以降の過去4年に限ると、5番手以内の馬は[4-2-4-24](3着内率29.4%)、6番手以下の馬は[0-2-0-18](3着内率10.0%)である。近年の傾向を重視するならば、前走の位置取りもチェックしておきたいところだ。


TCKホームページではより詳しいデータを公開している。

<伊吹雅也>
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著者プロフィール

東京都心部(品川区)にある大井競馬場は「東京シティ競馬(TCK)」の愛称で1950年の開場以来、都心のレジャースポットとして長年にわたり親しまれています。1986年に日本で初めて実施したナイター競馬「トゥインクルレース」は、東京のみならず、インターネット投票や無料のライブ中継などにより日本全国のナイトライフのレジャーとして受け入れられています。2011年に東京大賞典の国際GⅠ格付けを取得、2021年に世界唯一となる左右両回りコースを導入するなど強い馬づくりのために様々な先進的取組みを展開しております。

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