【FC東京】2026年W杯は俺の大会だ! 松木玖生の飽くなき向上心。“東京の情熱”とともに2026年大会をめざす

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1年目に積み上げた地道な日々

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いよいよ物語の第二幕が上がる。

松木玖生は青森山田高校で高校サッカー界のタイトルを総なめにし、勇躍乗り込んだプロの舞台だった。そのルーキーイヤーの昨シーズンは、エネルギッシュなプレーで、いきなり開幕スタメンを射止めてそのまま主力に定着。最終的にはJ1リーグ32試合に出場し、2得点を挙げた。

そうした華々しいデビューを飾った裏で、彼が積み上げてきたのは地道な日々だった。全体練習後には“止める・蹴る”の基礎を年間通して続け、疑問に思うことがあれば先輩や、コーチにぶつける。そこにあるのは、飽くなき向上心だった。

昨季最終節のことだ。昨夏に栃木SCに活躍の場を求めた高萩洋次郎がその試合を観戦に訪れていた。試合後、仲間たちと談笑する高萩の姿を見つけた松木は「オレのプレーどうでしたか」とアドバイスを求めてきたという。高萩は「オレに聞くなよ」と、少し戸惑いながらも「上から見ていたのでああじゃない、こうじゃないと話はした。玖生のそういう向上心はすごいと思った」と、口にしていた。

長友佑都からの学び

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感度の高い選手だからこそ、学びや、気づきの連続だったはずだ。プロ入り前から「話を聞いてみたい」と語っていた、長友佑都を身近に感じながら過ごしたことは「大きかった」と言い、こう続ける。

「端から見てもすごい方。それを間近に見られた1年は自分にとっては大きい。意識の高さをプレー中も、プレー以外のところも学ばせていただいた価値ある1年だった」

そうした充実の1年を経て「チームも個人としても、この1年で成長した。目に見える結果は残せていないけど、今シーズンの重要さがどれだけ自分の身に染みて感じることができたかというと、すごくいいモノがあった」と、言葉にする。

そのギラギラは少しも収まることを知らない。プロ2年目の今シーズンもチーム始動直後から「後輩もできていろいろ教えていかないといけない。今まで引っ張ってくれた先輩方が各々違うクラブにいったので昨シーズンに出場機会の多かった自分がチームを引っ張っていけたらと思う。新加入選手よりもギラギラしたコンディションや、気持ちでいたい」と、吐き出していた。

そうした意気込みで臨んだ、開幕前のキャンプでは風格すら漂い始めた。1年前の自分を思わす鼻息荒い後輩たちの先頭に立ち、「オレについてこい」とチームをもり立ててきた。その背中には今シーズンから7番を背負う。

「若い番号を着けることで責任感も生まれる。一桁を任されるということは、中心選手でなきゃいけないという自覚も持つから。そうしたことが自分の刺激にもなっている。(青森)山田の時も7番を着けて調子が良かったので、僕自身7番を希望した。7番の重圧を考えすぎるとうまくいかないから自分なりの番号にしていきたい」

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自身への期待値「もう上がりまくってます」

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成長の歩みは止まらない。昨シーズン途中からセットプレーのキッカーを任され、佐藤由紀彦コーチと二人三脚で居残り練習にも取り組んできた。その成果はハッキリと出始めている。新たなチームの飛び道具としても今シーズン注目を集めるかもしれない。

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上しか見ていないようで、足元をしっかりと見つめられる。だから、右肩上がりの成長曲線を描けるのだろう。アルベル監督も「遅かれ早かれ日本代表に呼ばれることになるだろう」と、賛辞を惜しまない。

向上心の塊は、変わらず自らに言い聞かせるようにこう言った。

「やっぱり負けたくないですし、東京をより良いチームにしていくために個人のレベルアップが必要だと思っている。自分もそこに貢献できるようにしたい。勝負のメンタリティーを崩さず、しっかりと日々を過ごしていきたい」

そして、今シーズンのチームや、自身への期待値を聞かれると、「もう上がりまくってます」と言って笑った。

長友から「玖生とは次のW杯に一緒に行くって約束したからな? 玖生は間違いないから、あとは俺次第だな?」と声を掛けられると、ふたつ返事で「ハイ。一緒に行きましょう」と返した。

東京に、Jリーグに、次なる日本代表に火をつけるのは、こういう男なのかもしれない。

Text by 馬場康平(フリーライター)

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著者プロフィール

FC東京は、「東京都」全域をホームタウンとする、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に所属するプロサッカークラブ。

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