【PREVIEW 2023アルペンスキー世界選手権】日本アルペンを支える3選手の奮闘に期待!

チーム・協会

【写真:ロイター/アフロ】

 今シーズンは2年に一度のスキー&スノーボード競技の最高峰、FIS(国際スキー・スノーボード連盟)世界選手権が開催されます。ノルディックスキーはプラニッツァ(スロヴェニア)、アルペンスキーはクーシュベル/メリベル(フランス)、フリースタイル&スノーボードはバクリアニ(ジョージア)が舞台。各大会の見どころを、SNOW JAPANの選手たちを中心にお届けします。

※SNOW JAPAN=全日本スキー連盟(SAJ)が統括するスキー・スノーボード競技の選手たちの総称

すでに開幕! スキー・スノーボード競技のなかでも最大規模を誇るアルペンスキー世界選手権

 アルペンスキー世界選手権はすでに2月7日から競技がスタートしています。舞台となるのはフランスの高級リゾート地として名高いクーシュベル/メリベル。FISワールドカップの開催地としても定番の会場で、世界最高峰の戦いの火ぶたがすでに切って落とされています。アルペンスキーはFISが統括するスキー・スノーボード競技のなかで、その観客数や人気のどれをとっても最大の規模を誇り、世界でも有数のスポーツイベントとして知られています。
 大会は前半にアルペンコンバインド、スーパーG、ダウンヒルといった高速系種目が行われ、後半はパラレルやジャイアントスラローム(GS)、スラロームといった技術系種目が予定されています。すでに男女それぞれのアルペンコンバインド(スーパーGとスラロームの複合種目)が行われ、男子はアルペン界随一のオールラウンダーとして名高いアレクシス・パンテュロー(フランス)、女子はフェデリカ・ブリニョーネ(イタリア)が金メダルに輝いています。続いて行われるスーパーGやダウンヒルといった高速系種目のスピードと迫力は、一見の価値あり。ぜひテレビなどの中継をとおして、日本選手が出場しない競技の魅力にも触れていただければと思います。

日本チームからは3選手が出場。上位進出の可能性を探る

 さて、日本チームは高速系種目には出場せず、大会後半の技術系種目からの出場になる予定です。代表に選ばれたのは小山陽平選手(ベネフィット・ワンスキークラブ)、加藤聖五選手(野沢温泉SC)、安藤麻選手(日清医療食品)の3選手。いずれも現在の日本アルペンチームを代表するトップランカーたちです。

スラロームを得意とする小山陽平選手。昨季の北京五輪に続くビッグイベント出場になる 【写真:ロイター/アフロ】

 小山選手は昨シーズン、北京オリンピックにも出場。男子スラロームに出場し1本目途中棄権で終えましたが、ビッグイベントの経験を積んだことで、より頼りがいのある日本アルペン中心選手へと成長を見せています。これまでFISワールドカップで記録した最高位は8位。昨シーズンのマドンナ・ディカンピリオ(イタリア)のスラロームで記録しており、その実力を発揮することができれば、世界トップレベルのタイムをたたき出すことができる選手であることは間違いありません。世界選手権は2017年サンモリッツ(スイス)大会、2021年コルティナ・ダンペッツォ(イタリア)大会に続き、これが3度目の出場。今シーズンは年明け、ガルミッシュ・パルテンキルヘン(ドイツ)で行われたスラローム第5戦で25位となり、それが唯一のワールドカップポイントの獲得にとどまっていますが、ここからさらに調子を上げて世界選手権に挑んでもらいたいところです。

GSを得意とする加藤聖五選手。2度目の世界選手権に挑む 【写真:アフロ】

 スラロームを得意とする小山選手に対して、どちらかというとGSやパラレル種目で結果を残しているのが加藤選手。FISワールドカップでも2021/2022シーズンのレッヒ(オーストリア)で行われたパラレル種目で27位という結果を残したのが唯一のワールドカップでの得点ですが、GSで限りなく2本目進出に近づく姿も見せているので、今大会ではやはりGSとパラレルでの活躍に期待したいところ。世界選手権は2021年大会に続いて2回目の出場です。
 黄金世代と言われた同学年の加藤選手と小山選手。世界のトップシードに君臨した佐々木明や湯淺直樹といったエース格が不在の男子日本アルペンを、ふたりの活躍で盛り上げてもらいたいところです。

日本女子アルペンをけん引する安藤麻選手 【写真:アフロ】

 女子は安藤選手だけが代表の座を射止めました。2018年平昌五輪、2022年北京五輪でオリンピック出場を果たし、世界選手権もこれで4大会目の出場。実力・実績ともに日本女子アルペンを代表する選手と言えます。FISワールドカップではGS、スラロームともに数度のポイント獲得経験を持ち、最高位は2020/2021シーズンに記録した15位。ここ数シーズンは、ケガやコンディションの問題があり、成績はスラロームに偏っていますが、GSとスラロームの両種目、そしてパラレルでの活躍にも期待したい選手です。今シーズンは1月末、シュピンドレルフ・ムリン(チェコ)で行われたスラロームで23位となったのが唯一のワールドカップポイントの獲得。ただ、前回の2021年コルティナ・ダンペッツォ大会の女子スラロームでは10位入賞を果たしているように、ビッグイベントでの強さも彼女の持ち味。前回大会で見られたような、ゴールでのガッツポーズと笑顔を見せてもらいたいところです。

アルペンスキー世界選手権はNHK BSで生中継を中心に放送

 そんなSNOW JAPAN3選手の活躍も期待されるアルペンスキー世界選手権は、NHK BSでほとんどの種目が生中継(一部録画)で放送されます。ぜひアルペンスキーという競技の魅力を、テレビを通してでも感じていただけたらと思います。放送予定は、下記のリンクよりご確認ください。

【競技予定】※技術系種目のみ
2月14日 混合団体パラレル
2月15日 男女パラレル
2月16日 女子ジャイアントスラローム
2月17日 男子ジャイアントスラローム
2月18日 女子スラローム
2月19日 男子スラローム
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著者プロフィール

公益財団法人全日本スキー連盟は、日本におけるスキー・スノーボード競技を統括すると同時に、普及・振興の役割も担う競技団体。設立は1925年、2025年には設立100周年を迎える。スキージャンプ、ノルディック複合、クロスカントリー、アルペン、フリースタイル、スノーボードの6競技において、世界で戦う選手たち「SNOW JAPAN」の情報や、FIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップなどの大会情報をお届けします。

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