秋元皓貴「年内、絶対に獲り返す」王座奪還にむけて再発進!日本人選手がONEで通用する条件も語る


ONEチャンピオンシップ
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【ONE Championship】

ONEチャンピオンシップで活躍する日本人選手の中で初めてONE立ち技部門(ムエタイ・キックボクシング)で世界王者に輝いた秋元皓貴(30=EVOLVE Fight Team)。

2022年の3月のバンタム級キックボクシング世界タイトルマッチで、当時の王者カピタン・ペッティンディーに挑戦し空手仕込みのローキックを効かせ完勝、新王者に輝いた。しかし、同11月の初防衛戦でムエタイベテランのペッタノン・ペットファーガスに1-2の判定負け。悔しくも王座から陥落した。

秋元はあの試合をどう振り返り、今後はどう戦っていくのか。秋元に直接インタビューした。

【ONE Championship】

■前回のタイトル戦から、最近はどう過ごしている?
「試合が終わって1週間は家でゆっくり過ごしたりしました。トレーニングはまだ100%ではないですが、結構、普通に再開しています。」

■体調は?
「(試合中に生じた)ケガの箇所があるが、もう1ヶ月になるので病院に行こうかと思うがその程度。(蹴られた脇腹については)表面的なダメージだったので、骨や内臓は問題ない。腫れもすぐに引きました。」

■前戦を振り返ってください。
「この防衛戦前まではずっと同じコーチとトレーニングをしていたが、そのコーチがジムを離れたため、今回の試合は新しいコーチと組んだものだった。自分で新しい体制を整えて、再スタートという感じだった。相手の戦い方は想定していたが、やはり、ツメの甘さが出ました。もっとリアルに想定しなければ、いけなかったと思う。」
「出来ていなかった部分で言えば、1Rからペースが悪いなと感じていてて、2R目に入る時、自分は作戦を変えた方が良いのではと思っていたが、セコンドからはもっとプレッシャーをかけて行けの指示で前に前にみたいな。自分としてはあまりプレッシャーをかけ過ぎずがいいのかなと思っていながら、セコンドが皆、そう言うので、それで行こうと。練習ではプレッシャーをかけて前にいく感じだったが、それが上手く行かなかったので、本来であれば作戦を変えるべきだったというのを最終ラウンドまで行ってしまった。それが敗因かなと思います。」
「セコンドやトレーナーとコミュニケーションをちゃんと取ってたつもりだったが、全く意思の疎通がうまく行ってなかったのではと、そこが敗因なのかなと思いました。」

■相手の動きについては?
「カウンターで合わすと思ってた。自分が思っていた以上に自分から攻撃をしなかった。もうちょっと出してくるのかなと思っていた。本当に僕が入った時しか、攻撃しない。自分の想定より若干のズレはあった。でも、その準備は全部していました。(想定のイメージより)少し違った」

■自分の試合ができなかった?ダメージはあった?
「ダメージはなかったですね。タイミングよく攻撃を出されて、自分のやりたいことが出来なかった。」

【ONE Championship】

■再戦した場合、その攻略方法とは?
「僕は作戦を立てるのは苦手なタイプで、完全なプレイヤーだと思っている。できればしっかりとそういうことを考えてくれるチームをまた作らないといけない。今回思ったのはこのチームじゃ多分、またやっても負ける。なので、また、作り直そうと思います。結構、選手が作戦とか、日本人の選手とか、自分でやって自分で考えているみたいなことが多いと思うが、僕も日本にいた時はそうでしたが、これでは世界に勝てない。世界とやっていくには、それに特化した人がいないといけないと思う。今はとりあえずいないので、そういう人を見つけて何でもできるように準備をしておく。」


■自分のスタイルについてどう思う?
「僕の今のスタイルは、欧州のキックボクシングのスタイルと空手のスタイルを混ぜたような感じだと思う。意識してやっている。ムエタイと比べると、アグレッシブに攻めていくので、自分もそうしたいと思っている。観ている人に面白いと感じてもらいたいので、アグレッシブさを重要視している。前回の負けた試合は多分、(ムエタイ選手のリードで)面白くなかったと思う。僕みたいなスタイルの選手が勝って王者でいる方が、ONEにとっても僕にとっても良いと思う。ベルトはしっかりと取り返したい。


■意識している理想の選手は?
「一番綺麗でかっこいいと思うのは10年前のアンディ・サワー。全てが洗練されている。コンビネーションはとても綺麗だし、(バランスよく)パンチもあって、蹴りもあって。結構、どちらかに(技術が)寄っしまうことがあるが、サワーは本当に全部綺麗に出して相手を倒す。身体も強いし。」

■サワーの圧倒し綺麗に倒す姿を意識している?
「アンディ・サワーの昔の映像は(他の選手と比べて)一番よく観ているので、得意に意識している訳ではないが、自然と似た感じの戦いになっているのかもしれないです。」

■ムエタイの技術についてはどう思う?
「自分が前回の試合で相手にやられたようなカウンターの技術は取り入れないといけないと思っている。スーパーボンvsマラット・ガフロフ戦のような、スーパーボンが見せた完封のやり方もあるので。ただ、完全にそればっかりの戦い方になると、試合がつまらなくなので、しっかりと自分も攻めて相手が来たときはそこを狙う、カウンターが使えたら、今以上に優れた選手になれると思います。」

■今の日本格闘技界でONEに通用する選手はいると思う?
「日本人選手はトリッキーな動きをしてみたり、試合だけを観ていると、いけるんじゃないかと思われるが、多分、ほとんどはランキングにも入れないんじゃないかと思う。ただ、階級はないが、吉成名高は強いと思う。」

■そう感じる一番の理由は?
「日本人選手はフィジカル、身体が弱い。また、フィジカルは強くても、近い距離でガチャガチャやって、日本人同士では倒せるが、海外の選手を倒すには至らない。それだと普通に倒されて終わる。世界的にみて身体の強さのレベルが違う。世界レベルで見ると、身体が強くて普通に動ける選手がいるので、今の状況だと難しい。」

■世界出るにはフィジカルアップは必要?
「身体もだし、テクニックもだし、動きもだし、あらゆる面をあげないといけない。自分もONE参戦当初はランキングに入れるレベルではなかった。2、3年と日数をかけていけば、そこを目指せる選手は日本にもいると思う。今すぐでなくても、ここから作っていけば、チャンスは皆にある。」

■2023年の抱負
「しっかり再出発しています。今、自分ができることをしっかりとやって、良いチームを作り直し、絶対に年内ベルトを獲り返したいと思います。期待してください。」
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著者プロフィール

シンガポール発、アジアで絶大な人気を誇る格闘技団体「ONEチャンピオンシップ」! 世界トップクラスの選手や日本人注目選手の最新情報をお届けいたします。

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