【北國銀行ハニービー】偉業へ挑むチームのキャプテンに「永田美香」

北國銀行 Honey Bee
チーム・協会

【北國銀行ハニービー】

敷かれたレールの上を走ってきただけ。

学生時代のことを聞くと、彼女は「敷かれたレールの上を走ってきただけです。」そう言って笑う。
永田美香、28歳。
180センチの恵まれた体格を生かして攻守にチームを支え、日本代表としても活躍している。
福井県で生まれ、中学校から本格的に競技を始めた。
当時から身長が高く、顧問の先生がハンド部に入るように仕向けられた思惑に見事にハマり、ハンド部に入部。しかし、最初はなかなか競技に打ち込むことができず、練習を休むこともあったという。
「問題児だったと思います。顧問の先生にも迷惑をかけました。」
転機となったのは、2つ上の先輩たちの全中優勝だった。
こうなりたいという目指すべきものを見つけ、夢中でボールを追いかけた。そして、中学3年時には、全中優勝、J O C優勝を達成した。

次に選んだステージは、ハンドボール界では知らない人はいない大阪の名門、四天王寺高校。のちに振り返ると、ここにも先生の期待とレールがあったという。そうとは知らず、彼女はよりレベルの高いところでハンドボールがしたいと、高校から親元を離れることを自分で選択した。
信頼できる恩師と共にどんどんと成長し、キャプテンも経験した。
四天王寺高校を卒業後、ここにも「レールが敷かれていた」と言いつつ、自分の性格的に大学に行くよりも高卒で実業団に入ること方が成長できると考え、北國銀行へ。

彼女はレールだと言うが、「ハンドボールをすることを選択した時」、「高校を選択した時」、「実業団に行くと決めた時」、その時々で自分が成長できることを考え、選択してきたのだろう。

北國銀行に入ってからは、想像よりもはるかに大変なことの連続だった。
大人の中にポンと入った感覚だったという。そう感じるのも無理はない。当時、永田は久しぶりの高卒での加入だったこともあり、一番歳が近い選手でも4歳差。
周りは年上ばかり。短時間で集中して練習するという、学生とは違うスタイルにも驚いたという。プレーの質の高さも、永田の言葉を借りるなら「バケモノ」だと感じた。特に同じポジションには、嘉数(旧姓:横嶋)かおるさんがいた。当時日本代表で永田との身長差は約20センチの161センチ。小柄ながらも献身的なプレーとここぞというときの信頼感、シュート率賞に5度輝く実績などまさに北國、そして日本の顔ともいうべき選手だった。
最高のお手本が近くにいて、もがきながらも、先輩たちに必死についていくことでどんどんと力をつけていった。大卒の同い年が入ってくる頃には北國銀行でコンスタントに試合に出るまでに成長した。

「私がキャプテンをするということ」

そして今年の3月、日本リーグプレーオフで北國銀行は前人未到の8連覇を達成、その中心に永田がいた。そして9連覇の偉業を目指す新チームのキャプテンに就任した。
高卒で下積みも長く、チームで様々なことを経験している永田。その彼女がチームのキャプテンになったことでの影響とは、何だろうか。

キャプテンになって意識していることを聞いてみた。
「キャプテンだから、という特別なことはないです。ですが、寄り添っていくところと、言うべきことは言っていくというところのバランスは考えている。プレーでは、考えることができる子が多いから言い過ぎないことも意識しています。」

実業団に入ったばかりの頃のチームは1点差に泣き、なかなか勝てない時期もあった。大事な試合で負ける、勝てない苦しさを味わう、そんな経験もした。そこから優勝する喜び、勝ち続ける難しさ、様々なことを経験した。

先輩たちの後を追い、引っ張られてきた立場から、今度はチームを引っ張り、永田はコートに立つ。
今シーズンの彼女の戦いに注目したい。
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著者プロフィール

北國銀行HoneyBee(ハニービー)は、日本ハンドボールリーグ(JHL)に所属する女子ハンドボールのトップチームです。1975年創部、現在JHL前人未到の8連覇中!その他日本選手権3連覇、社会人選手権7連覇、国体7連覇中!チームスローガンは、「ONE FOR ALL, ALL FOR ONE」チームカラーは、グリーン。今シーズンは、「Challenge&Growth」のスローガンのもと地域に勇気、元気、感動をお届けします!

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