#25ディージェイ・ニュービル 絶対的なエースプレーヤーは、 その任と責を負ってコートに立つ

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今の大阪エヴェッサにおいて、#25ディージェイ・ニュービルがエースプレーヤーであることに、異論を挟む余地はないだろう。それを本人も自覚し、その責任を背負う覚悟でいる。

「自分がこのチームのエースプレーヤーだと、僕自身が信じているよ。だけど今季は新しいコーチが来て、選手も昨季とは構成が違っていて、自分の役割も変わっている。単純に比較はできないけど、過去のシーズンでやってきたことと、今目指しているスタイルはまったく違うんだ。今年のチームはボールハンドリングできる選手が多くいて、スコア能力のバランスが保てている。それが特徴であり、良い点だ。だから自分がすべてをコントロールする必要はないし、僕だけが突出して活躍することも求められていない。明らかにチームが、もっとバランスを取りたいんだという意図を感じられるんだ。それを感じながらも、でもやっぱり自分がエースだと思っているよ」

エースであることはプレッシャーになるのか、あるいは自らを奮い立たせるエネルギーになるのか。

「自分がチームのエースでいることは、普通なことなんだよ。これまでのキャリアを振り返っても、ずっとそうだったんだ。僕自身もベストプレーヤーになりたいと思って練習してきたし、どのチームでもつねにそういう役割を与えられて、頼られてきた。なのでとくに影響はないけど今年は僕の役割も、チームも良いバランスがとれた形へと変わった。今のチームはそれほど自分が活躍しなくても、勝っていけるだろう。でもファン・ブースターのみんなが得点をもっと獲ってほしい、もっとシュート打ってほしいと思っているのは充分に伝わっている。その思いには、応えていきたいね」

確かに1試合平均得点は昨季が23.1だったのに対し、今季はここまで14.9と数字を下げている。ファン・ブースターは心配しているもしれないが、これは本人が不調なのではなく、チームから求められる役割が変化したゆえなのである。そのうえで彼は、新たに求められている役割にも的確にアジャストしている。

「今季の自分を俯瞰して、今のところ良くできていると思うのがディフェンス。我々はこういう強いディフェンスをするんだという姿勢を、僕がチームを代表して見せられていると思う。相手側でベストのガードの選手や、いちばん上手い選手を守ることも僕の役割だし、チームにエネルギーを持ち込むこともそう。それと試合の最後に、勝つためにだれかがシュート決めないといけない場面が来れば、そこは自分の仕事だと思っている。周りも信頼してくれているので、しっかりとシュートを決め切って、チームを勝たせる。これが、もっとも大事な役割だと思ってプレーしているよ」

ディージェイといえば、勝負どころでクラッチシュートを鮮やかに決めるシーンが印象深い。あれを決めさせるのは技術なのか、それともメンタリティなのだろうか。

「練習だよ。数多くトレーニングしてきているし、それが助けになっている。僕が毎日練習している姿をチームも、コーチも見てくれている。そういう過程を経て、僕は試合でコートに出て行ったらシュートを打つ。その連続だね。選手によってはシュート外すと、結果が受け入れられないと感じる人もいるだろう。だけど僕は毎日努力している事実があるから、たとえシュートを外したとしても平気で受け入れられる。周りも練習で毎日1000回以上シュートを打っているのを見ているので、僕がシュートを打つ場面で自信を持って、余裕で見ていられると思う。だから、やはり練習が大事だ。それが、周りからの信頼にもつながるんだと思うよ」

とはいえ調子が悪いときや大事な場面など、シュートを打つことが怖く感じたりすることはないのだろうか。

「怖いと思ったことはないね。つねに自信を持って過ごしてきたので、もし今回外れたとしても次が入るだろうってメンタルでいるよ。僕自身も試合の大事な場面や、競った展開の最後の瞬間を楽しみにしているんだ。ひとつのシュートで勝敗が決する、ハラハラする瞬間。そこで僕がシュートを決めて、ファン・ブースターのみんなが、大きな音を立てて喜んでくれるのは最高の気分なんだ。僕も楽しめているし、そんな場面にコートに立っていられる選手で居続けたい。だから、そのために毎日準備をしているんだ」

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勝負どころのシュートを相手ゴールに突き刺す彼を、ファン・ブースターは“神様”と称える。彼も、自らをそう崇められていることを認識している。

「それはもちろん、知っているよ。神様だなんて、素晴らしいニックネームだ(笑)。そう呼ばれることに恥ずかしいとか、そういう感情はまったくないよ。むしろ称賛してもらって、褒めてくれるのはうれしい。だからこそ、期待に応えようと思ってパフォーマンスが上がると思うし、本当にいいように呼んでくれているなと思う。大阪に初めて来たときから、いつもファン・ブースターのみんながサポートしてくれていることには、本当に感謝しているよ」

来日から3シーズン目を迎えた。日本で名が知られていなかった彼の獲得が発表された際には、“だれなんだ?”といぶかしがる声があったことも事実だ。だがディージェイは自らのプレーでその声をかき消し、勝負強いショットを決め続けて、瞬く間に“神様”と崇められるまでになった。自らをそう愛してくれるファン・ブースターへの思いは、ひたすら深い。

「エヴェッサのファン・ブースターのみんなには、これからも忠誠を尽くし続けていくことを約束するよ。初めて日本に来て1シーズン目が終わったあとも、2シーズン目が終わったあとも、ここに帰って来た。それはなぜかというと、僕はエヴェッサのファン・ブースターのためにプレーしているからだ。それは自分のなかで、大きな意味があることなんだよ。これからチームも自分自身も成長して、みんなが求めているような興奮や、勝利をお届けしたい」

チームはいまだ黒星が先行する、厳しい展開。ここから突き抜けるためには、やはりエースである背番号25の力は不可欠だ。エヴェッサのファン・ブースターのためにプレーすると宣言した“神様”が、反撃の先頭に立つ。
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著者プロフィール

2005年にクラブ創立。七福神のお一人で商売繁盛の神様である「戎様」を大阪では親しみを込めて「えべっさん」とお呼びするところから、 人情・笑い・商売の街大阪を活気づける存在であることを願い「大阪エヴェッサ」と命名。 同年にスタートしたbjリーグで開幕から3連覇を成し遂げる。 2016年9月に開幕した男子バスケットボールの最高峰・Bリーグでは、ホームタウンを大阪市とする大阪唯一のクラブとしてB1に参戦。

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