前年王者が貫禄を見せるのか? チャンピオンズCを展望する
【2021/12/5 中京11R チャンピオンズカップ(G1) テーオーケインズ (Photo by JRA)】
人気別成績
■表1 【人気別成績】
馬番別成績
■表2 【馬番別成績】
牡牝・年齢・所属別成績
■表3 【牡牝・年齢・所属別成績】
前走クラス別成績
■表4 【前走クラス別成績】
前走地方出走馬の各種データ
■表5 【前走地方出走馬の各種データ】
表5は前走で地方のレースに出走した馬に関する各種データをまとめたもの。前項で、過去8年のチャンピオンズC1着馬はすべて前走で地方戦を使っていることを述べた。では、具体的にどのレースかといえば、いずれも地方交流G1のJBCクラシックと南部杯の出走例、好走例が多い。両レースを比較すると、前走JBCクラシック組は1着馬4頭を含む計7頭の好走馬を送り出し、好走例が最多。一方、前走南部杯組は1着馬2頭を含む計5頭が好走し、好走率ではJBCクラシック組を上回っている。
前走人気は、前走の地方戦で1〜4番人気なら大きな差はなく、5番人気も高い回収率を記録。しかし、6番人気以下にとどまっていた馬の好走例はなく、ここに大きな溝が横たわっている。
前走着順で注目したいのは、前走1着の回収率があまり高くないところ。好走率もそこまでのアドバンテージはなく、やや過剰人気と判断してもいいかもしれない。好走率と回収率のバランスを考慮すると前走2〜4着が狙いやすそうなゾーンとなりそう。また、前走5着や前走6〜9着にも好走例があり、ひとケタ着順に収まっていればチャンスは残される。
前走中央出走馬の各種データ
■表6 【前走中央出走馬の各種データ】
表6は前走で中央のレースに出走した馬に関する各種データをまとめたもの。出走例が多いのは東西の前哨戦にあたる武蔵野SとみやこSだが、どちらも好走率が高いとは言えない。そのほかの好走馬は、エルムSと京都開催となった18年のJBCクラシックから3着馬が1頭ずつという苦しい状況だ。
ただし、前走で中央戦に出走していた馬のなかでも、4角を1、2番手で通過していた場合は話が変わってくる。合算して【0.2.4.9】、複勝率40.0%、複勝回収率196%という成績を残し、2、3着候補として侮れない存在となりうる。
中京ダート1800m実績別データ
■表7 【中京ダート1800m実績別データ】
【結論】
以上のデータ分析を元に、今年のチャンピオンズCで有力と思われる馬を紹介していこう。なお、登録18頭のうちケイアイパープルとラーゴムの2頭は回避の予定と伝えられており、残りの16頭は全馬出走可能とみられる。
まずは好走例の多い前走地方戦出走馬から。昨年の覇者テーオーケインズはJBCクラシック1番人気1着からの臨戦。中京ダート1800mも2戦2勝とコース実績もあり、年齢もまだ5歳。あとは14〜16番枠を引かないように祈るだけかもしれない。
JBCクラシック組では、2番人気2着だったクラウンプライドも中京ダート1800mは1戦1勝。しかし、オーヴェルニュは6番人気の支持にとどまっており、好走条件を満たせなかった。
南部杯で3番人気3着だったシャマルも侮れない。中京ダート1800mは未出走で、1600mも前走が初出走と適性は未知数ながら、短距離の交流重賞で好走を続けてきた勢いはある。スピードが生きる馬場や展開になればアッと言わせるかもしれない。もう1頭、今年のジャパンダートダービーを制したノットゥルノは前走の日本テレビ盃が4番人気7着と案外な結果に終わったものの、今回の分析データ上の致命的なキズはなく、好走の可能性は残されている。
一方、前走中央戦出走馬は苦戦傾向にあることを確認した。前走で4角1、2番手だった馬がいれば面白いところだが、唯一該当するレッドソルダードは前走がリステッド競走で、これは過去に好走例がない。となると、いずれも中京ダート1800mで2戦2勝のグロリアムンディとハピのコース適性に期待をかけるところだろう。
文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
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