アジアツアーレポート【3】「2022 Jリーグアジアチャレンジinタイ」ピッチ外のイベント開催や普及活動も全力で!

川崎フロンターレ
チーム・協会

【© KAWASAKI FRONTALE】

フロンターレは「川崎フロンターレアジアツアー2022」と称してタイ、ベトナムの二カ国に遠征し、タイではJリーグアジア戦略の一環として「Jリーグアジアチャレンジinタイ」に参加。11月12日(土)地元クラブのBGパトゥム・ユナイテッド、11月15日(火)北海道コンサドーレ札幌と対戦した。また今回のタイ遠征では選手やコーチ、メディカルスタッフだけではなく、各部署のクラブスタッフが数多く帯同。タイ日本人学校を訪問、またスポンサー企業の従業員の子どもたちを招いてのサッカークリニック、児童養護施設の訪問など、クラブを挙げてピッチ外のイベント活動にも勤しんだ。

Jリーグを知ってもらい、日本のクラブを身近に感じてもらう

試合会場ブース内で飾られているチャナティップ選手のユニフォーム 【© KAWASAKI FRONTALE】

「アジアツアーと称して選手と一緒にタイでイベント活動をするのはクラブとして初の試みだったのですが、今回の遠征はプロモーション担当だけではなく営業担当やチケット担当も一緒で、普段子どもたちと触れ合う機会が少ないスタッフが多かったと思います。今回はみんなで準備をして、みんなで走り回って、子どもたちと一緒にボールを蹴りました。現地の方々にイベントを楽しんでもらえたと思いますし、クラブスタッフとしてもすごく貴重な経験でした」(川崎フロンターレ タウンコミュニケーション事業部・プロモーション担当 斎藤友登)

「Jリーグ アジアチャレンジ」は2017年から行われているJリーグ主導の国際プレシーズンマッチだが、3年ぶりの開催となる「2022 Jリーグアジアチャレンジinタイ」に川崎フロンターレが初参加することになった。タイでは年々Jリーグへの関心が高まっており、チャナティップが所属するフロンターレとしても現地で試合をするだけではなく、さまざまな活動を通してタイ人や在タイ日本人にJリーグを知ってもらい、日本のクラブを身近に感じてもらおうというテーマが掲げられた。

富士通タイランドサッカークリニックでチャナティップ選手がGKに? 【© KAWASAKI FRONTALE】

タイ遠征3日目の11月11日(金)。選手、スタッフは日本人学校としては最も長い歴史を持ち、世界最大規模を誇るタイ日本人学校を訪問。小学5年生を対象に選手たちがサッカー教室や講話を行った。最初は小学生たちの元気の良さに押されていた選手たちだったが、徐々に打ち解けて子どもたちと一緒に笑顔でボールを蹴り、子どもの素朴な疑問に対してユーモアを交えながら答えていた。

「在タイ日本大使館を通じて日本人学校とコンタクトをとらせていただき、学校側も快く受け入れてくださいました。サッカー教室で使っている荷物や備品を海外に持っていくのはなかなか大変でしたが、子どもたちがみんな笑顔で楽しんでくれているのが伝わりましたし、選手やスタッフと一緒にボールを蹴ることでサッカーを楽しんでもらえましたし、ボールを蹴った後にグループに分かれて会話の機会をもてたのも良かったと思っています」(斎藤)

日本人学校としても新型コロナウイルスの影響で長らく外部からの来訪者を控えていたこともあり、クラブの訪問を歓迎していただいた様子。子どもたちがグラウンドで走り回る姿を見て、学校職員の方々からも笑顔がこぼれていたのが印象的だった。

タイ日本人学校で子どもたちに大人気の車屋紳太郎先生 【© KAWASAKI FRONTALE】

「イベント開催や普及活動という点でも手応えを感じました」(斎藤)

けん玉チャレンジ。右はプロモーション担当の斎藤友登 【© KAWASAKI FRONTALE】

また、試合会場ではJリーグのホームゲームで行っているキックターゲットのアトラクションの他、等々力でも開催している、けん玉を日本から持ち込みけん玉チャレンジを実施。物珍しさでタイ人の長蛇の列ができた。用意してくれているはずの備品が当日なかったり、開催場所が事前に知らされていた場所と違っていたり、「相手チームにもマスコットがいると聞いていたんですが、当日会場に行ったらどこにもいませんでした(笑)」(斎藤)といったアクシデントもあったが、そこはこれまでのイベントで培ってきた経験でどうにか乗り切った。

試合会場で開催されたキックターゲットも大人気 【© KAWASAKI FRONTALE】

11月13日(日)にはスポンサー企業に勤めている現地の従業員の子どもたちを募り、サッカークリニックを開催。当然ながら一番人気の選手はチャナティップ。チャナティップが会場に到着すると、子どもだけではなくその親からも歓声が上がっていた。サッカークリニック終了後にはチャナティップの周りに大人の人だかりができ、延々と記念撮影が続けられていた。

「現地の皆さんにもすごく歓迎していただいて、最初からわかっていたのか事前に勉強してくれていたのか、選手の顔を見て子どもたちが駆け寄ってきてサインをねだったりしていました。目をキラキラさせながら選手やスタッフの話を聞いてくれましたし、一緒にボールを蹴ったりして、純粋にイベントを楽しんでくれているのが伝わりました。それにしてもチャナティップ人気は本当にすごかったですね。イベントが終わってもなかなか帰れませんでした」(斎藤)

午前中はイベントに参加し午後に選手は練習、スタッフはイベントや試合に向けた調整や下準備。大忙しのスケジュールだったが、その合間を縫って一部の選手やスタッフは滞在地の隣県のアユタヤ遺跡を見学。短時間ではあったものの、古都の壮大な歴史を肌で感じることができた。

アユタヤ遺跡での1枚(左から早坂勇希選手、五十嵐太陽選手、丹野研太選手、知念慶選手、山村和也選手) 【© KAWASAKI FRONTALE】

タイでの試合はACLで経験済みだが、イベント開催や普及活動も含めた「2022 Jリーグアジアチャレンジinタイ」への参加はクラブとして今回初。初めての訪タイというスタッフも数多くいた。そんななか「イベント開催や普及活動という点でも手応えを感じましたし、大変ではありましたが自分たちも楽しかったので、今後もチャンスがあればぜひ継続していきたいです」(斎藤)とスタッフが話すように、充実した遠征になったようだ。

(文・麻生広郷)

選手・スタッフ全員でアユタヤ遺跡で記念写真 【© KAWASAKI FRONTALE】

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著者プロフィール

神奈川県川崎市をホームタウンとし、1997年にJリーグ加盟を目指してプロ化。J1での年間2位3回、カップ戦での準優勝5回など、あと一歩のところでタイトルを逃し続けてきたことから「シルバーコレクター」と呼ばれることもあったが、クラブ創設21年目となる2017年に明治安田生命J1リーグ初優勝を果たすと、2023年までに7つのタイトルを獲得。ピッチ外でのホームタウン活動にも力を入れており、Jリーグ観戦者調査では10年連続(2010-2019)で地域貢献度No.1の評価を受けている。

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