マルセイユ、バーゼルで見た光景をアントラーズで具現化させるために。クラウドファンディングプロジェクト「アントラーズの未来をみんなで」に込めた中田浩二C.R.Oの思いとは。

鹿島アントラーズ
チーム・協会

【©KASHIMA ANTLERS】

鹿島アントラーズは9月1日から、「2022アントラーズの未来をみんなで」をテーマに、ホームタウンである潮来市とともにふるさと納税型クラウドファンディングを行っている。トップチームの環境改善を目的に実施し、募集期間は10月31日まで。本プロジェクトは鹿島アントラーズのレジェンドで、現在はC.R.O(クラブ・リレーションズ・オフィサー)を務める中田浩二が中心となって企画し、「トップチームが勝つため、この先10年後、20年後にも使える施設にアップデートしていきたい」と、取り組みに思いを込める。

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現役時代の経験からも練習施設の重要性を熟知

 脳裏に刻まれた記憶をたどると、そこにはフットボールのために設けられた施設の数々があった。

「海外クラブのクラブハウスにはお風呂やプール、サウナもあったり、朝、コーヒーや朝食を提供してくれるようなリラックスルームがあったり、違いを言い出せばきりがないほどです。アントラーズも選手たちのために、少しずつそのような環境に近づけていければと思っています」

 鹿島アントラーズのみならず、フランスのマルセイユやスイスのFCバーゼルでのプレー経験を持つ中田浩二C.R.O。その胸の内には、「ヨーロッパで目の当たりにしてきた光景を、鹿島アントラーズの選手たちのために具現化させたい」という思いがある。これまで所属していたセールスチームから、今季は経営戦略チームに異動し、新たな分野での業務に奮闘する日々のなか、トップチームのトレーニング設備改良に向けたふるさと納税型クラウドファンディングプロジェクト「2022 アントラーズの未来をみんなで」(10月31日まで)を中心となって推し進めることになった。

「トップチームの練習施設ができてから30年以上が経ち、だいぶ傷んできているところもあります。施設は今後も使い続けていくもの。この先10年後、20年後にも使える施設にしていくために、今から少しずつ直していかなければいけません。そこで、“アントラーズの未来をみんなで”というタイトルのように、皆さんのご支援をいただければと思います」

 ヨーロッパのフットボールクラブのトレーニング環境を知る中田C.R.Oは、現役時代の経験を通じても、選手の練習施設の重要性を痛感する。鹿島アントラーズが誕生したのは、今から31年前。そのときに完成した当時最先端のクラブハウスや練習グラウンドが、長い歳月を経て老朽化するのは自然のこと。アントラーズOBの一人としても、中田C.R.Oはトレーニング施設の改良に目を向け、そのサポートをクラウドファンディングの実施目的に設定した。

トップチームの練習グラウンドは、雨が降るとトレーニンググラウンドに水溜まりができてしまう 【©KASHIMA ANTLERS】

「例えば、雨が降るとトレーニンググラウンドに水溜まりができてしまうため、グラウンドの土壌の水はけ具合を改善するなど、トレーニング施設で修繕したい箇所はたくさんあります。施設が良ければ選手のストレスをより軽減させられ、彼らがプレーにより集中できることにもつながるし、クラブとしてはすばらしい環境を選手に提供しなければいけない。選手としてもすばらしい環境でトレーニングできることは大きいし、新戦力の獲得においても環境は大事なのです」

 選手の練習施設への投資は、まず先にクラブ資金で進めるものである。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う無観客試合に始まり、いまだコロナ前には戻っていないクラブを取り巻く状況が経営を圧迫している。チーム補強などをはじめとした人件費が優先され、施設投資にはなかなか手が回らないのが実情だ。

 それでも何かできることはないか。今回、さまざまな意見が出ることを承知の上で、中田C.R.Oはサポーターの力を借りたいと今回の目的とした。今後もアントラーズが強くあり続けるために。ふるさと納税とすることで支援者の負担を軽減し、クラブ経営における中長期視点で少しでも早めに手を打つことで、ピッチ外から今の選手たちを支えることを目指す。

リターンイベントの「大運動会」にも多くの工夫

 そして、トレーニング施設の改良を目的に実施される今回のクラウドファンディングプロジェクトは、鹿島アントラーズのホームタウンの一つである茨城県潮来市の協力を得て、実施している。これまでの過去2年は鹿嶋市とともに行ったが、今回は「ホームタウンの5市(鹿嶋市・潮来市・神栖市・行方市・鉾田市)のすべてに声をかけたなかで、潮来市も興味を示してくれた」(中田C.R.O)ことから、潮来市の“ふるさと納税型クラウドファンディング”という形が実現した。

本プロジェクトに際し、潮来市の原浩道市長と中田C.R.O(クラブ・リレーションズ・オフィサー)が対談も行った 【©KASHIMA ANTLERS】

 本プロジェクトに際し、潮来市の原浩道市長と中田C.R.O(クラブ・リレーションズ・オフィサー)が対談も行った。潮来市の協力を得る形で実施されることでの、中田C.R.Oならではの“工夫”も、クラウドファンディングプロジェクトの至るところに施されている。

「潮来市もアントラーズと組むことによって、市のPRになるでしょう。道の駅いたこに立ち寄ってもらったり、市内のホテルに泊まってもらったり、そういったことでの経済効果も見込めるはずです。また、リターンのなかには潮来市内のグラウンドでのサッカー教室や、市内のゴルフ場でのコンペ、地元企業で製作したグッズなど、潮来市全体とうまく関わることができたクラウドファンディングになったと思っています。僕たちアントラーズだけにメリットがあっても仕方ないですから、お互いがWin-Winになれるような形を目指しました」

 今回のリターンの目玉となる「アントラーズ大運動会」にも、中田C.R.Oのさまざまな思いと工夫が詰まっている。すべての参加者が選手と交流し、運動会の一日を楽しんでもらうために、多種多様な視点から多くの施策を準備している。プロモーションにおいても、公式SNSを活用した選手との動画コンテンツを自ら企画し、各種動画に進行役として出演する。

「コロナ禍でなかなか選手と交流できなかったため、今回は何か選手と一緒にできるものが楽しいんじゃないかと思いました。たくさんの参加者が楽しめること、選手と交流できることを想定した種目ばかりです。例えば、玉入れならば選手の持つかごに玉を入れる、借り物競走ならば選手が持つカードを取る。そのように、一つひとつの種目で参加者一人ひとりが選手と交流できる工夫を施しています。また、メルカリロードやカシマスポーツセンターを含めたカシマスタジアム全体を使っての“謎解きゲーム”(アントラーズ大運動会来場者は全員参加可能)も開催します。参加種目の前後や、合間にも楽しめるようなエンタメ性も取り入れていますので、普段、あまり運動をしない人はケガをしないように、しっかり準備をしてアントラーズ大運動会を満喫してもらえればと思います」

公式SNSを活用した選手との動画コンテンツを中田C.R.O自ら企画し、各種動画に進行役として出演する 【©KASHIMA ANTLERS】

 11月20日(日)にカシマスタジアムで開催される「アントラーズ大運動会」への参加権など、豪華なリターンがそろうふるさと納税型クラウドファンディングプロジェクト「2022 アントラーズの未来をみんなで」では、10月31日(月)まで支援を募集している。そこには、鹿島アントラーズの勝利のため、クラブと地域の未来のために尽力する中田C.R.Oの思いが存分に込められている。
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著者プロフィール

1991年10月、地元5自治体43企業の出資を経て、茨城県鹿島町(現鹿嶋市)に鹿島アントラーズFCが誕生。鹿角を意味する「アントラーズ」というクラブ名は、地域を代表する鹿島神宮の神鹿にちなみ、茨城県の“いばら”をイメージしている。本拠地は茨城県立カシマサッカースタジアム。2000年に国内主要タイトル3冠、2007~2009年にJ1リーグ史上初の3連覇、2018年にAFCアジアチャンピオンズリーグ初優勝を果たすなど、これまでにJリーグクラブ最多となる主要タイトル20冠を獲得している。

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