「え、こんなにかかるの?」。中田浩二が初めて知った施設改善に必要なこととは。「2022アントラーズの未来をみんなで」クラウドファンディングプロジェクト開始

鹿島アントラーズ
チーム・協会

【©KASHIMA ANTLERS】

鹿島アントラーズが9月1日、「2022アントラーズの未来をみんなで」をテーマに、ホームタウンである潮来市とともにふるさと納税型クラウドファンディングを開始した。トップチームの環境改善を目的に実施し、募集期間は10月31日まで。本プロジェクトを企画した鹿島アントラーズのC.R.O(クラブ・リレーションズ・オフィサー)を務める中田浩二は、「クラウドファンディングを通じて、アントラーズの未来をともに切り拓いていきたい」と呼びかける。

30年を経てメンテナンスが必要なクラブハウス施設

 今期から経営戦略チームに身を置く中田浩二は、日々の業務のなかでクラブが策定する施設面改善のロードマップがあることを知った。今のクラブに何が必要なのか。そのためにどれくらいの費用が必要なのか。それは、長期的な視点でいつぐらいの時期に、いくらぐらい投資をして、どこから改善していくのかについて想定したものだ。具体的にかかる費用を調べれば調べるほど、相当なお金がかかることが分かった。

「今年はクラブハウスのトップチーム施設を増設しましたが、今はアカデミーが使用する人工芝、そしてつくばアカデミーセンターの芝の張り替えなどの工事が進んでいます。日々、トップチームの選手をはじめ、アカデミーの多くの子どもたちがボールを蹴っています。使えば使うほど、修繕が必要なところが出てくるものです。その費用を換算するとかなりの金額になることがわかりました」

 1993年1月、ジーコCAのアドバイスをもとに、当時の最新設備として鹿島アントラーズクラブハウスは完成した。しかし30年のときを経て、設備や器具をはじめさまざまなところで経年劣化が目立ち始めている。時代の変化はめざましく、メンテナンスや改修はもちろん、さらなる最新鋭の設備投資にも目を向けなければならない状況だ。

「例えばクラブハウスのトップチームが使うピッチの土壌改良です。今は大雨が降ると大きな水たまりができてしまう。それを練習できるようにするにも、スタッフみんなで水はけ作業をしないといけません。ときに練習ができない状況になることもあるのが実情です。今まさに取り組んで完成したばかりですが、雨の日でも練習ができるように人工芝を張りました」

 この土壌改修はピッチ1面だけでおよそ1億円弱かかることが分かっている。さらに、グラウンドの照明やトレーニング器具を改修するのに、およそ1億3000万円はかかると想定される。

これまで選手が使用していたクラブハウス内のお風呂写真 【©KASHIMA ANTLERS】

現在、選手が使用しているクラブハウス内のお風呂写真 【©KASHIMA ANTLERS】

「すでに設備投資へのロードマップ策定に始まり、実際に工事も進んでいます。ただ、保守・修繕に関してはトップチーム施設だけでなく、アカデミー施設でも対応が必要となります。改修の優先度をつけて計画を立てても、緊急性の高い修繕作業が発生することもあり、なかなかすべてを完了させるまでには時間がかかります。そんななか、今回のクラウドファンディングの“アントラーズの未来をみんなで”というテーマに、施設環境の改善が合致するのではないか。そう思ったんです」

 本プロジェクトを通じて、必要ではあるもののすぐには手を出せない施設への投資を実現し、アントラーズが今後20年、30年、そして100年と歴史を紡ぐことを目指していくー。

「アントラーズの未来を、多くのアントラーズファミリーの皆さまとともに切り拓いていきたい」

 そんな思いを持って、企画はスタートした。

 中田自身、アントラーズで現役生活を送り、11個の国内3大タイトル獲得に貢献してきた。クラブはこれまで20個のタイトルを獲得してきたが、次のタイトルに向けて、いかにチームに貢献できるかを日々突き詰めている。

「選手の環境が整えば、それが必ず勝利やタイトルにつながるとは言い切れないかもしれません。ただ、選手たちには少しでもいい環境で、日々の練習や試合に集中してほしい。そのために僕らフロントスタッフができることは、より良い環境を整えて、チームを支えることです」

【©KASHIMA ANTLERS】

リターンの目玉は現役選手との大運動会

 協力者へのリターン(返礼)の目玉には、現役選手たちとともにカシマスタジアムで大運動会を企画した。

「何をやるか考えるなかで、今年はワールドカップがあってオフに選手と一緒に交流できる。単純におもしろそうというところから、最近はコロナ禍で選手と交流できないし、一緒に何かできることが楽しいのではないかというなかで決まりました」

 コロナ禍を経て、ファンサポーターと交流する機会がなくなった。そのなかで、「何か一緒に楽しめて、より交流できるものがいい」と考えを巡らせた。「結構な時間をかけて、考えたよ(苦笑)」と、さまざまな条件や幅広い層との交流実現に向けてまとめてきた。

「日々の練習でもファンサービスができなかったり、そもそも人との接触が少なくなりました。少しずつ以前に戻ってきているなかですが、最低限のケアはしながらも、ともに楽しい時間を過ごせたらいいなと思っています。この企画を初めて選手に伝えたときも、“おもしろそう!”とか、“ファンサポーターとみんなで楽しめる機会になりますね!”といった言葉をもらいました。ぜひ、当日はみんなで楽しい時間を過ごせればと思っています」

 「アントラーズ大運動会」と題して開催する当日の交流を、中田はじめ選手たちは楽しみにしている。

リターン(返礼)は現役選手、OBとの運動会を始めとした、さまざまな直接交流を予定している 【©KASHIMA ANTLERS】

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著者プロフィール

1991年10月、地元5自治体43企業の出資を経て、茨城県鹿島町(現鹿嶋市)に鹿島アントラーズFCが誕生。鹿角を意味する「アントラーズ」というクラブ名は、地域を代表する鹿島神宮の神鹿にちなみ、茨城県の“いばら”をイメージしている。本拠地は茨城県立カシマサッカースタジアム。2000年に国内主要タイトル3冠、2007~2009年にJ1リーグ史上初の3連覇、2018年にAFCアジアチャンピオンズリーグ初優勝を果たすなど、これまでにJリーグクラブ最多となる主要タイトル20冠を獲得している。

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