〈FANCL CLASSIC/2R〉最終予選会から来たシニアルーキー、柴田忠則が4位Tで最終日へ「いつもと同じようにつまらないゴルフをしたい」

チーム・協会

【©PGA】

ファンケルクラシック 第2ラウンド

 
 大会2日目を終えて単独トップに立ったのはトータル7アンダーの鈴木亨。2打差のトータル5アンダー・2位タイには手嶋多一とタワン・ウィラチャン(タイ)がつけている。そんななか、最終予選会14位の成績で今シーズンを戦うルーキーの柴田忠則が、2日目のベストスコアタイとなる「68」で回り、トップと3打差のトータル4アンダー・4位タイの好位置で最終日を迎える。

 大阪府出身の柴田は、レギュラー時代はほぼ無名の存在。09、14年の「関西オープン」、16年の「日本オープン」と3度レギュラーツアーに出場したが、いずれも予選落ちに終わっている。毎年のようにQTに挑戦してきたが、「ずっと通らなかったので、先にティーチングを取った」と、07年にPGAティーチングプロC級資格、12年にはティーチングプロB級資格を取得。ティーチングプロとして活動しながら、14年8月にはPGA資格認定プロテストで合格を果たした。

 レギュラーツアーに出るだけなら、QTで上位に入ればいいので、プロテストに合格する必要はない。

 「ティーチングを取ればもうPGA会員なので、プロテストは要らないという人はいっぱいいましたけど、やっぱり育ってきた年代的に、『プロテストに通らないとプロゴルファーじゃない』という気持ちが強かった」と、44歳にして晴れて“プロゴルファー”の肩書きを得た。

【©PGA】

 レギュラーツアーでの活躍を目指してきた柴田だったが、「4年前くらいからレギュラーのQTをやめて、シニアに照準を合わせてやってきた」。コーチを務める後輩と二人三脚で「飛距離が出て、なおかつ球が曲がらない、いつも同じことができるスイング」を求めてスイング改造に着手。飛距離は10〜15ヤードほど伸び、ドライバーは「260〜270ヤードくらい」。シニアでは平均よりも少し上といったところだろうか。

 戦える準備が実り、今年の3月に行われた「PGAシニアツアー予選会・最終予選」では14位に入った。フル出場権が得られる10位以内を惜しくも逃したが、14位でもほとんどの試合に出場可能なランキングだ。

 50歳にして、シーズンを通してトーナメントに出場できる権利を掴み、今年目指すは賞金ランキング30位以内のシード。しかし、ここまでは4試合に出場して、41位タイ、39位タイ、43位タイ、50位タイと思ったような成績は残せず、賞金ランキングは57位。そして、ようやく今大会で優勝も狙えるチャンスを迎えた。

 最終組の1つ前で回る最終日については、「当たり前のことですけど、フェアウェイに打って、グリーンに打って、人より早く入れることしか考えてない(笑)。スイングでもパッティングでもひたむきに同じことを続けられることが強み。いつもと同じようにつまらないゴルフをしたい」と話す。

 「ティーチングプロ資格を取って仕事が安定してから」と結婚は08年と遅かった。娘が生まれた14年に「なにかあるんやろうなと思っていた」とプロテストに合格。柴田のキャリアは人生の転換期とリンクしているのだ。あすの最終日は、妻と小学2年生になった娘も会場に駆けつける。「うちの娘はゴルフに興味がないんですけど、試合とか全然見せられてないので」と、家族の前でかっこいい姿を見せたい。

【©PGA】

  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

PGAはゴルフの正しい普及と発展を願い、誰にでも愛される「国民のスポーツ」「生涯スポーツ」となるため、日本ゴルフ界のリーダーとして活動しています。PGAの使命は、トーナメントプレーヤーの育成、ゴルフ大会の開催・運営に加え、ゴルフの正しい普及と発展を具現化するために、ティーチングプロ資格を付与したゴルフ指導者を育成しています。さらにPGAでは幅広い分野で積極的な取り組みを行い、地域に密着した社会貢献活動、ジュニアゴルファーの育成など多方面にわたる取り組みを日々歩み続けています。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント