【PICKUP PLAYER】寺門陸:チームを助けるゴールキーパーへ。19歳、まっすぐな挑戦

レノファ山口FC
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【RENOFA YAMAGUCHI FC】

天皇杯2回戦の水戸ホーリーホック戦で公式戦デビューを飾った31.寺門陸選手。拮抗した展開となった試合は、延長戦で19.沼田駿也選手が勝ち越しゴールを奪取すると、その後は水戸の猛攻を受けますが、寺門選手は枠を捉えたシュートにも狂いなく反応し、レノファに勝利を呼び込みました。

「仲間に助けてもらいながら勝つことができて、嬉しいです。デビュー戦は一度しかないですので、初出場で勝てたのは自分の中でも自信になりました」

デビュー戦で120分間を戦い、初勝利。いくつものファインセーブに加え、持ち味のキックでリズムを作ろうとするなど奮闘しました。「タッチラインを割ってしまうところがありました」と反省点は残したものの、大きな自信を得る試合になりました。

【RENOFA YAMAGUCHI FC】

名塚善寛監督は「サブに入ったときもチームが勝つために良い声掛けをしてくれています。そういう選手はこういう結果を出してくれる。しっかりとゲームをコントロールしてくれました」と評価し、次の3回戦・ヴィッセル神戸でも先発起用します。

神戸戦もJ1チームを相手に堂々とゴールを守ります。攻撃面では21.関憲太郎選手と同じようにフィールドプレーヤーの一翼を担って、ハイラインオフェンスを堅持。終盤に2失点をしたとはいえ、スタジアムを沸かせるゲームを作りました。

この試合でも手応えを深めた寺門選手は、「試合には負けてしまいましたが、良い経験ができたと思います」と振り返り、「リーグ戦にも出場できるように頑張っていきたいです」と話します。

【RENOFA YAMAGUCHI FC】

もちろん目前に迫ったリーグ戦で先発できる確率は高くはありません。チームは無失点試合を続けており、守護神と言える21.関憲太郎選手のファーストチョイスが予想されます。また、キックのクオリティーでは17.吉満大介選手も高く、1.ファンティーニ燦選手も十分にメンバーに入れる地力があります。

厳しい競争は続き、「関さんの壁を越えないといけない」という状況に変わりはありません。それでも19歳はまっすぐなハートを宿し、チームの勝利のためにできることを実行に移します。

例えば試合開始前のピッチ内練習では周りの選手と声を掛け合い、先発メンバーがフィジカルもメンタルも充実した状態で試合に入れるようにサポート。ゲームが始まれば、メインスタンドそばのウォームアップする合間に、味方選手に大きな声を飛ばしてチームを鼓舞します。

【RENOFA YAMAGUCHI FC】

天皇杯のピッチでは「気持ちが強いほうが勝つ」と声を振り絞った寺門選手ですが、ピッチの外から掛ける声も内容面から充実してきています。単に盛り上げるだけではなく、ピッチ内にいるゴールキーパーやセンターバックと同様、その瞬間に必要な動きをコーチング。それは戦術理解が深まっている証左で、今節が先発ではなかったとしても、メインスタンドの真下から響く声にも必聴です。


目指すはコンスタントに試合に出られるGK。しかし、試合に出るのはゴールではなくスタート地点です。寺門選手は次のように話し、いっそうの成長を誓います。

「最後に一番後ろでチームを助けるのがキーパーの仕事。味方を助けられる選手になっていきたいと思います」

もっと成長していきたい――。


向上心に突き動かされる19歳のひたむきなチャレンジを、目と耳で感じ取りながら、応援していきたい試合がまた始まります。

【RENOFA YAMAGUCHI FC】

寺門陸(てらかどりく)
神奈川県出身。横浜F・マリノスのアカデミーで育ち、2021年にトップチームに昇格。それと同時に育成型期限付き移籍でレノファに加入した。リーグ戦での出場はないが今年4月27日の千葉戦でベンチメンバーに選ばれ、6月1日の天皇杯水戸戦で公式戦初先発を果たした。2002年11月23日生まれ、19歳。
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著者プロフィール

レノファ山口FCは、山口県民が 「夢・感動・元気」 を共有できるクラブ、 山口県の選手を中心とし、山口県民に広く愛されるクラブを理念として2006年に誕生しました。 レノファ山口FCの名称は、「renovation(維新)」の頭文字レノと「fight(戦う)」や「fine(元気)」のファを合わせて「RENOFA YAMAGUCHI FC(レノファ山口FC)」となりました。 歴史に名を残した山口県の先人たちのように、日本のサッカー界にもその名を刻んでほしいと願い命名されました。

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