レノファの「今」を知る天皇杯3回戦! 攻撃スタイルを貫いていこう!

レノファ山口FC
チーム・協会

【RENOFA YAMAGUCHI FC】

水曜日は天皇杯3回戦・レノファ山口FCとヴィッセル神戸の試合が維新みらいふスタジアムで行われます。結果とチームの成長の両方を追いかけるレノファにとって、J1リーグを戦う神戸との試合は自分たちの現在地を知る絶好の機会。実力ある選手との対戦は選手の成長につながるだけでなく、レノファサポーターやサッカーファンにとってもわくわくする試合になるでしょう。

レノファが主戦場としているJ2リーグはシーズンの半分を終え、6月18日の東京ヴェルディ戦で後半戦の戦いが始まったばかりです。もしかしたら、天皇杯をきっかけにレノファに関心を寄せていただいている人もいるかもしれません。本稿ではレノファが改めてどういうサッカーを目指しているか、少し整理しながら天皇杯を展望していきます。

【RENOFA YAMAGUCHI FC】

熱く攻撃的なレノファサッカーを再確認!

レノファの特徴は大きく分けて二つあります。一つはサッカーの戦術面で、Jリーグ参入以降、一貫して魅力ある攻撃的なサッカースタイルを貫いています。もちろん状況によって守勢の戦いを強いられることはありますが、Jクラブとしての歴史が浅いにも関わらず、「今日の試合はレノファらしいサッカーだったか?」と考えることができる明瞭なコンセプトがあるのは、チームとしての強みです。

「攻撃的なサッカー」と言っても監督によって方法論の違いはあります。ただ、なるべく自分たちでボールを保持し、自らアクションを起こしてゴールに迫っていくという姿勢は変わりません。守備でも自陣に籠ることを良しとせず、高いラインをキープし、前線からプレスを掛けてボールを奪おうとします。

リスクは伴いますが、失敗をしてでも「次こそは」と立ち上がって、再び挑んでいくのもレノファ流。そうやって試行錯誤しながら成長し、広いスペースを強度とスピード、賢明なポジショニングで守ったのが神戸でプレーしている菊池流帆選手でした。

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今の守備陣もスピリットは同じ。6.渡部博文選手は守備を束ねるだけでなく、神戸で磨いてきた足元の技術を活かし、攻撃の第一歩として左右両脚からボールを供給。GK陣でもパスワークの一翼を担って攻撃に加わります。

分かりやすい例がリーグ戦前節の東京ヴェルディ戦です。この試合は早い時間に退場者を出してしまい、試合は0-3で敗れています。しかし、10人でもハイラインを保って前線から厳しくチェックし、攻撃に転じた際には、GKの21.関憲太郎選手はDFとほぼ同じ高さまで上がり、フィールドプレーヤーの不足を補いました。無得点に終わったのは悔やまれますが、人数が揃わなくても攻撃姿勢を貫くというスピリットを十分に示した試合でした。

神戸でプレーした選手や躍動する若手にも注目!

もっとも攻撃的だからといって単に前のめりなだけではありません。名塚善寛監督は前半戦のラストゲームとなったファジアーノ岡山戦のあとに次のように話し、優位に立てる細かさも選手に求めています。

「攻撃に関しては後ろからしっかりとボールを前に運ぶ。そのために幅を取り、深さを取り、相手を見ながら立ち位置をずらしていく。相手を見て、味方を見た中で判断し、ポジションを取りながらボールを前に運ぶクオリティーは、もっと上げていかないといけないと思っています。危なかったら蹴るというサッカーはしたくないですので、そこでもしっかり相手を見てはがす。守備に関しても自分たちから前向きに連動して奪いに行くというサッカーをやっています」

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今回の対戦相手、ヴィッセル神戸はJ1で最下位と苦戦していますが、タレントは豊富で個人の力で差があるのは否定できません。しかし、レノファはそれでも名塚監督の言葉通り、連動してボールを奪いに行くでしょう。高い位置で奪えれば質の高いショートカウンターでゴールを目指し、自陣からの構築であれば、人数を割き、ピッチを広く使ってゴールを目指していきます。

ビルドアップでボランチとともにタクトを振る6.渡部博文選手、攻撃を結実させる最前線の13.大槻周平選手はいずれも古巣対戦。「間違いなく成長させてもらったチーム。素晴らしい選手がいて、そういう選手を見ながら僕も経験を重ねられました。感謝の思いを持ちながらも、しっかり僕たちも負けないように、追い越せるようにしたいです」(大槻選手)とモチベーションも高く、レノファを導く両雄の攻守両面での活躍に期待が懸かります。

また、菊池選手がそうであったように、攻撃スタイルの中で若手選手の成長もめざましく、ボールポゼッションでは多くの若い顔ぶれにも注目です。

軽やかなボールタッチで決定機を創り出す20.田中渉選手、スピードを活かしてフィニッシュワークに関わる19.沼田駿也選手などが神戸ゴールに迫る場面は出てくるでしょう。さらに両サイドバックも持ち味を出して攻撃参加しており、ドリブルでも打開できる14.橋本健人選手、ワンツーからシュートを放つ場面が増えてきた22.生駒仁選手からも目が離せません!

【RENOFA YAMAGUCHI FC】

みらスタの熱くも温かな空間で、最高のサッカーを!

もう一つのレノファの特徴は温かな空間です。サッカーは熱いけれども、スタジアムの空間をみんなで楽しもうとする雰囲気がみらスタには満ちています。

リーグ戦とは異なりますが、神戸から訪れるヴィッセルサポーターのみなさんや、この対戦カードに惹かれて訪れるサッカーファンのみなさんも、そういうレノファらしさを感じてもらえるのではないかと思います。

【RENOFA YAMAGUCHI FC】

「応援していただける人数が増えても本当に雰囲気が変わらないと感じています。僕らがプレーしていた頃も温かい雰囲気の中で試合をさせてもらいました。そして今も同じ雰囲気の中で試合ができています。本当にありがたいことだと思っています」

そう話すのは地域リーグ時代のレノファに選手として所属していた石原正康GMです。詳しいインタビュー内容は今年のガイドブック(オンラインショップ等で発売中のイヤーブック)に載っていますが、雰囲気はレノファの伝統として受け継がれてきているもの。戦うべきところではチームとサポーターが一体となってゴールを目指し、試合が終われば健闘を讃えあう姿があります。

天皇杯が90分間で終わるのか、120分までもつれてしまうのかは分かりませんが、誰もが楽しめるみらスタの空間を、ぜひサッカーファンのみんなで体感してください!

ボールをどちらが握れるか。相手の狙いを見極めよう!

最後に試合の展望について少し触れておきます。まず述べなければならないのは神戸のメンバーやフォーメーションで読みにくいものがあるという点です。

神戸は前節のリーグ戦で柏レイソルと対戦し、フォーメーションでは今季の基本的な形だった4-2-3-1から3-1-4-2に変更しています。前半28分には、イニエスタ選手がハーフウェーラインを少し越えた付近から技ありのスルーパスを供給。これを酒井高徳選手が受けてペナルティーエリアに迫り、左から絶妙なタイミングでゴール前に抜け出した橋本拳人選手が先制点を挙げました。

しかし、前半のうちに逆転を許すなど苦戦し、後半は修正するも試合は1-3で敗れています。こうした状況を踏まえれば、ロティーナ監督が3バックのフォーメーションを再試行するのか、それ以前の形に戻すのかは見通せません。メンバー面でもリーグ戦とはなる異なる顔ぶれとするかもしれませんが、連続してピッチに立たせる選手もいるでしょう。

レノファはくしくもリーグ戦の前節・東京V戦と同じで、相手の状況が読みにくい試合になっています。したがって試合の序盤では相手のシステムや出方をしっかりと見ていく必要があります。

東京V戦では相手の新たな狙いに対する反応が遅れ、簡単に背後のスペースを与えていました。前線からのハイプレスが効いていたのは間違いありませんが、もう少し相手の狙いに対する判断も早めるべきだったという反省点が残ります。天皇杯も同様、ハイプレスを効かせながらも、相手がレノファのどこを狙ってくるかを見極めねばなりません。

ただ、神戸もレノファと同じようにボールを握って動かしたいチームですから、試合序盤はレノファのどこを突いていけるかを見ていきたいはずです。そう考えれば試合がいきなり動くというのは考えにくく、前半15分くらいから主導権の在り処が見えるようになり、試合が進むにつれて、ボールを持てるチームがどちらなのかがはっきりしてくるでしょう。

天皇杯は一発勝負のトーナメント。90分で試合が終わらなければ、延長戦に入り、それでも決着が付かなければPK戦で勝敗を決します。

【RENOFA YAMAGUCHI FC】

トーナメントは守りを強めたほうが有利に働くこともありますが、チームの成長のためにはチャレンジが不可欠。やはりレノファが勝機をつかむにはアグレッシブに攻めるということに尽きます。相手の出方をなるべく早く感じ取って全員で共有し、レノファらしいサッカーができる時間を増やしていきたいですね!

そして、レノファ観戦が初めてだという方は、ぜひどんな相手にも前向きに戦っていくレノファの熱い姿勢を感じ取ってください。レノファイレブンは、ウィークデーの夜に披露するにはもったいないくらいの熱気に満ちた試合をしてくれるはず。
激闘をスタジアムの力で後押しし、まだ見ぬ天皇杯のさらに次のステージへと進んでいきましょう!!

【RENOFA YAMAGUCHI FC】

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著者プロフィール

レノファ山口FCは、山口県民が 「夢・感動・元気」 を共有できるクラブ、 山口県の選手を中心とし、山口県民に広く愛されるクラブを理念として2006年に誕生しました。 レノファ山口FCの名称は、「renovation(維新)」の頭文字レノと「fight(戦う)」や「fine(元気)」のファを合わせて「RENOFA YAMAGUCHI FC(レノファ山口FC)」となりました。 歴史に名を残した山口県の先人たちのように、日本のサッカー界にもその名を刻んでほしいと願い命名されました。

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