【日本グランドユニテックスHD杯/FR】4打差を逆転!鉄人・室田が3度目のグランドタイトルに輝く

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日本プロゴルフグランドシニア選手権大会 ユニテックスHDカップ2022 最終ラウンド

 
 グランドの部(60歳以上)で、室田淳(66)が逆転で3度目のタイトルを手にした。首位に4打差でスタートし、上位が伸びない中で11番までに5バーディーを奪うなど、通算4アンダーで優勝を飾った。ゴールドの部(68歳以上)では、通算1アンダーで並んだ佐野修一(74)と友利勝良(68)のプレーオフとなり、1ホール目でバーディーを奪った佐野が優勝した。

 「困ったなあ」と、室田は思ったという。13番ティーグラウンドで詰まっているときに、上位のスコアを見た。

 「こっちは5アンダーで、下が1アンダー。そうなると、ゴルフは守りに入ってしまう。案の定、13番で右に外してボギーにした」と振り返る。残り5ホール。「なかなかバーディーが来ないコースだし、そこからは積極的なパーを取りに行ったね。ピンまで遠かったけどしっかり2パットで行ってね」と、4アンダーを守り、2018、20年に続く、この大会3回目の優勝をつかんだ。
 
 「なんていうか、不思議な優勝だね」という。

 理由は「準備不足」。試合のなかった5月、週1回ほどしかゴルフをしなかった。

 「そうしたら5キロ太ってね。今は自分のゴルフはやって見ないと分からないって言う状態。昨日もいいゴルフをしていたけど後半ボギーをたたいた。今日もダメかなと思って出た。だからノープレッシャーだった」と、優勝の2文字はその時点では頭にはなかったようだ。
 
 1番で第2打100ヤードを「95ヤードしか飛ばないはずの50度のウエッジで打ってピンまで飛んだ」と、やはりやって見たいと分からないゴルフだった。しかし、2番で2メートル、5番では左ラフから2メートルとバーディーが来る。

 「今日はアイアンの調子がよかった」というのが、逆転の要因になった。10番パー5で第2打をグリーン近くまで運びバーディー。11番では難しいピンの位置に「行っちゃえって」と狙い、右に外したがそこからチップインを決めた。

 「攻める気持ちでいったから、狙いやすい、いい方に外れてくれたんだね」と振り返った。

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 このコースには3月に練習ラウンドで訪れた。3日間で4ラウンドしたという。

 「今回はメモを持たずに行った。グリーン面は頭に入っている」と、難しいグリーンを攻略できた。最終日が雨になったのもよかったようだ。

 「おれ、雨男だから。雨の時にけっこう勝っている。それが今回有利がったところかな」と話した。
 
 先週のシニアツアー、すまいーだカップで真板潔が5年ぶりの優勝に涙を流しているのを見て「頑張ってきたんだなって感じた。努力して、勝って泣きたいと思ったよ」という。

 今回、涙はなかったですが?

 「努力が足りないなってこと」と笑った。

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 今後の目標を聞いた。

 「8月までに5キロやせる」。

 いえ、ゴルフの目標ですが?

 「5キロやせる。体重が増えると、下半身が耐えられない。だからスイングがかぶったり、体が起きたりして、粘れない、芯を外す。やせて、ショットを元に戻したい。5メートルのバーディーパットはそうそう入るもんじゃない。やっぱり、常に1ピン(約2.5メートル)ぐらいにつけるショットを打つのが理想だから」。
 
 シニアツアーでは2018年の阿蘇シニアオープンで通算20勝目を挙げて以来、優勝から遠ざかっている。

 「シニアツアーの優勝」という言葉はぐっと飲みこんで、まずは体を整えることが優先。

 その先に「涙の優勝」が待っているかもしれない。

(オフィシャルライター・赤坂厚)

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