ガットゥーゾ、バレンシアの新監督に就任

ラ・リーガ公式
チーム・協会

【(C)LaLiga】

6月9日、バレンシアがジェンナーロ・ガットゥーゾ新監督の就任を発表した。現役時代に世界有数のボランチとして活躍した同監督は、ホセ・ボルダラス前監督の後任としてクラブと2024年6月30日までの契約を結んだ。

ガットゥーゾ監督はイタリア南部の生まれで、当時セリエBのペルージャでプロキャリアをスタートした。その後スコットランドの強豪レンジャーズ、サレルニターナを経て1999年にACミランに加入。ミランには2012年まで在籍し、2度のチャンピオンズリーグ制覇を成し遂げたクラブの黄金期を支えた。2006年にはイタリア代表の一員としてワールドカップも制している。

監督として初采配を振るったのは、現役最後の所属クラブとなったスイスのシオン。選手として加入した数ヶ月後、前監督の解任に伴い選手兼監督を任されたものの、長くは続かなかった。現役引退後はセリエBのパレルモを皮切りに、ギリシャスーパーリーグのOFIクレタ、セリエCのピサなどの監督を歴任した。

2017年にミランのプリマベーラ(ユースチーム)監督に就任すると、同年11月にはビンチェンツォ・モンテッラ監督の解任に伴いトップチームの監督に昇格し、2019年夏まで指揮をとった。2019/20シーズン途中にはナポリの監督に就任。同シーズンのコッパ・イタリアで監督として初タイトルを獲得した。

ナポリ時代には時折スペクタクルなプレーを実現し、ハードマークで鳴らした選手時代とは異なるスタイルで監督としての評価を高めた。この点について、当時本人は次のように語っている。

「選手時代のガットゥーゾについて話すのは無意味だ。気合い、闘魂といった精神論ばかり振りかざすことはできない。アグレッシブなスタイルは変わらなくとも、俺は指導者となるための勉強を積んできた。このライセンスはプレゼントされたものじゃないんだ」

監督としてはテクニカルなプレースタイルを志向しており、これまで度々スペインフットボールへのリスペクトを口にしている。

「初めてボールポゼッションを重視するスペインのチームと対戦した時は思考が停止したよ。単独でプレスをかけに走ったけど、相手は自分の周りでパスを回し続けていた。試合後には、自分たちがイタリアでやっているものとは異なる競技のような印象すら抱いたよ。苦しい試合だった。今は現役時代とは異なる視点からフットボールを見ている。自分のチームにはボールを保持し、リスクを避けるプレーを求めている」

監督として志向するテクニカルなポゼッションスタイルと、選手時代に培ったボール奪取への執念。ガットゥーゾは2つの異なるフットボールを組み合わせ、ピッチ上で具現化することができる特別な才能を持った監督だ。メスタージャでもその手腕を存分に発揮してくれることを期待したい。

現役時代もスペインでのプレー経験がないガットゥーゾにとって、バレンシアの監督として臨む2022/23シーズンは自身初のラ・リーガ・サンタンデール挑戦となる。なお2021/22シーズンのラ・リーガ・サンタンデールにはイタリア人選手が一人もいなかったが、監督は2人いた。レバンテのアレッシオ・リスキ監督と、レアル・マドリーのカルロ・アンチェロッティ監督である。

とりわけ後者との対戦はガットゥーゾにとって特別な意味を持つ一戦となる。アンチェロッティはミラン時代の恩師であり、ガットゥーゾは彼の指揮下で通算323試合もプレーしている。選手として、監督として成功を収めたアンチェロッティは、ガットゥーゾにとって目指すべき理想像と言えるかもしれない。

【(C)LaLiga】

【(C)LaLiga】

  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

ラ・リーガ公式サイトです。最新ニュース、各クラブの情報やデータをご覧ください。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント