「エリートアスリートによる社会貢献活動の類型化 : 新聞記事の内容分析」

日本スポーツ産業学会
チーム・協会

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アスリートの社会貢献活動の方法やアプローチに多様性

アスリートの社会貢献活動とは、「アスリートが競技場面以外において、社会的な知名度や経験を活用して行う社会に対する支援活動」のことです。スポーツを通じた社会課題の解決に向けて機運が高まる中で、この現象には大きな期待が集まっています。一般的に、アスリートは知名度や影響力といった特殊な資源を持っていると考えられています。アスリートは、この資源をうまく活用し、社会課題の解決を促進するエージェントとして活躍することが期待されています。

アスリートの社会貢献活動は決して新しい現象ではないものの、学術分野では萌芽期にあり、科学的な手続きからこの現象を紐解く試みは多くありません。本研究はアスリートの社会貢献活動を紐解く第一歩として、アスリートがどのような活動を行っているのかを整理し、活動の全体像を明確にすることを目指しました。

分析のためのデータは、新聞記事から収集しました。2010年から2019年までに発行された新聞記事(498件)から733件の活動事例を抽出し、内容の分析を行いました。

分析から、アスリートの社会貢献活動は以下の9つの区分に分類されました。それぞれの定義や活動事例など、詳細については論文をご参照ください。

・ 物資提供
・ スポーツに関する環境整備
・ 経済的な支援・寄付
・ 慰問・交流・奉仕活動
・ イベントの開催・参画
・ 試合への招待
・ スポーツ指導
・ 講演会
・ 啓発活動

このように、アスリートの社会貢献活動という現象を整理すると、活動の方法やアプローチに多様性を見出すことができました。この知見は、活動の戦略策定や実施形態の選択といった場面で、アスリートの社会貢献活動を支援する資料となることが期待されます。


小木曽 湧 早稲田大学大学院スポーツ科学研究科
舟橋 弘晃 早稲田大学スポーツ科学学術院
間野 義之 早稲田大学スポーツ科学学術院
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著者プロフィール

日本スポーツ産業学会は「スポーツ産業の健全な発展に寄与できる学会」「産官学の共同による開かれた学会」「国際性豊かな学会」等を中心テーマとし、平成2年に設立されました。 当学会が運営している「SPORTS BUSINESS ONLINE」は、論文誌「スポーツ産業学研究」、情報誌「Sports Business & Management Review」に続く第3の情報媒体として2021年に開設したWebジャーナルです。 コンセプトは「スポーツビジネスのあらゆる情報が集結するオンラインジャーナル」。 本学会が主催するセミナーや学会大会などの情報(案内・プログラム・講演録)や、論文記事情報などを中心に様々な情報を発信しています。

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