ラッシュガードの着用が中学生の水泳授業に対する好感度に及ぼす影響-水着着用に関わる生徒の心理的問題に注目した検討-

日本スポーツ産業学会
チーム・協会

【イメージ写真】

ラッシュガードの着用は日焼けに対する不安を低減することにより、中学生の水泳授業に対する好感度を高める

水泳は男女共に70%を越える児童が「楽しかった」と回答する唯一の種目であるにも関わらず、思春期を迎え他者からの視線や自らの身体が気になる中学生では、好感度が低下する状況が認められた。

そこで本研究では、肌の保護を目的として開発された水着である「ラッシュガード」に着目し、その着用の可否が分かれる2つの中学校に通う生徒を対象として水泳授業に対する好感度及び、水着の着用に関わる心理的問題(体型、他者からの視線、日焼け、体毛に対する不安)等について調査を行った。

その結果、「ラッシュガードの着用は日焼けに対する不安を低減することにより、中学生の水泳授業に対する好感度を高める」と考えられる結果が得られた。
その他、男子生徒では日焼け及び体毛、女子生徒では日焼けに対する不安が高いほどラッシュガードの着用希望が高くなる、さらには、ラッシュガードを着用しても他者からの視線に対する不安を低減することは難しいことを示す結果が得られた。

水泳の授業時に、ラッシュガードの着用が認められていない学校は未だ少なくない。ラッシュガードの着用は水泳授業に対する好感度を高め、授業への積極的な参加を促進することにより、生涯にわたって水泳に親しむ児童や生徒を育成する上でその役割を果たすと考えられた。
また本研究は、水泳授業用のラッシュガードを開発する際に留意すべき心理的側面を明らかにした研究としても意義を持つと考えられた。


上野 耕平 香川大学教育学部
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著者プロフィール

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