名伯楽最後の重賞としても見逃せない中山記念を展望する
【2020/12/26 中山11R ホープフルステークス(G1) 1着 10番 ダノンザキッド】
人気別成績
■表1 【人気別成績】
牡牝別・所属別・年齢別成績
■表2 【牡牝別・所属別・年齢別成績】
出走間隔別成績
■表3 【出走間隔別成績】
前走クラス別成績
■表4 【前走クラス別成績】
一方、前走G2は連対例がない。なかでも前走AJCCは【0.0.0.11】と意外なほどの苦戦を強いられている。また、前走オープン特別とリステッド競走も合わせて【0.1.0.18】と、厳しい結果に終わることが多いようだ。
前走G1出走馬の各種データ
■表5 【前走G1出走馬の各種データ】
前走G3出走馬の各種データ
■表6 【前走G3出走馬の各種データ】
中山・福島の芝重賞1〜3着実績
■表7 【中山・福島の芝重賞1〜3着実績】
それを示したのが表7。この通り、当該実績を持つ馬が、(出走歴を持ちながら)持たない馬より好成績を収めていることが見て取れる。また、「前年以降」の条件を加えると好走率がさらに高くなる。今年でいえば、当該実績が2021年以降ならより重視したい。
また、中山・福島の芝重賞に出走したことがない馬も思った以上に好成績を収めている。2着が多い傾向ではあるが、複勝率35.3%、複勝回収率138%は侮れない。未知数な馬の激走にも注意を払っておいたほうがよさそうだ。
【結論】
過去10年フルゲート(16頭)で行なわれたことはなく、そのうち7年は11頭立て以下と、例年はあまり頭数が揃わない中山記念。しかし、今年は17頭のエントリーがあり、2010年以来のフルゲートもありうる情勢だ。
この17頭のうち、中山・福島の芝重賞で1〜3着の実績を持つ馬は10頭と半数以上にのぼる。もう少し絞り込みたいところで、前年以降(今回は2021年以降)にこの実績を記録した馬に限ると7頭。また、好走の大半を占める中6週以上も条件に加えると、ウインイクシード、コントラチェック、ダノンザキッド、パンサラッサ、ヒュミドール、ワールドリバイバルの6頭が残る。
この6頭のうち、前走G1出走はダノンザキッド、パンサラッサ、ワールドリバイバル。表5の項で述べた前走G1組の好走条件に合致する馬には、マイルCSで5番人気だったダノンザキッドが挙げられる。皐月賞こそ15着と崩れたものの、ホープフルS1着、弥生賞3着と中山実績も十分。好走率が高い4歳馬である点も評価できる。
前走G3出走はウインイクシード、コントラチェック、ヒュミドール。3頭とも前走が6番人気以下だった点は気になるものの、前走福島記念2着のヒュミドールはマークしておきたい。
なお、コントラチェックは前走G3組の好走条件は満たさないものの、中山重賞3勝は随一で、好走率が高い牝馬でもある。引退する藤沢和雄調教師の管理馬という点でも注目したい存在だ。牝馬にはあと1頭、マルターズディオサもいるが、前走東京新聞杯という相性の悪いローテがどうなるか。そのほか、意外に好成績の中山・福島の芝重賞に出走したことがない馬として、エブリワンブラック、レッドサイオン、ワールドウインズの3頭の名前も挙げておきたい。
文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
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