千葉ロッテ・小島和哉が語る新背番号、昨季後半の活躍の要因、今季への想い
【千葉ロッテマリーンズ・小島和哉投手:球団提供】
早大OBが背負った栄光の「14」
千葉ロッテの小島和哉投手は今季から小宮山悟氏、大谷智久氏といった早稲田大学の先輩たちが背負ってきた背番号「14」を着けてプレーする。小宮山氏、大谷氏からは「頑張ってね!」とエールを送られたという。
プロ入りから3年間背負ってきた「43」にも愛着はあったが「こういう機会はなかなかないと思った」と背番号変更を決断した。
昨季後半戦に状態を挙げた先輩たちの言葉
「技術的な部分はそこまで変えていなくて、気持ちだったり、考え方だったりを美馬さんにアドバイスをいただいた。細かく考えすぎたり、ネガティブな発想を考えてしまうので、ポジティブな言葉をかけてもらったりしました」
「あとは、後半になってすごく熾烈な戦いが続いて、リリーフ陣の登板が重なっていたタイミングでもあった。それなのに自分は1週間に1試合の登板で、あまりよくない登板が続き、情けなさを感じていた。僕が投げる試合は、ひとりでも多く投げて、中継ぎの負担を減らせたらなという気持ちで後半戦は投げていた。そこ(活躍)につながったのかなと思います」
5月23日の東北楽天戦(ZOZOマリン)までは左打者に対し、アウトコース中心の攻めで被打率も.329(73-24)だったが、早大の先輩である巨人の高梨雄平投手から、インコースの使い方についてアドバイスをもらった直後の5月30日の広島戦(ZOZOマリン)以降は左打者の被打率が.205(200-41)と改善された。シーズン後半に入っても、課題にしていた左打者を封じ続けていたことも大きい。
「投げる側の話という意味で高梨さんにもアドバイスをもらったり、打者側から感じることというのはマーティンや鳥谷さんにも、自分から話を聞きに行って、『こういうのが嫌だよ』、『こういう球を狙っている』という話をもらいました。やっぱり(インコースに)投げないといけないんだなとあらためて感じて、そこからはすごく使うようにはなったかなと思います」
また、東京五輪明けは試合終盤に入っても145km/h以上のストレートを投げ込んでいた。プロ初完投勝利を挙げた9月11日の東北楽天戦(ZOZOマリン)では、7回にこの日最速タイとなる147km/hを計測。
「プロに入ってからは“6回まで試合をつくれれば”という感覚もありました。マリンで初めて完投できた試合(9月11日の東北楽天戦)で、自分のなかで“もう1イニング投げたい”という気持ちが出てきたり、“中継ぎを休ませるぞ!”という気持ちで投げていた」
「9回投げ切れたときに意外と体力がもったなと、9回でもスピードが初回と変わらないくらいで投げられた自分がいました。簡単なことではなかったですけど、意外とできるんだなと思ったときに、最初から飛ばしたりしても大丈夫だなと感じたところがあった。1回完投してから、いい意味でシンプルに考えられるようになりました。気持ちの変化かなと思います」
いろいろな先輩からアドバイスをもらい、それを試合で実行していくなかで自信を掴み、後半戦の好調につなげていった。
新シーズンに向けて
千葉ロッテマリーンズ・小島和哉投手 【球団提供】
プロ1年目のオフは基礎体力の向上とフォームの改良、2年目のオフは福岡ソフトバンク・和田毅投手と自主トレを行い、体の使い方と土台づくりに着手した。
「2年目のシーズンが120試合制で1年通して投げることができたんですけど、試合数が少ない。去年は一応規定投球回にいきましたけど、オリンピック期間で間が空いている。実質1年間完走したわけではないと思っていて、休みの期間があったから、いい意味でも悪い意味でも切り替えて、後半戦に臨むことができた」
「今年は僕にとって勝負の1年だと思っていて、昨年以上に体力的な部分がしっかりしていないと、夏場とかに崩れたときに一気にドドドと崩れてしまうのかなと思う。原点に戻って走り込み、体幹といった地道にコツコツ重ねる体力的な部分をフォーカスしてやっていました」
今オフは“1年間投げ抜く”ための体力強化に重点を置いた。また小島の課題といえば、先発ローテーションに定着した20年から2年連続で開幕直後が不安定なところ。
そこに関しても、「長いシーズンなので、去年、一昨年も開幕に100%持っていくのはどうなのかなと思っていました。それでも出だしが、あまりよくなかったので、今年に関しては、自主トレ期間も含めて早めに調整してきている。今の段階では去年よりは早いペースで準備できているのではないかと思います」。
開幕投手への想いは?
昨季はチームトップの10勝をマークし、今季はある程度先発として計算される立場の投手。昨年と今年で変化はあったのだろうか。
「僕自身はそういう考えとか気持ちはそこまでなくて、やらないといけないなという自覚はありますけど、安心できるポジションでもない。シーズンに入って結果が出なかったら、使ってもらえる立場だと思っていない。1試合、1試合が常に勝負だと思ってやっている。そのあたりの慢心はないかなと思います」
昨年の実績を考えれば、開幕投手の候補にもあがる。「(開幕を)任されれば、頑張りたいという気持ちと、シーズンに入る1試合目。どこの順番だとしてもシーズンに入る最初の試合で、いい調子で調整することが大事だと思う。開幕だけに限らず、任された試合の1発目でチームに流れを持ってこれるように、今は調整しています」
最後に今季に向けて「去年活躍した数字以上を目指すのは当たり前なんですけど、勝ち星も含め、今年はイニングをできるだけ多く投げたいなと思っていて、170イニング以上投げられるように目指しています」と決意を述べた。背番号「14」となる今季、最高のシーズンを送るための準備は着々と進んでいる。
取材、文・岩下雄太
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