日本一を予感させる伝説のバット投げ!エチェバリア起死回生の一発をロッテの通訳兼広報が振り返る

千葉ロッテマリーンズ
チーム・協会

【1点ビハインドの八回に起死回生の同点ソロを放ったエチェバリア選手】

 打った瞬間にスタジアム、中継を見ているファンの全員が入ったと思ったほど圧巻のホームランだった。

 「間違いなく今シーズン一番の感触。チームが勝って何よりも嬉しい。このまま一試合一試合勝ち続けていくだけ」と打った張本人のアデイニー・エチェバリア内野手は、かわいらしい満面の笑みを見せて語ってくれた。

 11月6日、ZOZOマリンスタジアムにて行われたパーソルクライマックスシリーズファーストステージの初戦。千葉ロッテマリーンズ対東北楽天ゴールデンイーグルス戦。3対4の1点ビハインドで迎えたイーグルスリードの八回裏二死走者なしの場面でエチェバリアに打席が回ってきた。マウンドにはイーグルスの是対守護神・松井裕樹投手。初球は外角高め151キロのストレートに空振り。

 「振り遅れたスイングだったから、きっともう一球同じストレートを投げてくるだろうと思っていた」とエチェバリア。

 その読みは見事に的中し、二球目に投じられたストレートを完璧に振り抜いた。チームメート、ファン、様々な人の期待を乗せて打球はレフトスタンド中段まで飛んで行った。打った本人も打った瞬間入ったと確信し、華麗なバットフリップ(バット投げ)を披露し、一塁ベースに向かった。一塁ベースを踏んだ直後に右手でベンチの方を振り向き指を差したので、その時の感情を聞いた。

 「あの指差しはもちろんチームメート、そしてファンに向けたものだよ。このホームランは皆さんのため為の一本だよという意味。ホームベースを踏んだ後の空に向かって叫んだのは、打たせてくれた神様に向けての感謝だよ」(エチェバリア)

 自分の事よりも、チームメートやファンの事を先に口に出したのは彼の人柄がとても滲みでている。普段から温厚で調子の良い時も悪い時も感情の浮き沈みが少ない助っ人。そんな彼が打った瞬間に感情を爆発させた。「試合は終わってない。ここから必ず勝つぞ。」という気持ちで¡VAMOS!(スペイン語でLet‘s goという意味)と叫んだよと語ってくれた。

 その後にマリーンズは佐藤都志也捕手のサヨナラ打でCSの初戦を勝ち取った。ヒーローインタビューに選ばれたエチェバリア選手はインタビューの中で、ファンについて聞かれると「自分が良い時も悪い時もファンの方は応援し続けてくれた。ファンの皆さんは家族です、愛しています」と語った。試合後に詳細を話してくれた。

 「日本に来てから驚いたことはファンの違い。とても選手をリスペクトしている。アメリカではエラーした後にひどいことを直接言われたりすることがあるが、日本ではいつも選手を鼓舞してくれる。応援してくれるファンのために頑張ろうと思わせてくれる。悪い時も良い時も変わらず応援してくれるのは家族くらいだ。だから、ファンは僕にとって家族と同じなんだ。愛してるよ」

 色々なパフォーマンスや持ち前の底抜けの明るさでチームに笑みをもたらしてくれるエチェバリア。千葉ロッテマリーンズに関わる全ての人と一緒に戦い、勝ちを掴んでいく。さあ、オリックスバファローズを倒し日本シリーズへ。そして日本一へ。エッちゃんことエチェバリアと共に栄光に向かって勝ち進んでいこう。

千葉ロッテマリーンズ通訳兼広報 阿久津英之
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

球団に関するニュース、球団広報によるコラム、オフィシャルライターによるチームのこぼれ話や球団情報をお届けします。お楽しみに!!

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント