選手の想いを届けたいー。アルビレックス新潟広報部がしたためる「広報ダイアリー」が熱すぎる!

アルビレックス新潟
チーム・協会

【©ALBIREX NIIGATA】

アルビレックス新潟 広報部がほぼ毎日 "日記" を配信!

アルビレックス新潟トップチームの日ごろの活動に帯同しているのは、事業本部広報部に配属されている4名のスタッフ。天候に関わらず、選手のトレーニング中の写真を撮影し、動画も撮り続けている。

広報部の業務は、新潟県内外の報道関係者からの取材依頼を調整すること、クラブが推進している業務を公式サイトなどを通じてお知らせすること、SNSを通じて広く個人の方々にチーム状況をお知らせすること、などが挙げられる。

また、会員コンテンツ「モバイルアルビレックスZ」(通称:モバアルZ)を通じて、選手たちの素顔やキャラクターをサポーターに届ける役割も、広報部は担っている。

なかでも、モバアルZ内でテキストで綴る「広報ダイアリー」は、10年以上に渡って選手たちの想いを文字に乗せてほぼ毎日配信しているコンテンツで、根強いファンに支えられており、現在の広報部では、國井・根津・村山が主に執筆を担当。毎回1,500文字程度で、今シーズンは9月末時点で200本以上を配信中だ。

今シーズンに配信した「広報ダイアリー」の中で、多くのページビューを集めた「ここから!」(本間至恩選手)と「なぜ飛んでいるのか」(三戸舜介選手)の記事を紹介する。

「ここから!」 本間至恩選手【1月25日(月)】

1月25日(月)午後。キャンプトレーニング初日、アルベルト監督から歓迎の言葉をかけられ、照れ笑いを浮かべる本間至恩選手。 【©ALBIRX NIIGATA】

1次キャンプ地である高知県へ向かって出発する直前の新潟空港。新チームの集合時間である9時と同時刻に、公式サイトを通じて「本間至恩選手契約更新のお知らせ」が発表された。アルビレックス新潟サポーターだけでなく、多くのサッカーファンが注目を集めた「新潟のエースの去就」に決着がついたときの様子に、広報部の根津が迫った。

1月25日(月)午後。高知龍馬空港に降り立った本間至恩選手。 【©ALBIRX NIIGATA】

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今日、チームは午前9時に新潟空港に集合し、伊丹空港経由で1次キャンプのキャンプ地・高知県に向けて出発。集合時間と同刻に契約更新を発表した本間至恩選手も、新潟空港から2021シーズンに向かって飛び立っていきました。新体制会見も終わり、誰もが本間選手の動向を見守るなか、寺川強化部長から本間選手の契約更新を発表できると、チームより一足早く高知入りしていた國井さんに報告があったのが昨日。すぐに國井さんから本間選手に連絡をとってもらい、昨夜から今朝にかけて、契約更新リリースの準備を進めてきました。

1月25日(月)午前9時に「本間至恩選手契約更新のお知らせ」がクラブ公式サイトから配信された。 【©ALBIRX NIIGATA】

今朝の新潟空港には、キャンプに出発するチームの様子をご取材くださる多数の報道陣がお越しになるため、昨日、私からは「空港で出発前に報道対応をしてほしい」と、本間選手にお願いのメッセージを送りました。本間選手からの返信は「忙しくさせてしまって、すみません!」という私たち広報を気遣う言葉。契約更新のコメントでも分かるように、自分がこの決断に至るまでの間、たくさんの方に心配をかけてしまったことを、本間選手は本当に申し訳なく感じています。そんな本間選手の素直な気持ちと、今季も新潟の10番を背負って戦う決意が現れたコメントとともに、午前9時というイレギュラーな時間ではありましたが、キャンプ出発前に契約更新のニュースをお届けできたことを本当に嬉しく思っています。

1月23日(土)すでに移籍加入や契約更新の発表があった選手たちはアルビレックス新潟クラブハウスで体を動かしている。 【©ALBIRX NIIGATA】

さかのぼること23日(土)の夕方、アルビレックス新潟後援会員限定 の「オンライン選手交流会」の配信が終って一息ついた頃、本間選手がクラブハウスに顔を出してくれました。高知キャンプを2日後に控えながら、まだ自分の動向を発表できない状況の本間選手。その時の表情は、U-15の頃から私が見てきた、何を言われても憎めない、屈託のない笑顔とは全く違う顔でした。いつも通りに広報部屋でくだらない話をしたり冗談を交わしても、何となくお互いに口ごもってしまったり。選手たちからも「至恩はどうなるんですか?」と聞かれることも多く、このオフと自主トレ期間に感じた、何とも居たたまれない雰囲気を本間選手と共有したのは初めてで。これも「至恩の葛藤の現れ」と、昨日までは、私たちも吉報を願って待つだけの日々が続いていました。

「至恩が関西にいたって、SNSで飛び交ってるよ(笑)」と、サポーターの皆さんが本間選手に関する情報に一喜一憂し、契約更新を心待ちにしていることを伝えると、「いや、意味が分かんないです(笑)。本当に怖い!」と本間選手は関西での目撃情報を完全否定。23日の夕方は、そんなやりとりが続いていましたが、「キャンプ出発までに発表できるといいね」と伝えると、本間選手は無言で頷いていました。その時の状況や、本間選手の胸の内は分かりませんが、複数のクラブから評価され、オファーを貰い、チャレンジしたい気持ちと、大好きな新潟でJ1昇格を果たしたい強い想いの狭間にいたのかもしれません。

1月25日(月)キャンプトレーニング初日から軽快な動きを見せる本間至恩選手。 【©ALBIRX NIIGATA】

そして、今日の空港での報道対応では、「いつも温かい応援をしてくれるサポーターは、本当にありがたい。今年も皆さんと一緒に戦えることを誇りに思う」とコメントしていた本間選手。「アルビは自分にとっても、新潟にとっても本当に大事なクラブ。そのクラブで闘えることは本当にすごいこと」と、本間選手の言葉には一切の迷いはありませんでした。早朝で、まだ少し眠そうにも見えましたが、「新潟の選手として誇りをもって頑張りたい」と、胸を張って質問に答える顔はいつもの本間選手。眠そうなのも本間選手らしい一面で、その自然体な姿を見て安心しました。

自称、口下手な寺川強化部長が1か月近く交渉し続け、若干20歳の本間選手が悩みに悩み抜いて、納得して決めた自分が居るべき場所。新潟で生まれ、新潟のアカデミーで育った本間選手が、プロ3年目の大きな決断を発表した今日は、本間選手が新潟で結果を残し、新潟から世界に羽ばたいていく真のスタート地点になるかもしれません。

それでは、また次回。根津でした。

「なぜ飛んでいるのか」 三戸舜介選手【4月24日(土)】

4月24日(土)vs愛媛FC 三戸選手は71分から出場し、84分に退場となる。 【©ALBIRX NIIGATA】

2021シーズン、初の連戦となった4月。J2リーグ第8節vs金沢(4月17日(土)〇1-0)、第9節vs栃木(4月21日 △1-1)と死闘の中でも勝点を積み上げて迎えた、4月24日(土)愛媛FC戦後に珍事?は起きた。ゲームは谷口海斗選手が、リーグ出場10試合目にしてJ2リーグ初ゴールをマークし、終了間際の88分には10番を背負う本間至恩選手がダメを押すゴールを奪い、2-0の勝利。

実はこのゲーム、今季新加入の三戸舜介選手が意外な形でスポットライトを浴びてしまう。1点をリードした新潟は、追加点を狙うために71分から三戸選手がピッチに登場。持ち前の思い切りの良さを如何なく発揮したものの、激しく守備対応をした結果、わずか10分間にイエローカードを2枚提示されて退場を命じられた。ここまでの流れだけでも十分に記憶に残るものだが、なぜか試合後には”途中出場で途中退場"の三戸選手が、チームメイトに胴上げされるという珍事が!

この出来事の後、帰路の松山空港で広報部の國井が三戸選手に切り込んだ。

4月25日(土)明治安田生命J2リーグ第10節vs愛媛FC 試合後にサポーターと喜びを分かち合うアルビレックス新潟のメンバー 【©ALBIRX NIIGATA】

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4月20日(火)から始まった、4泊5日のアウェイ遠征も終盤を迎えています。当ダイアリーを打ち込んでいる時点で上越新幹線に乗車中です。自宅を留守にして栃木県・高知県・愛媛県を訪れた今日まで、正直にお伝えすると疲れました(笑)。事務方の広報部でさえ疲労を感じているのであれば、熱い日差しを浴びて体をぶつけあった選手たちは、想像ができないほど疲れていることでしょう。明日と明後日の2日間はチーム活動がお休みとなるので、十分すぎるほどに体を安静にして、心身ともにリフレッシュして再集合してほしいと思います。各試合会場に応援にお越しいただいた方も、移動の疲れがあることと思います。皆さんも週末をゆっくりとお過ごしください。

4月25日(土)明治安田生命J2リーグ第10節vs愛媛FC 連戦もあり、前節からスタメン3選手に変更があった。 【©ALBIRX NIIGATA】

昨日にアルベルト監督が「ローテーションを考える」と話していたように、栃木戦と比較して先発メンバーは3人が入れ替わり。今季初先発のゴンサロはボランチ、史哉がセンターバックに、そして雄次は右サイドハーフに位置して、愛媛FC戦はキックオフを迎えました。その結果、「誰が出場してもプレースタイルが表現できる」ということを、2-0で勝利した事実が強く示したはずです。まさに個に依存せず、全員が同じ方向を見て力強く成長していることを証明しました。このことにより、今後対戦する相手クラブはアルビレックス新潟の分析に手を焼くことも考えられると思います。

4月25日(土)明治安田生命J2リーグ第10節vs愛媛FC J2リーグ初ゴールを決めた、谷口海斗選手。 【©ALBIRX NIIGATA】

ようやく監督の起用にゴールで応えた海斗。試合後に、ニンジニアスタジアムから松山空港へ向けてバスで出発する際、監督は海斗に「おめでとう」という言葉の後に間髪入れずに「もっと点をとってくれ」と、笑顔で語りかけていました。海斗は照れ笑いが隠せていませんでしたが、気持ちは当然、次のゴールを狙っています。フォワード選手は1点目を取れれば、その後はゴールが続くとよく言われています。海斗も今日のヘディングゴールで精神的なリラックスを手に入れました様子。次節はホームで、デンカビッグスワンスタジアムで初ゴールといきたいところです。

4月25日(土)明治安田生命J2リーグ第10節vs愛媛FC 71分にピッチへ送り込まれた三戸選手。気迫を込めてプレーに入る。 【©ALBIRX NIIGATA】

さて、三戸。途中出場で退場という結果に、試合中からしばらく泣いていました。サッカー人生で初めての経験だったことも作用しているでしょう。そのため、モバゼコ(試合後の選手のテキストコメントコンテンツ)用の取材はためらいましたが、松山空港に着いたときには明るさが戻っていたので突撃。ぜひ、三戸の様子をお読みください。頼れる先輩たちに救ってもらったと言っても過言ではない今日の愛媛戦。達也からも「イエローを受けた後の冷静さは大切だが、今日のような強く守備をすることも大切」とアドバイスをもらい、監督からは「何もしないで退場するよりも戦ったうえでの退場だから、悪いことではない。よりアグレッシブさを発揮できれば、もっといい選手になれる」とも声をかけてもらったことが、とても嬉しかったそうです。

試合後に胴上げをされる三戸選手。 【©ALBIRX NIIGATA】

声がけだけでなく、チームメイトの行動にも感謝の気持ちがある三戸。「胴上げまでしてもらって(苦笑)」と語り始めたのでいきさつを聞くと「試合後の挨拶に泣きながら行っていた。そのときに千葉さんから『おい三戸ちゃん、胴上げしようぜ』と言われて、みんなから急に胴上げされた。胴上げされながら『なんで飛んでいるんだろう』と思ったのだが、レッドカードを出されている自分に対して、こんなにも優しく接してくれることが嬉しかった。いいチームに加わることができて、本当に良かった」と。おそらく公式戦で退場選手が胴上げされるのは前代未聞ではないかと思います。千葉らしい手荒い手法で激励を受けた三戸。何倍もの恩返しをしなければならないですね(笑)。

悔し涙で顔を覆う三戸選手。 【©ALBIRX NIIGATA】

「課題は変わらず守備の激しさ。今日の試合で勉強できたことを持ち帰り、次の練習から解決に向けて取り組んでいきたい」と、三戸は燃えています。決して退場は褒められるものではありませんが、今日の経験が三戸を大きく成長させるきっかけになることを願っています。

國井でした。今日も温かい後押しをいただき、ありがとうございました!

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著者プロフィール

アルビレックス新潟は新潟県をホームタウンとするJリーグクラブ。1996年に創設し、地域リーグやJFLでの戦いを経て、1999年にJリーグに加盟。2003年J2リーグ優勝。04年から17年までの14シーズンに渡りJ1リーグを舞台に戦ったが、同年にJ2へ降格した。20年からはスペイン人のアルベルト監督が指揮を執り、攻撃的で魅力的なサッカーを展開。過去にJリーグの最多入場数の記録を更新したほどの熱いサポーターとともに、再びJ1の舞台を目指して挑戦を続けている。ホームスタジアムはデンカビッグスワンスタジアム。

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