デンカビッグスワンに歓声と歌声を取り戻す―。アルビレックス新潟の新型コロナウイルス大規模ワクチン接種
【©ALBIREX NIIGATA】
8回の大規模接種を実施。接種回数は5,300回超
2019シーズンまで現役選手として活躍した、クラブの「レジェンド」野澤洋輔が率先して来場者を誘導 【©ALBIREX NIIGATA】
今年5月にはJリーグ・村井満チェアマンも新型コロナウイルスワクチン大規模接種への協力を打ち出し、公式戦が行われるスタジアムが、接種会場として使用されるケースは他にもあります。デンカビッグスワンでの大規模接種の大きな特徴は、『大規模接種全体をクラブが企画・運営している』ことにあると言えるでしょう。
たとえば受付を司るのはクラブのチケット担当やサッカースクール担当。接種に向かう方々の補助や誘導は営業や後援会。接種済証を取り仕切るのは総務部。2019シーズンで現役を引退し、現在は営業部に所属する野澤洋輔はお客様の予診票記入をサポートするなど、まさに“オール・アルビレックス新潟”で成り立っていました。
新潟県、クラブパートナーと共にオールニイガタで
資機材等の調達だけでなく、クラブパートナーが受付や書類確認のスタッフを派遣 【©ALBIREX NIIGATA】
デンカビッグスワンスタジアムを知り尽くし、ホームゲーム運営のノウハウを持つアルビレックス新潟も、ワクチンや大規模接種に関する知識を有していたわけではもちろんありません。ここでクラブと新潟県をサポートしたのが、アルビレックス新潟のパートナーでした。ユニフォームパートナーであるNSGグループは、「新潟医療福祉大学」「新潟リハビリテーション病院」に所属する医師・看護師をはじめ、専門学校グループの教職員も派遣。アドボードパートナーの愛宕商事は、医療資機材の調達や運営スタッフの確保に奔走しました。
栃木SC戦が開催された7月11日に実施した大規模接種では、ユニフォームパートナーの亀田製菓が人気商品の「亀田の柿の種」を全員にプレゼント。「今日はこれをおつまみに応援します」と、ユニフォーム姿で笑う来場者の姿もありました。さらに新潟県がワクチン接種を進めるために構築した「新潟県ワクチン接種支援登録サイト」(医療マッチングシステム)も活用して医療従事者を確保し、「オール・アルビレックス、オール・ニイガタ」の体制が整えられることとなったのです。
歓声と歌声が戻る日を信じて
デンカビッグスワンに「アイシテルニイガタ」の歌声が響く日を目指して 【©ALBIREX NIIGATA】
「こんにちは」「体調に変化はありませんか?」「階段があるので足元にお気を付けください」。新型コロナウイルスワクチン接種は、誰にも未知の経験。不安になりがちな来場者に対して、デンカビッグスワンではJリーグのホームゲームさながらのホスピタリティが発揮されていたのです。
アイシテルニイガタ。サポーターや選手が誇り高く歌ったチャントを、アルビレックス新潟は今シーズンのクラブスローガンとして掲げています。「いつも新潟の皆さんに我々は支えていただいている。このような状況だからこそ、我々ができることで恩返しをしたい」(中野幸夫代表取締役社長)。新潟県とは大規模接種だけではなく、感染予防や接種啓蒙に選手が登場して広報連携も行っています。その先には、たくさんのサポーターが「アイシテルニイガタ」と歌い、歓喜にわくデンカビッグスワンがあると信じて。
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