デンカビッグスワンに歓声と歌声を取り戻す―。アルビレックス新潟の新型コロナウイルス大規模ワクチン接種

アルビレックス新潟
チーム・協会

【©ALBIREX NIIGATA】

8回の大規模接種を実施。接種回数は5,300回超

2019シーズンまで現役選手として活躍した、クラブの「レジェンド」野澤洋輔が率先して来場者を誘導 【©ALBIREX NIIGATA】

いまなお日本を覆う新型コロナウイルス禍。アルビレックス新潟は、これまで新潟県と連携して、7月11日(日)に開催された2021明治安田生命J2リーグ・栃木SC戦会場など、合計で8回の新型コロナウイルス大規模ワクチン接種を実施しました。合計での接種回数は5,300回を超えます。

今年5月にはJリーグ・村井満チェアマンも新型コロナウイルスワクチン大規模接種への協力を打ち出し、公式戦が行われるスタジアムが、接種会場として使用されるケースは他にもあります。デンカビッグスワンでの大規模接種の大きな特徴は、『大規模接種全体をクラブが企画・運営している』ことにあると言えるでしょう。

たとえば受付を司るのはクラブのチケット担当やサッカースクール担当。接種に向かう方々の補助や誘導は営業や後援会。接種済証を取り仕切るのは総務部。2019シーズンで現役を引退し、現在は営業部に所属する野澤洋輔はお客様の予診票記入をサポートするなど、まさに“オール・アルビレックス新潟”で成り立っていました。

新潟県、クラブパートナーと共にオールニイガタで

資機材等の調達だけでなく、クラブパートナーが受付や書類確認のスタッフを派遣 【©ALBIREX NIIGATA】

「第4波」とも言われ、緊急事態宣言の対象地域が拡大していた5月。アルビレックス新潟は、新潟県が立ち上げた医療調整本部に協力を申し出ました。ワクチン接種において、報道では『打ち手不足』が叫ばれていましたが、同時に課題となっていたのは大規模接種を運営できる陣容の確保。医療機関と異なり、その日のために医療従事者と非医療従事者を集め、チームワークを確立して安全にワクチン接種を行う大規模接種は、会場数に比例して自治体の負荷も増大していました。「企画運営から大規模接種を担えないか」との要望を、クラブは引き受けました。

デンカビッグスワンスタジアムを知り尽くし、ホームゲーム運営のノウハウを持つアルビレックス新潟も、ワクチンや大規模接種に関する知識を有していたわけではもちろんありません。ここでクラブと新潟県をサポートしたのが、アルビレックス新潟のパートナーでした。ユニフォームパートナーであるNSGグループは、「新潟医療福祉大学」「新潟リハビリテーション病院」に所属する医師・看護師をはじめ、専門学校グループの教職員も派遣。アドボードパートナーの愛宕商事は、医療資機材の調達や運営スタッフの確保に奔走しました。

栃木SC戦が開催された7月11日に実施した大規模接種では、ユニフォームパートナーの亀田製菓が人気商品の「亀田の柿の種」を全員にプレゼント。「今日はこれをおつまみに応援します」と、ユニフォーム姿で笑う来場者の姿もありました。さらに新潟県がワクチン接種を進めるために構築した「新潟県ワクチン接種支援登録サイト」(医療マッチングシステム)も活用して医療従事者を確保し、「オール・アルビレックス、オール・ニイガタ」の体制が整えられることとなったのです。

歓声と歌声が戻る日を信じて

デンカビッグスワンに「アイシテルニイガタ」の歌声が響く日を目指して 【©ALBIREX NIIGATA】

こうして実施された大規模接種を、新潟県医療調整本部・長野努氏は「アットホームな雰囲気であり、かつ『安全・安心』がスタッフに徹底されている。お客様への心遣い、気配りがうまく、気持ちよく接種を終えてお帰りいただける体制が整っている」と評価。また、「医療従事者を含め、グループ企業のスタッフが中心的役割を担っていることから非常にまとまっていて、目的に向かった意識醸成が早い」と、アルビレックス新潟とクラブを支えるパートナーならではのチームワークの良さに感嘆していました。

「こんにちは」「体調に変化はありませんか?」「階段があるので足元にお気を付けください」。新型コロナウイルスワクチン接種は、誰にも未知の経験。不安になりがちな来場者に対して、デンカビッグスワンではJリーグのホームゲームさながらのホスピタリティが発揮されていたのです。

アイシテルニイガタ。サポーターや選手が誇り高く歌ったチャントを、アルビレックス新潟は今シーズンのクラブスローガンとして掲げています。「いつも新潟の皆さんに我々は支えていただいている。このような状況だからこそ、我々ができることで恩返しをしたい」(中野幸夫代表取締役社長)。新潟県とは大規模接種だけではなく、感染予防や接種啓蒙に選手が登場して広報連携も行っています。その先には、たくさんのサポーターが「アイシテルニイガタ」と歌い、歓喜にわくデンカビッグスワンがあると信じて。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

アルビレックス新潟は新潟県をホームタウンとするJリーグクラブ。1996年に創設し、地域リーグやJFLでの戦いを経て、1999年にJリーグに加盟。2003年J2リーグ優勝。04年から17年までの14シーズンに渡りJ1リーグを舞台に戦ったが、同年にJ2へ降格した。20年からはスペイン人のアルベルト監督が指揮を執り、攻撃的で魅力的なサッカーを展開。過去にJリーグの最多入場数の記録を更新したほどの熱いサポーターとともに、再びJ1の舞台を目指して挑戦を続けている。ホームスタジアムはデンカビッグスワンスタジアム。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント